オーストラリア | VS | 南アフリカ | ||
27 | 12 | 前半 | 6 | 21 |
0 | TRY | 0 | ||
0 | GOAL | 0 | ||
4 | PG | 2 | ||
0 | DG | 0 | ||
6 | 後半 | 12 | ||
0 | TRY | 0 | ||
0 | GOAL | 0 | ||
2 | PG | 3 | ||
0 | DG | 1 | ||
18 | 18 | |||
3 | 延長前半 | 3 | ||
0 | TRY | 0 | ||
0 | GOAL | 0 | ||
1 | PG | 1 | ||
0 | DG | 0 | ||
6 | 延長後半 | 0 | ||
0 | TRY | 0 | ||
0 | GOAL | 0 | ||
1 | PG | 0 | ||
1 | DG | 0 |
時間 | 試合経過 | 得点 |
4分 | 南アSOデビアーが中央52mPG失敗。 | 0-0 |
5分 | オーストラリア、自陣からターンオーバーでCTBホランが大きくゲイン、南アゴールに迫る。 | 0-0 |
6分 | オーストラリア、南アゴール前ラインアウトから右展開。SOラーカムがDG狙うも外れる。 | 0-0 |
8分 | オーストラリアFBバーク、左中間25mPG失敗。 | 0-0 |
10分 | 南アSOデビアー、中央25mPG失敗。 | 0-0 |
12分 | オーストラリア、左中間15mPG成功。(オフサイド) | 3-0 |
20分 | 南アSOデビアー、中央35mDG失敗。(場内のイングランドファンからブーイング) | 3-0 |
22分 |
オーストラリア、自陣からCTBホランが鋭く抜けて南ア22m陣へ。ラックから右に展開したとき、南アの選手に当たり、オフサイド。 FBバーク右中間20mPG成功。 | 6-0 |
25分 | 南アSOデビアー、中央40mPG成功。(オーバーザトップ) | 6-3 |
27分 | オーストラリアFBバーク、35mPG成功。(ノットリリースザボール) | 9-3 |
37分 | 南アSOデビアー、左中間35mPG成功。(オフサイド) | 9-6 |
42分 | オーストラリアFBバーク、中央25mPg成功。(オフサイド) | 12-6 |
HALF TIME | ||
4分 | 南アSOデビアー、左中間35mPG成功。(オフサイド) | 12-9 |
7分 | オーストラリアFBバーク、中央48mPG失敗。 | 12-9 |
12分 | 南アSOデビアー、左中間30mDG成功。同点 | 12-12 |
18分 | 南アSOデビアー、DG失敗。 | 12-12 |
23分 | 南アフリカはハーフライン付近からCTBフレックが抜けて、22m陣内へ入るもパスが繋がらず。 | 12-12 |
26分 | オーストラリアFBバーク、中央20mPG成功。(オフサイド) | 15-12 |
32分 | オーストラリアは南アフリカ陣で2分以上に渡る連続攻撃(ちなみに計ったらフェイズ18)で、南アフリカゴール前に迫る。SHグレーガンが飛び込むも届かず、ノットリリースザボールと判定される。グレーガンを止めたのはSHファンデルベストハイゼン。 | 15-12 |
36分 | オーストラリアはCTBホランが抜けて大きくゲイン。ファンデルベストハイゼンの厳しいタックルを受けるが、ボールをつないで南アフリカのオフサイドを誘う。オーストラリアFBバーク、中央15mPG成功。 | 18-12 |
38分 | 南アSOデビアー、中央25mPG成功。(ハンド) | 18-15 |
45分 | 南アSOデビアー、右中間40mPG成功。(外せば負けのプレッシャーの中、きっちり決めて延長突入) | 18-18 |
延長前半 | ||
3分 | 南アSOデビアー、中央25mPG成功。(オフサイド)この試合初めて南アフリカがリードを奪う。 | 18-21 |
6分 | オーストラリアFBバーク、右中間15mPG成功。(オフサイド)同点に。 | 21-21 |
延長後半 | ||
