実況アナウンサー(1997/6/8)

 ラグビーも以前に比べるとテレビ中継の回数がめっきり少なくなった。
最も華やかだったのは10年ほど前だったろうか。 あの頃は、関東大学対抗戦の早慶戦も放映されていたし、 2月に行われる、まるで気合の入らない出がらしのお茶か、はたまた花相撲のような オール早慶明でさえもしっかり放送されていた。 テストマッチなども含めて年間で30試合以上放送されていたのじゃなかろうか。

放送する局や回数が多ければ、 それだけ多くのアナウンサーや解説者が必要になる。 今でもそうだがアナウンサーや解説者にはそれぞれ特徴があり、 結構笑える台詞を発する人もいてくれたりするので、 彼らのポカや口癖を茶化しながら観るのもなかなか楽しい。

たとえば、某国営放送局Sアナウンサーの実況。
「さあ、早稲田の攻撃だ、フランカーの突進、 サイドを突いて、ラックになった。 素速い展開だ、 余ったあ!!!」
-----おおお、ついに出たぞ、お得意の『余ったあ!!』攻撃。 余ってもいないのに『余ったあ!!』と絶叫する、Sアナウンサーの必殺技! と、今日は何回『余ったあ!!』を口走るのか数えてみるのも面白い。

同じく某国営放送局の今は亡き(合掌)Yアナウンサーのある試合の実況。
Yアナウンサー:
「専修のスタンドオフがハイパンを上げた。 ちょっと深すぎるか。 法政のフルバックしっかり取って、カウンター攻撃だ。 法政の逆襲。法政の逆襲だ。 オープンに展開する。 連続攻撃。連続攻撃。 専修、人が少ない。 11番、法政のウイングの山田に回った。 山田、走る。 専修のタックルが甘い。 抜かれた。 抜かれた。 回り込んでトラーイ。 法政トライ。法政トライ。 逆転です

解説者:「いや、専修のトライですね・・・・

Yアナウンサー:
失礼、専修のトライ、専修のトライ。 専修のウイング、高橋のトライ。 専修、差を広げました」

「ふざけるな! いったいどういうトライなんだ!!」

これ、もしラジオでなんか聞いていたら、何が起こっているのか全然状況が分からないよね。 信じられないかもしれないが、この話はチームと選手の固有名詞以外は殆どホントの話。 詳しい状況は忘れてしまったけど、 まるっきり正反対のチームの選手名を連呼してしまったのだ。 この、紅白歌合戦の『ミソラ事件』にも匹敵する、 世紀の大間違いラグビー実況を 聞けた私は幸せ者でしょう。

ちなみに、このYアナウンサーのスポーツ実況は他にも大ボケがたくさん。 競馬中継の天皇賞実況では歴史に残る『ミスターシンボリ事件』を起こしてくれました。
(国営放送局のアナウンサーは、競馬やラグビー、野球は言うに及ばず、 オリンピックなど始まろうものなら、 全然知らないはずのカーリングや フェンシングの実況(!)などまでしなきゃないのだから同情すべき余地もあるけれど)

この年の春の天皇賞は ミスターシービーシンボリルドルフの 二強対決に注目が集まってました。
そのレースのまさに勝負を決めんとする第4コーナーで。
曰く
「ミスターシービーが外から来た。シービー先頭か、シービー先頭か。 しかしシンボリが譲らない、シンボリルドルフが先頭だ。 さあ、直線に入った。シンボリ先頭か、シンボリ先頭、 ミスターシンボリ先頭。ミスターシンボリ先頭だ。 いや、シンボリルドルフだ。シンボリルドルフ先頭だ、ゴールイン」

・・・・・ひどい、ひどすぎる・・・・。

本当にシンボリルドルフが勝ったのかあ?
これもラジオで聞いていたら、怒ってラジオを窓から放り投げてるね。
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