1998/4/11
明治大学 VS ケンブリッジ大学


明治大学
19-24
ケンブリッジ
7-14
26
3
T
4
38
1
2
2
G
2
1
2
0
PG
0
0
0
0
DG
0
0
0

満島(無所属)
FW
ベイリー
山岡(4年)
ザグデン
高橋善(新日鉄釜石)
フォールズ
 高橋一(伊勢丹)
ハイド
石井(4年)
スラック
安藤(日本IBM)
ホワイトフォード
小村(神戸製鋼)
ブロック
斎藤(3年)
コックス
田中(サントリー)
HB
ウイリアムズ
伊藤サントリー)
ヒューズ
吉田(伊勢丹)
TB
リッピエット
岡安(サントリー)
ロビンソン
山口(4年)
ウオルン
福田(サントリー)
ターメツァイ
岩倉(3年)
FB
サリッジ


試合経過
開始2分、ケンブリッジが右に左にボールを散らして攻撃を継続、最後は右オープンに展開、14がタックルを振り切り右中間にトライ。(7-0)
5分、明治がケンブリッジ陣22m付近での相手ボールスクラムを押し込んで取り、田中が判断良くすぐに右展開。岡安-福田と繋いで右中間に。(7-7)
19分、ケンブリッジゴール前でのスクラムから左に展開。ブラインドウイングの福田がトップスピードで走り込み、そのまま中央にトライで、明治逆転。(14-7)
21分、中央付近からフォワードが縦突進で大きくゲイン。素早く左オープンに展開し、伊藤-岡安-山口と繋ぎ、最後は吉田が左隅に飛び込む。(19-7)
25分、ケンブリッジ、ペナルティからすぐに右にボールを回し、12が突破、明治の方が人数的には優勢だったもののタックルが高く、抜かれて最後は14が右隅にトライ。(19-12)
33分、ケンブリッジがフォワード、バックスとボールを繋ぎまくり、11が左隅にトライ。(19-17)
37分、ケンブリッジ、右展開からFBが抜けて12-5と繋いで、ゴール右にトライ。
ケンブリッジ再逆転。(24-19)

後半12分、明治陣22m付近でのマイボールスクラムから、ケンブリッジバックスは右サイドに大きく開いてのバックスライン。8-9から15がライン参加でそのまま右中間にトライ。(31-19)
18分、明治は右オープンにボールを回し、ケンブリッジ陣の22m付近の右サイドまでゲイン。そこから今度は左オープンに大きく展開。最後は左サイドの吉田が相手ディフェンスと一対一になりながら、得意のスワーブで振り切りインゴールに走り込む。(31-26)
32分、ややバテ気味の明治ディフェンス。ケンブリッジ12が2、3人のタックルを振り切り、トライ。(38-26)

感想
横浜での試合を見た限りでは、今回のオックスフォード、ケンブリッジともそれほど強いチームという気はしないのですが、やはり勝負に対するここ一番での集中力の差なのか、関東学院、早稲田、同志社と見事に3連敗。最後の砦、明治に大きな期待が寄せられました。

予想に違わず、明治は前半途中までリードを奪って大健闘。
後半も勝てるチャンスは大いにあったと思います。明治は称賛を浴びた日本選手権一回戦の対サントリー戦のように積極的に球を散らして、ディフェンスも厳しく素晴らしい戦い振り。スクラムで圧倒する場面なども見られ、大いに観客を沸かせました。それでも、パスミス、キャッチミス、或いは外国チームとは思えないほどのお粗末なラインアウト等、雑なプレーを随所に見せたケンブリッジに対し、上手く付け入って勝利に結びつけることができませんでした。


早稲田戦に続いて笛を吹いたモリソンレフェリー。倒れこみの多い明治のフォワードに対して何度も『スタンドアップ』という大きな声を上げていました。にもかかわらず明治は度々オーバーザトップを取られ、先日の早稲田戦でも顕わになった「いまだに改善されない日本ラグビーの問題点」をあらためて浮き彫りにしてくれました。WC予選まであと半年。この際、選手から不満の声が上がるほどの『倒れこみに厳しいレフェリング』を徹底する必要があるかもしれません。

ビデオで録画したこの試合を後で見ましたが、何と放送時間の関係で試合途中で放送が終わるというひどさ。秩父宮の場内アナウンスで流れた『この試合は都合によりハーフタイムが五分間で行われます』という言葉の意味は、NHKの中継の都合だというのが理解できました。ロスタイムが多かったせいでその目論見は見事に失敗に終わりました。それなら第一試合と第二試合のインターバルを30分以上も取る必要など何処にあったのでしょう? 至る所で問題になる協会の運営のまずさがまたまた顔を出したようなNHKの中継でした。

ところでスポーツ紙によれば、この試合にも出場した明治のプロップの満島選手はトヨタ自動車を退社したようです。何が原因かはよく分かりませんが、スクラムが強く走力もある、という素晴らしい素質を持ったプレーヤーだけに、変にこじれてトップレベルでのラグビーを続けられなくなるような事態だけは避けて欲しいものです。

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