1998/4/5
関東学院大学 VS ケンブリッジ大学








関東学院
18-19
ケンブリッジ
5-24
23
2
T
3
43
1
4
1
G
2
0
2
1
PG
0
0
0
1
DG
0
0
0

久富(2年)
FW
レイノルズ
下田(4年)
マーフィー
上田(4年)
フォールズ
 堀田(2年)
ハイド
宮村(4年)
クレイグ
宮下(4年)
カウント
北川(サントリー)
ホワイトフォード
坂本(コスモ石油)
コックス
池村(4年)
HB
エリオット
淵上(3年)
モーラン
矢口(3年)
TB
ヒル
萩谷(4年)
ビッドウェル
吉岡(3年)
ロビンソン
四宮(2年)
ウオルン
立川(4年)
FB
サリッジ


試合経過
前半8分、ケンブリッジは自陣から右に展開して、CTBがトライ。(7-0)
15分に、SOから13への飛ばしパスが決まり、抜けた後フォローしたFBに渡って右中間に。(12-0)
20分、関東学院も淵上のパスから萩谷が内へ切れ込んで大きくゲイン。ラックから素早く右に展開して、最後は四宮が右隅に飛び込み初トライ。(12-5)
24分、関東学院はラックサイドを素晴らしいスピードで立川が走り込み、そのままディフェンスを振り切り中央にトライ。(12-12)
28分、ケンブリッジ陣10m付近より、淵上が思い切ってドロップゴール。これが鮮やかにバーを越えて、15-12と関東学院が勝ち越し。
35分に、関東学院が良い形でケンブリッジゴール前まで攻め込みながら、ラックでターンオーバー。そのボールを繋がれて逆にトライを奪われる。(19-15)
関東学院もロスタイムに中央のPGを確実に決めて(19-18)で前半終了。

後半10分、ケンブリッジが関東のゴール前まで攻め込み、スクラムとモールでプッシュをかけるが、関東も去年の大学選手権決勝で見せたような素晴らしいディフェンスで凌ぎきり、何とか無得点に。
然しその後、ペナルティをもらった淵上のタッチキックがノータッチで、相手バックスがカウンター。連続攻撃から、12、14と繋がれ右隅にトライを奪われる。(24-18)
19分にもやや疲れの見えた関東のディフェンス陣をケンブリッジ12が突破、そのまま走りきり左隅にトライ。(29-18)
23分に、ケンブリッジ12が抜けて11へラストパス。そのまま左隅に。(36-18)
この辺り疲れの見えた関東のフォワードが集散で遅れを取るようになる。
33分、関東学院は自陣から回して大きくゲイン。あと一歩のところまで攻め込みながら最後のパスが相手にカットされて、そのまま切り返され、ケンブリッジFBが中央トライ。(43-18)
39分に、関東学院はケンブリッジ陣22m付近のスクラムからフランカーが左隅に飛び込みトライ。(43-23)
このまま試合終了。

感想
関東学院、二連覇濃厚?
WC決勝戦の最有力候補地といわれる、噂の横浜競技場まで片道二時間以上かけて行って来ました。
こけら落としの日韓戦の時には、やれ「屋根が高すぎて雨が吹き込む」だの、「傾斜が緩すぎてグラウンドが見にくい」だのとさんざんの評価だった横浜競技場。横浜とWC決勝戦の開催を競う浦和地元民としては(しめしめ)と思っていたのですが、確かに屋根こそ高すぎて本来の雨除けの役目は果たしそうにないものの、座席の方はゆったりした作りで前の観客に視界を遮られることもなく、思っていたより全然快適に観戦できました。もっとも私が座った『バックスタンドの一階前列の後ろの方』というのが、ある意味ではベストの選択だったようで、最前列に座れば侵入防止のためと思われる透明なプラスチックボードが気になるだろうし、逆に後列になると、せり出した二階席から圧迫感が感じられたり、或いは傾斜自体も少し緩やかで 見づらくなるのかもしれません。

それでもやはり「侮りがたし横浜総合競技場」ということで、まだ完成もしていない埼玉サッカー場の方が、入場人員が少ない(横浜は七万人、埼玉は五万人前後)こともあり、不利じゃないかと思います。

試合の方は、今年も関東学院は相当手強い、というのが率直な感想でした。
メンバーを見ても解るように、第二試合の早稲田と違って、こちらの方は現役中心のメンバー構成。溝辺、星川、箕内、仙波、松田というジャパンクラスのOB選手を欠きながらも、現役選手達が堅いディフェンスとスピード感のある攻撃で、後半途中まではケンブリッジに対して一歩も引かない健闘を見せました。

特に昨年度の関東を象徴していた的確なディフェンスワークは今期も健在のようです。新年度に入ったといっても、まだ大学のシーズンとしてはスタート地点にも着いていないような状態。各大学とも、メンバー選出と新チームでの戦術の理解の浸透を図っている段階の筈ですが、今日の試合を見た限りでは関東学院はもう他校の二歩も三歩も先を行ってるような感じがしました。英国遠征のお陰で、選手達のトレーニングやゲーム感が継続されていた、ということもあるかとは思いますが、それを差し引いても素晴らしい出来でした。今この時点で九ヶ月も先の大学選手権優勝校の予想をすれば、ブックメーカーのオッズでは間違いなく一番人気。5倍程度しかつかないような大本命となるでしょう。後半、やや疲れを見せて連続トライを奪われましたが、それもケンブリッジが連続攻撃でギャップが出来たところを上手く突いたもの。一次二次での攻撃時には堅い防御は簡単には破綻を見せませんでした。

選手で目立ったのは第三列と淵上、萩谷、立川の各選手。特に萩谷選手は今どきのCTBとしては小柄(170cm)ながら相手のタックルの下をすり抜けるような低い姿勢での突破で再三ゲインを見せていました。
淵上選手もまた一段と成長したようで、タックルにも良くいってましたし、40mのDGでも観客席を沸かせてくれました。立川選手の前半のトライは圧巻でした。今期の関東学院のバックス陣は大学一といっても過言ではないでしょう。

その上、今年度の関東学院には有望新人がズラリと顔を揃えます。
花園で素晴らしいパスワークを見せた伏見工業のSO今村。190cmの高校代表の大型NO8佐賀工業の山口。同じく190cmの超大型FB東山の角浜。この三人のほかにも代表候補になったのが三人。花園経験者だけでも何と13人もいます。彼らが秋のシーズンに向かって順調に成長すれば、今のレギュラー候補でさえもうかうかしていられないほどの層の厚さです。
夏合宿でチーム力を大幅にアップしてくる大学もあるでしょうが、今日の試合を見た限り、今期の関東学院の牙城を揺るがすのは並大抵ではないような気がします。

Main