3分 | オーストラリアSOラーカム、中央48mDG成功。 | 24-21 |
7分 | オーストラリアFBバーク、右中間45mPG成功。(オフサイド) | 27-21 |
感想 結果的には双方ノートライながらも、互いに死力を尽くし、持てる力のすべてを発揮した壮絶な死闘だった。 これこそがラグビー。 この両チームの素晴らしい集中力、高いスキルの前には陳腐なトライなど簡単に吹き飛んでしまう。トライがラグビーの醍醐味なのは確かだろうが、トライシーンがなくてもこれだけ感動させられる、圧倒される試合を見せてくれる世界のラグビーのレベルの高さ、そして面白さ。 感激すると同時に、国内のラグビーを頭に浮かべると、絶望にも似た感情にとらわれるのは私だけだろうか?これは全く違うものではないのか?本当に日本が世界のレベルで戦うためには、根本的な何かを変えることから始めなければ到底追いつかない。そんな気がする・・・。 前半はオーストラリアペース。 何度かバックスラインが大きくゲインを切る場面を見せる。特に前々回優勝の立役者であるベテランCTBホランが獅子奮迅の働き。切れ味鋭いステップで、再三南アフリカ防御網を突破。FBバークもトライネーションズの不調から脱出してようやく本領を発揮し、攻撃にディフェンスに活躍。それでも南アフリカの世界最強ディフェンスはトライを許さない。このレベルではG前22mラインの内側に入ってからが本当の勝負の始まりだ。 南アフリカは準々決勝で1試合5DGの世界新記録を樹立したSOデビアーが虎視眈々とそのチャンスをうかがうが、オーストラリアは早い出足でデビアーにプレッシャーを掛け、その脚を封じ込める。すると、その早い出足を察知したSHフェンデルベストハイゼンは、一瞬、鋭いパスダミーでサイドを突破。オーストラリアゴール前に迫るが、オーストラリアも隙のないディフェンスで守りきる。 後半は南アフリカが先にペースをつかむ。 後半12分、ようやくデビアーがこの試合始めてDGを決めて同点に。しかし、そこからの攻防も一進一退。唯一トライチャンスと思えたのが、後半32分頃のオーストラリアの連続攻撃。守る南アフリカのディフェンスも決して切れずに、攻めるオーストラリアもミスを犯すことなく、延々と続く波状攻撃。数えると最後のグレーガンのゴールラインへの飛び込みが18回目の連続攻撃(!!)で、この攻撃の所要時間は何と2分10秒。いったい国内でこれほど長い攻撃を見たことがあるだろうか? 36分にバークがPGを決め、6点差になった段階でオーストラリア有利かと思われたが、南アフリカもしぶとい。残り時間で2つのPGを決めて同点にし、今大会初の延長戦に突入。特にノーサイド間際の最後のPGは、雨風の強いかなり難しいコンディションとプレッシャーの中だっただけに、きっちりと決めたデビアーの精神力には感心させられる。 結局、試合を決めたのは延長後半、オーストラリアSOラーカムのハーフウェイライン付近からの48mDG。デビアーのお株を奪う見事なキックで、キックを決めた後のラーカムの笑顔が印象的だった。 全体的にはオーストラリアの方に決め手が目立った。 南アフリカは、前大会と同様に鉄壁のディフェンスから相手の人数を減らし、ターンオーバーに持ちこみ、攻撃に転ずる、という戦い方にあまり変わりはなく、その決定力の差が勝敗を左右したように思える。 いずれにせよ、延長戦まで入っても両チームの凄まじいまでのスタミナは衰えることなく、気の抜けたプレー、安易なプレー、単純なミスのほとんどない、感動的な試合だった。第一回大会の準決勝『フランス対オーストラリア』戦を優に凌ぐ、歴史に残る名勝負といえる。 キック処理、自らのキックのチェイス、タックル、そしてライン参加、と何度となく画面上に登場したオーストラリア・バークと南アフリカ・モンゴメリーの両FBのこの試合での運動量(走った距離)は、恐らく、100年以上に渡る今までのラグビー史の中でも、最大のものになったのではなかろうか?(もし万歩計でもつけていれば、日本のラグビーでは考えられないようなものすごい数値になっていると思う(~_~;)。 あ、でも歩幅が違うか・・・) |