1997/4/29
日本代表A VS NZ学生代表


日 本

VS
NZU
TRY



GOAL



PG



合計

24


39



出場選手
FW
田中高信
リコー

安田 昇
ワールド

村上貴博
東芝府中

釜沢 晋
東芝府中

安田 桂
東芝府中

安藤裕樹
日本IBM

鈴木健三
明大4年

斎藤裕也
明大2年
HB
大原勝治
トヨタ自動車

高橋修明
筑波大4年
TB
秋山公二
東芝府中

難波英樹
帝京大3年

沢木敬介
日大4年

オ ト
トヨタ自動車
FB
栢本和哉
近鉄

試合終了後「ふーっ」とため息の出るような試合でした。
全体的にはジャパンは健闘したと思います。スクラムも頑張りました。押し込んだことも度々ありました。第三列は特にナンバーエイトの斎藤選手、光ってました。スクラムハーフの球出しの遅さは気になりましたが、ハーフ陣の状況判断もまずまずだったと思います。センター陣は、タックルもタテ突破も見所がありました。ウィング、健闘しました。特に秋山選手、よくゲインしていました。充分にジャパンを張れる実力を見せてくれました。オト選手、見せ場も作り(1トライあり)、いつものようなポカもやって観衆を沸かせてくれました。

前半はリードしていたのですから実力は互角だったと思います。
じゃあ何故負けたのでしょうか?
「テストマッチなのでこれまでの試合とは戦い方を変える」と、NZUのモリソンコーチが言っていた意味がわかりました。自信のあるモールプレーを前面に出してきたのです。

テストマッチとは、彼らにとって、絶対勝たなければならない試合を意味することに気づきましした。勝つためには恥も外聞もなく、手段を選ばないのです。そこには、『戦い=狩猟=動物との生死を賭けた戦い』に負けることは、即、死を意味する彼ら狩猟民族と、『戦い=農耕=大地から食物を収穫すること』である私たち農耕民族との勝負というものに対する根元的な意識の違いもあるのかもしれません。

しかしそんなことを言っても仕方ありません。まずはこの意識改革から取り組まなければないことをあらためて感じました。「ああ、良い試合だったけどなあ・・・・」この言葉を何十年繰り返していても未来は見えてこないのですから。

結果的には、後半30分過ぎ相手陣でもらった正面のペナルティを、敢えて狙わず、攻めたあたりが勝敗の分かれ目でした。この後、ゲインしながらフォワードがモールに固執するあまり、結果的にはオフサイドをとられ、切り返されてしまいました。首脳陣からそういう指示でも出てたのでしょうか?一度目のモールで押せないことが解かったときに戦法を切り替えるべきっだった、と思います。理解に苦しみました。

他にフィットネスと集中力の問題も挙げられるかも知れません。最も重要な時間帯というべき後半30分過ぎ、うずくまる日本選手が続出しました。NZUが試合終了が近づくにつれて、『勝つ』、という目的に向かって集中力を増したのと対称的でした。

この試合で、一つ目を引くプレーがNZUにありました。キックオフのボールをフォワードのいない右の逆サイドに長く蹴り入れ、タッチを切り、大きくゲインしました。こういうまだ開拓されていないプレーは逆に日本などが良く練習し取り入れるべきプレーです。ラグビーにはまだまだ創造すべきプレーがたくさんあるはずです。

つぎは、平尾監督の初陣とも言うべきパシフィックリム選手権です。日本中のラグビーファンが期待しています。ぜひ、結果と内容のある試合をして欲しいと思います。


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