1999/7/11

日本選抜 VS ワイカト

日本VSワイカト
3214前半3770
2TRY4
2GOAL4
0PG3
0DG0
18後半33
3TRY5
0GOAL4
1PG0
0DG0

FW
1中道(神戸製鋼 27)
2薫田(東芝府中 32)
3笠井(東芝府中  23)
4桜庭(新日鉄釜石 32)
5平塚(法政大学 21)
6木曽(立命館大 20)
7伊藤(神戸製鋼 28)
8ジョセフ(サニックス 29)
HB
9バショップ(サニックス  32)
10広瀬(トヨタ自動車 26)
TB
11ツイドラキ(トヨタ自動車 29)
12古賀(三洋電機 24)
13マコーミック(東芝府中 32)
14大畑(神戸製鋼 23)
FB
15沢木(サントリー 24)

途中交代
笠井→中村直
木曽→中村航
中村航→石井
古賀→吉田明

時間試合経過得点
5分ワイカトは、日本が自陣22mライン内から上げたパントをキャッチして、左ライン際をパスでつなぎ、最後は内に返してSOが左隅にトライ。G成功。0-7
12分ワイカトは抜けてきたマコーミックのパスをインターセプト。すかさず日本ディフェンスの薄い右に展開し、最後はフォローしたLOデービスが右中間にトライ。0-14
14分ワイカト、右中間40mPG成功。(ノットリリースザボール)0-17
18分ワイカト、右中間30mPG成功。(オーバーザトップ)0-20
23分ワイカト、右中間30mPG成功。(オブストラクション)0-23
25分日本はワイカト陣10mライン付近でのスクラムから右展開し、サインプレー。ブラインドから入ってきたツイドラキが古賀のパスを受けディフェンスを突破。FBをステップで交わし、中央にトライ。G成功。7-23
27分日本は自陣で展開するもマコーミックのパスをワイカトCTBがインターセプト。中央にトライ。G成功。7-30
36分ワイカトは日本G前に攻め込んでスクラム。日本がコラプシングを3回続けて犯し、認定トライ。7-37
38分日本はワイカト陣に攻め込み左ゴールライン付近でのラインアウトから右展開。古賀がディフェンスをステップで交わし、相手を引きずりながらゴール下にトライ。G成功。14-37
HALF TIME
0分日本はキックオフをキャッチしオープン展開。ワイカトの早い出足でマコーミックから古賀へのパスが乱れ、ワイカトバックスにボールをつながれ、最後はCTBローウェンが右隅にトライ。G失敗。14-42
8分日本、右中間15mPG成功。(オフサイド)17-42
10分日本はワイカトゴールライン付近まで攻め込みながら、ラックでターンオーバー。ワイカトはフォワード、バックスが楽々とボールをつなぎ、中央にトライ。17-49
18分日本はワイカト陣左サイドでのラックから素早く右展開。広瀬ー吉田明ー伊藤ー大畑とつないで右隅にトライ。G失敗。22-49
23分日本は中央付近でのラックから左展開。前半と逆のパターンで、ブラインドから回り込んだ大畑がマコーミックからパスを受けて突破。そのまま約50m、ワイカトディフェンスをスピードとステップで振り切り、左隅にトライ。G失敗。27-49
27分ワイカトは日本陣右サイドでのラックから左に展開。左隅にトライ。G成功。27-56
36分日本はワイカトゴール前での中央スクラムから右展開。バショップの飛ばしパス一発で大畑がディフェンスを振り切り右隅にトライ。G失敗。32-56
40分ワイカトは日本陣でボールを自在につなぎ、最後はNO8が左隅にトライ。G成功。32-63
42分ワイカトは自陣からボールをつないで、NO8が左中間にトライ。G成功。32-70



感想
2試合続けての不甲斐なさ。ワールドカップはやはり外国人頼み。
スミス、スミス、スミス。
固定メンバーで戦い続けた故の不安。
まだまだ薄い選手層。
どう選ぶ30人?

