某国営放送局のアナウンサーの得意の科白に 「余ったあ!!!」がある。
ゴール前、攻撃側がオープンに展開し、さもトライを取れそうな状況になると
必ず発するのがこの言葉だ。
最近はこの放送に影響されたのか、ラグビー場の観客席でも
この科白を大声で発する輩が多いようだ。
しかし、本当に余ってんのかあ?といつも不思議になる。
このアナウンサーは、スクラムハーフからバックスに球が出た時に、
攻撃側のバックスラインにたくさん人が並んでいることが「余ってる」という状態
と勘違いをしているようなのだ。
『余る』というのは、防御側のバックスが3人しかいない時に、
攻撃側が4人いるような状況を「余った!」というわけでしょう?
対面を一人一人つぶしていけば、最後に一人本当に余って、
ゴールへ飛び込めるわけだよね。
つまり、本当に余ったのなら、トライの確率は相当高いはずだ。 それなのに、このアナは兎に角相手が何人いようとお構いなく、 バックスがたくさんオープンに並んでいると
「余ったあ!!!」を連発するものだから、 余ったはずのウイングがなぜかトイメンのタックルにあってしまい、トライできないということになる。
まったくこんなアナウンサーの実況を何年も聞かされなきゃならないのだから、 日本のラグビー中継の未来を思うと絶望的になってしまう。
「余ったあ!!!」
この言葉を聞かされるたびに 、僕は解説者と一緒に呟く。
「いや、余ってませんね・・・」
(98/8/20)
さすがに最近はこの間違いに気づいたらしく、このアナウンサーも
的確なところで「余った!!」の科白を発するようになった。
日本のラグビー中継にも未来はあるようだ・・・。
|