1998/1/17
サントリー VS 明治大学
【日本選手権一回戦】

サントリー
20-17
明治大学
38-19
58
2
T
3
36
6
3
2
G
2
4
0
2
PG
0
0
0
0
DG
0
0
0

中里(筑波大)
FW
黒崎(3年)
坂田(法大)
山岡(3年)
中村(同志社大)
林(4年)
星川(関東学大)
鈴木(4年)
吉永(天理代) 
石井(3年)
エニス(BC大)
川上(2年)
天野(明大)
岡本(4年)
オルソン(MB高)
斎藤(2年)
永友(明 大)
HB
田中(4年)
正田(中 大)
伊藤 宏(4年)
永島(早 大)
TB
山品(4年)
岡安(明 大)
山口(3年)
青柳(早 大)
松添(2年)
尾関(日体大)
福田 茂(4年)
今泉(早 大)
FB
岩倉(2年)



関東地方を襲った大雪のため、二日順延された日本選手権一回戦。
チケットの払い戻しもできるとあって、もともと少なかった観客はさらに激減。注目を集めた新方式の日本選手権の試合としては冴えない出だしとなりました。
それでも信濃町駅前には多数のダフ屋が出現。「余り券買うよー」の声に普段以上の気合が入っていました。それもそのはず、今日のチケットは協会が正価で引き取ってくれるのだから、いつもよりも確実にリスクの少ない商売なのです。餌食になったのはチケットの払い戻しの情報を知らない人達。一体何人ぐらいが引っかかってしまったのでしょう?

第一試合は明治大学対サントリー。
開始早々フォワードの突進から、オルソン、エニスと渡ってトライを奪った時は下馬評通りのサントリー圧勝かと思われたのですが・・・。
後半20分までは、華麗なオープン攻撃でサントリーを翻弄。五つものトライを奪って何と明治の方がリードする試合展開。「あわや大金星!」という雰囲気も漂いましたが、その後さすがにサントリーがなりふり構わぬパワープレーを見せて、最終スコアは58-36と一応の格好をつけました。

今期最高の出来とも言える明治の展開ラグビーには、明治ファンもアンチ明治の人達も大感動。「今日はバックスに良い球を供給する」と意思統一されたフォワードが素晴らしい動きを見せ、ボールをもらったバックスは今までの鬱憤を晴らすように、グラウンドを所狭しと駆け回りました。サントリーの『ざるディフェンス』のお陰もあったとはいえ、フォワードとバックスの使い方さえ間違わなければ、これだけの能力を発揮できる明治大学というチーム。
潜在能力を十分に生かし切れないコーチングと戦略の問題が、あらためて浮き彫りにされた格好になりました。

今日のような試合をしていれば「大学選手権3連覇など簡単に達成出来たのでは?」と多くの人が思ったことでしょう。

返す返すも残念なのは、雪による延期のためにこの試合がテレビではダイジェスト中継になってしまったこと。明治の本当の強さを全国のラグビーファンにしっかりと見てもらいたかったところです。

監督不在の中、一人で今シーズンの明治を支えてきた田中主将。
最後に素晴らしい試合が出来たことで、この一年の苦労が報われたのではないでしょうか。試合終了後バックスタンドに挨拶に来た彼に対して、観客から暖かい声援が送られたのは言うまでもありません。


何とか勝利を治めたサントリー。良い薬になったことでしょう。この試合を糧として、次のトヨタ戦では今年のキャッチフレーズ『ダイナミックA80』の名に恥じない面白いラグビーをしてもらいたいと思います。

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