いくらワイカトが強いとは言っても、もうすこし何とかなると思っていたのに、久々に145点の悪夢を思い出させるような試合でした。
まだまだジャパンの力はこんなものかもしれません。
パシリム優勝で浮かれまくっていたラグビーファンに、思いきり冷や水を浴びせる試合が二つ続きましたが、この結果でジャパンの弱点が再認識できたことは、逆に良しとしましょう。
少なくとも関東代表に圧勝し、「日本、これで決勝トーナメント進出も狙える!!」などとマスコミが能天気に騒ぎ立てた第一回ワールドカップと同じ轍を踏まないことは確かです。
とにかく、残り3ヶ月を切った今、何ができるのかを真剣に見つめ直して欲しいものです。

試合開始直後は日本の良い面もいくつか見られましたが、詰めが甘く、良い球出しができません。韓国戦と違いジョセフ、バショップが加わっても、やはりリンクプレーヤーの不在。ワンテンポでもラックへの参加が遅れるとワイカトフォワードの長い手がするっと伸びてきて簡単にボールを取られてしまいます。
今日は韓国戦ほど暑くはなかったと思いますが、(経験上、青森の夏はそれほど蒸し暑くはないはず)、フォワードの集散の遅さは相変わらずでした。

加えて、元木ーマコーミックの不動のセンターコンビが長く続いたせいか、一方が変わったときのコンビネーションが非常に不安定です。マコーミック選手からのパスをインターセプトされてトライを奪われたシーンが二度もありました。ワイカトの出足の速さ故のプレッシャーもありますが、古賀ーマコーミックのコンビが如何にも機能していないように見えました。古賀選手は当たりも強く、スピードもあり、個人的には非常に優れた選手だと思いますが(前半38分のトライは彼の能力の高さの証明です)、アタック、ディフェンスでのバックス同士の連携が今ひとつ上手くかみ合っていないような気がします。

マコーミックが抜けたときのフォローのコース取り、或いは抜かれた時のバッキングアップ等々。古賀選手は懸命にディフェンスに戻っているものの、他のバックスの選手とかぶってタックルにいってしまったような場面も何度か見られました。ここら辺りを平尾監督ははたしてどう判断するのでしょう?個人的な資質はかなり高い選手なので、もう何試合かコンビを組ませてみたかったところです。
パシリム優勝はうれしい反面、経験不足、コンビ不足を補うことができない状況をも生み出しました。

それはフォワードも同様。やはりスミス選手の存在は非常に大きいようです。前に述べた、後一歩の遅さが国際試合では致命的。自ら持ち込んだラックがすべてターンオーバーされる事態を引き起こしかねません。木曽選手、伊藤選手もそれなりに頑張っていましたが、結果的には力不足。交代出場した石井選手がどちらかといえばスミス選手と同じような役割を演じられそうですが、それでも差は大きい。この試合にすべてを賭けて挑んだ中村航選手も、数分で怪我のため途中退場になり、あれだけ厚いと思われた第二列、第三列の選手層にも一気に暗雲が立ち込めてきました。

やはり、スミス選手、ゴードン選手に賭けるしかないようです。
現状では、ゴードン、スミス、ジョセフの外国人選手に、ディフェンスに優れた大久保選手、アタック面ででスピードのある渡邉選手の日本人二人を交えたロック、フランカーの構成がベストではないでしょうか?

(とりあえず、現時点で私が選ぶフィフティーンは)
長谷川、
薫田
中村
ゴードン
大久保
渡邉
スミス
ジョセフ
バショップ
広瀬
ツイドラキ
元木
マコーミック
大畑
そしてFBに増保、です。

さて、この試合がワールドカップスコッドの最終選考試合になり、今月末の強化合宿を経て、30人が選出されます。
一番の不安はやはりフルバックのポジション。
もし、私がウェールズやサモア、或いはアルゼンチンの監督で、事前にジャパンの戦い振りを見て戦術を立てるとしたら、迷うことなく、徹底してオープンスペースへのハイパント攻撃を選択します。それほどジャパンFBのハイボールに対する不安は拭い切れません。これは松田選手であっても、平尾、沢木、或いは立川選手でも同様です。

現在、ジャパンのバックス陣の中で最もハイボールのキャッチングに安定感があるのは増保選手。となれば、彼を2ヶ月間徹底的にFBとして鍛え上げるのがベストな気がします。ツイドラキ、大畑の決定力のある両ウイングも活かせるので、攻撃面でも魅力的なバックスリーと思うのですが。


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