1999/4/25

日本A VS NZ学生代表


日本AVSNZU
2911前半317
1TRY0
0GOAL0
2PG1
0DG0
18後半14
2TRY2
1GOAL2
2PG0
0DG0

FW
1高橋(サントリー)
2坂田(サントリー)
3小口(リコー)
4木曽(立命館大3年)
5平塚(法政大3年)
6石井(トヨタ自動車)
7小泉(神戸製鋼)
8大久保直哉(サントリー)
HB
9堀越(早稲田OB)
10伊藤(サントリー)
TB
11オト(トヨタ自動車)
12勝野(トヨタ自動車)
13沢木(サントリー)
14難波(トヨタ自動車)
FB
15平尾(三菱自工京都)

途中交代
堀越→大原
勝野→古賀
難波→ツイドラキ
平尾→舛尾

時間試合経過得点
5分日本、中央25mPG成功。(オフサイド)3-0
15分NZU、中央18mPG成功。(オフサイド)3-3
27分日本はNZUのG前スクラムから堀越が一度サイドを突いてから内へリターンパス、フォローしたFL石井が右中間にトライ。ゴールキックはチャージされて失敗。8-3
35分日本、右中間40mPG成功。(オフサイド)11-3
HALF TIME
1分NZUは中央スクラムから右展開。CTBが突破してWTBが右サイドを大きくゲイン、最後はフォローしたSOへのパスが通り、右中間にトライ。G成功。11-10
9分日本はマイボールをつないでラックを連取。素速くオープンに展開。沢木や難波がゲインして、最後は右ライン際からFB平尾が内に鋭く切れ込み、右中間にトライ。G失敗。16-10
19分日本中央22mPG成功。(オフサイド)19-10
26分日本右中間20mPG成功。(ノット10m)22-10
34分NZUは日本陣10m付近で右に展開。CTBがステップで日本ディフェンスを6人振り切り、中央にトライ。G成功。22-17
37分日本はNZU陣で左に展開。FB平尾が突破し、交代出場の左WTBツイドラキにパス、最後は内にフォローしたFL石井が左中間にトライ。G成功。29-17



感想
雨模様の天気予報で、庇のないバックスタンドに陣取る私としては、西の空に真っ黒な雲の一群を見かけた時は不安になりましたが、無事試合終了まで持ちこたえてくれました。

試合開始から日本ペース。
前半はほとんどNZU陣で試合は進みました。20分過ぎ、自陣深くからオト選手が突破、CTB勝野選手が相手ディフェンスを振り切り独走。追いすがる選手を交わしてインゴールにゴロキックを蹴り込み押さえてトライ!になるはずのキックがゴールポストに当たり、跳ね返って相手の胸に。結局キャリーバックとなってマイボールスクラムになりました。その後、スクラムからサイドを突いて石井選手が初のトライ。

その後も流れは完全に日本のもの。
相手陣でもう少ししっかりとした球回しやパス、ハンドリングが出来ていれば、もう二つくらい多くトライを取れていたのではないでしょうか? 特にゴールライン付近まで攻め込みながら、最後に坂田選手がノットリリースザボールの反則を取られたのは残念でした。

日本はセットプレーで健闘。
木曽、平塚の若いロック陣が、ラインアウトやキックオフで相手ボールにもプレッシャーをかけ、かなりやれるところを見せてくれました(ただしマイボールラインアウトは不安定・・・)。スクラムも押し気味。

とにかくディフェンスがしっかりして、何度かあったピンチも選手全員が懸命にバックアップして凌いでいました。特にNO8大久保選手を中心とした第三列がハードなタックルとフォローで締まった試合を演出。バックスのアタックでは、当たりの強いCTB勝野選手を起点として展開する形。勝野選手のコンタクトはNZUに引けを取らず、確実にゲインしていました。

