1999/7/4

日本選抜 VS 韓国選抜

日本VS韓国
227前半015
1TRY0
1GOAL0
0PG0
0DG0
15後半15
2TRY2
1GOAL1
1PG1
0DG0

FW
1長谷川(サントリー 27)
2坂田(サントリー 26)
3中村(サントリー  30)
4平塚(法政大学 21)
5桜庭(新日鉄釜石 32)
6渡邉(東芝府中 25)
7大久保(サントリー 23)
8伊藤(神戸製鋼 28)
HB
9村田(東芝府中  30)
10岩淵(神戸製鋼 23)
TB
11増保(神戸製鋼 27)
12元木(神戸製鋼 27)
13古賀(三洋電機 23)
14大畑(神戸製鋼 23)
FB
15松田(東芝府中 29)

途中交代
平塚→田沼
渡邉→木曽
古賀→難波
大畑→沢木


時間試合経過得点
6分日本は韓国ゴールライン前での相手ボールスクラムをプッシュ。サイドからこぼれたボールをSH村田がすかさず拾ってそのままダイブ。右中間にトライ。G成功。7-0
HALF TIME
9分日本は韓国陣でのマイボールスクラムから大久保がサイドを突破。ラックから岩淵がギャップを突いてゲインし、古賀へ。古賀もゲインした後、素早く左展開。元木ー松田ー増保とつないで左隅にトライ。G失敗。12-0
15分韓国は日本陣で連続してボールを支配。フォワード、バックスが上手くパスをつないで、最後はロックが右隅にトライ。G失敗。12-5
23分日本は自陣でこぼれたボールを岩淵が足にかけ、韓国陣22mラインまで大きくゲイン。右隅でのラックから左に展開。HO坂田が縦を突いてGライン目前まで迫ると、韓国が露骨なオフサイド。このプレーでレフェリーがペナルティトライを宣言。G成功。19-5
25分韓国は日本陣22m付近で日本ボールスクラムから出たボールをキックしようとした岩淵にチャージ。そのままボールを拾い上げると独走で右中間にトライ。19-12
33分日本PG成功。(オフサイド)22-12
35分韓国PG成功。(オーバーザトップ)22-15


感想
記念すべき日韓定期戦の第一回だというのに、いきなり韓国国歌と英国国歌を間違えて流すという大チョンボで始まりました。一つ間違えば外交問題にさえ発展しかねない大失態で(言い過ぎ?)、どうせなら日本国歌も間違えれば「おあいこ」だと不謹慎なことを思ったら、まさか本当にやってくれるとは(ちょっとだけですが)…。

しばし、開いた口が塞がりませんでした。(ちなみに、この国歌間違いの大失態はさすがにテレビ局にとってもまずかったらしく、夜10時からのスカパーの再放送では、放送開始直後のこの場面に何の前触れもなく突然CMを流す、という荒技で対処してくれました)。(~_~;)

このアクシデントのお陰で緊張が解けてしまったわけでもないでしょうが、ジャパンは前日パシリム優勝を決めた輝かしいチームとは思えないほどの情けない試合を演じてくれました。

頼みの外国人がいないとジャパンはやはり元のチームに戻ってしまうのでしょうか? 誰もが圧倒的な勝利を予想して観戦に駆けつけたと思うのですが、今日の試合を見た限りでは、やはり本番のワールドカップでも、頼みは外国人と広瀬選手のキックの出来次第ということになるのかもしれません。

今日のジャパンには多くの要素が欠けていました。
つまり、「ゲームメーカーの不在」、「フォワードリーダーの不在」、「キッカー不在」、「仕事人の不在」等々。

「ゲームメーカーの不在」
広瀬選手に正SOの座を奪われた形の岩渕選手。首脳陣にアピールする為には、どうしても今日の試合で活躍することが絶対条件だったはずですが、気合が空回りしたのか、ミスが目立ちました。一時あれだけジャパンのラグビーに期待を抱かせた彼も、一度狂った歯車を戻すのはそうそう容易ではないようです。悲しいかな現段階では総合点で広瀬選手に大きく水をあけられたといって良いでしょう。

村田選手も出来としては今一つ。アウェーのアメリカ戦でも感じたのですが、バショップ選手とはやはりディフェンス力が格段に違います。そして判断力も。ハーフ団の現時点でのベストは、やはり広瀬―バショップのコンビ。村田―岩淵の組み合わせは、ギャンブル的投入という選択肢しか見えてきません。兎に角、タックル、判断力、キック力などの基本的なプレーで大きな差が見られます。
ただ、今日の試合では、フォワードが振るわなかっために持ち味を発揮できなかったという酷な部分もあるので、次週のワイカト戦でもう一度見てみたい気もしますが・・・。

「フォワードリーダーと仕事人の不在」
今日のフォワードには情けなくなりました。これがパシリムでサモアやカナダを打ち破ってきたチームなの? と言いたくなるほど走れませんでした。ゴードン、スミス、ジョセフなど外国人フォワードの存在は想像以上に大きいようです。
暑さのせいもあったのでしょうが(それは韓国だって同じこと)、ロック陣を始め、スピード不足で集散が遅い為に、生きた球をなかなかバックスに供給できず、ワールドカップに不安を残しました。10月のウェールズはこれほど暑くないとは言っても、最後はスタミナ勝負。フォワードが最後まで走りつづけられるかが勝敗の分かれ目になることは目に見えています。

最近はバショップ選手やジョセフ選手の活躍ばかりが話題になりますが、今日の試合を見て改めてスミス選手の占める割合が如何に大きいか分かりました。
地味ながらも確実にボールに絡み、バックスに活きたボールを素早く供給する彼の存在なくしてはジャパンは機能しないのです。渡邉選手の突破力、伊藤選手のスピード、大久保選手のディフェンス力など、夫々優れた部分はあるものの、平尾監督言うところの「リズムとテンポ」のラグビーをしっかりと演じ切るためには、ある意味、スミス選手のような働きの選手が最も大きな存在なのかもしれません。

時折、誰かが良いゲインを見せても、その後テンポの良い球出しに繋がらず、リズムが作れなかったのは、スミス選手(或いは彼と同じ役割を演じきれる選手)がいなかったことに尽きます。

「キッカー不在」
これは深刻な問題です。
岩淵選手もこの試合のような不安定さでは心許なく、かといって「じゃあ変わりの選手は?
とあたりを見渡しても、せいぜい村田選手程度。元木選手は相変わらずタッチキックをアウトサイドに掛けすぎて一試合に一回は必ずミスするし、増保選手は前回のワールドカップのトラウマがあるので無理でしょう。大畑選手や松田選手は論外だろうし、アンガスというわけにも・・・。いっそのこと、バショップ選手に第二キッカーの役割も任せるというのは如何でしょう?
(ならば第三キッカーはジョセフ、第四キッカーはスミスか・・・)

広瀬選手が万が一故障でもした時、正面からのキックも悉く外しまくり「日本にはキッカーというものがいないのか?」と世界中のラグビー記者から嘲笑された第一回ワールドカップの悲喜劇が起こらないことを願うばかりです。

何度も言いますが、ちゃんとサッカーのコーチ(ラグビーのではなく)に指導を受けたほうが良いと思います。蹴ることに関しては間違いなく彼らの方が優秀なのですから。変な垣根は綺麗さっぱり取っ払ってお互いに仲良くやりましょう。岡ちゃんも秩父宮に観戦に来たことだし、平尾監督がサッカー協会に頭を下げて頼みに行けば簡単に実現しそうですが・・・・・・。

(続くはずだったのですが・・・・・・)

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