後半開始1分、集中力が緩んでいたのか、あっけなくトライを奪われましたが、このあたりは今後の課題かもしれません。
今日の一番のポイントは後半20分過ぎ。NZUの連続攻撃で徐々に日本ディフェンスが切り崩され、ピンチになっていった場面。右サイドのラックでブラインド側が2対1(たぶん)になったときのオト選手のハードタックル。そして、それをまた繋がれ、今度は左オープン側が4対2(たぶん…)になり、完全にトライと思われた場面での、難波選手の乾坤一擲のタックル。相手がしばし起きあがれなくなるほどの凄いタックルで、NZUのプレーを見事に断ち切り、このピンチを凌ぎました。

場内からは割れんばかりの拍手が送られました。日本チームのディフェンスの素晴らしさに観客が感動したのはいつ以来でしょうか。このプレーが今日の日本Aを象徴していました。
(もっとも、この一連のプレーの前にNZUのデンジャラスプレーがあったのでしょうか? ボールが戻されていましたが)

その後も何度かピンチはあったものの、NZUセンターの個人技にバックス全員が振りきられたトライ一つにおさえ、逆に日本は、FB平尾選手のスピード溢れたランニングによる突破からのトライなどで加点し、安全圏に。勝利がほぼ確定した終了間際にも、コーナーポスト付近に迫るNZUの選手をタッチに押し出し、トライを許しませんでした。

目立った選手はたくさんいます。
まずSHの堀越選手。終始素速く正確なパスワークで日本のリズムを作り出しました。
後半14分に交代した後もメインスタンド下のライン際から選手達に大きな声をかけ続けていました。。SHにバショップ選手が選出されたことで、村田、大原、堀越のうち誰か1人がジャパンスコッドから落とされるのは必至。最後のワールドカップ出場を目指して、今日の試合に欠ける並々ならぬ彼の気迫を感じました。

NO8大久保選手も期待に違わぬ活躍。最後まで衰えぬ運動量とハードタックルでその存在をアピール。間違いなくジャパンスコッドに入ってくる選手だと思います。ジャパンの第三列は、渡邉、伊藤、中村、スミス、ゴードン(ロック?)と激戦区ですが、その一角に名乗りを上げたと言っても良いでしょう。

フッカーの坂田選手。豪州遠征スコッドから落とされたためか、今日の試合に欠ける執念は人並み以上のものがあったようです。今日の試合ではキャプテンも務め、良くフィットしてフォワードをリードしていました。
先に挙げた木曽、平塚の若いロック陣。経験を積めば将来が非常に楽しみ。平塚選手も怪我が完治したせいなのか、一時に比べ体が締まり、かなり走れるようになってきました。

CTB勝野選手の外人相手にも決して当たり負けしないコンタクトプレー。沢木選手のロングキックと状況判断。そしてオト選手の突破力と平尾選手のスピード充分の走りなど、収穫がたくさんあった試合でした。
それでも個人的に今日のMVPを選ぶとしたら、難波選手になります。不慣れなWTBというポジションのために、全体的な動きは彼本来のものではありませんでしたが、何と言っても、NZUに行きかけた試合の流れを引き戻したハードタックルは圧巻でした。あのタックルを見られただけでも今日秩父宮に足を運んだ甲斐がありました。

もっとも、今日もNZUの選手から岩下レフェリーへのアピールが度々ありました。グローバルスタンダードな外国トップレフェリーでも今日のような結果が演じきれるのか?やはり一抹の不安が残ります。

さあ、次は本家本元の現ジャパンスコッド達が、この日本Aの選手達の活躍に刺激を受け、5月1日のカナダ戦で、勝るとも劣らないプレーを見せてくれることを祈りたいと思います。

書き忘れましたが、私のラグビー予想は今年も絶好調のようです。(^_^)
先日の予想、33(4T2G3P)-20(2T2G2P)に対して、結果が29(3T2G4P)-17(2T2G1P)ですから、まずまずですね。
調子に乗って現段階での大学選手権の予想をすれば、決勝は早稲田大学対慶応大学です。(え、ホント?)
パシリムのカナダ戦は? これは出場選手もわからないし、今年のカナダの情報もないし、はっきり言って全然わかりません。(^_^;)

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