1997/6/29
日本代表 VS 香港代表
【第2回パシフィックリム・チャンピオンシップ】

日本代表
23
8-10
41
香港代表
15-31

1
T
1

2
4
0
G
1
1
4
1
PG
1
1
1
0
DG
0
0
0

高橋(トヨタ)
FW
マッカーシー
坂田(サントリー)
クラーク
小口(リコー)
ハルウィニ
桜庭(新日鉄釜石)
パターソン
バシャロ(トヨタ) 
ペンゲリー
小泉(神戸製鋼)
P・ディングリー
田沼(リコー)
エドワーズ
中村(東京ガス)
クローン
村田(東芝府中)
HB
ワーナー
岩淵(青学大)
マレー
増保(神戸製鋼)
TB
ナバロ
元木(神戸製鋼)
モーンセル
マコーミック(東芝府中)
フレデリクス
オト(トヨタ)
ゴードン
和田(東芝府中)
FB
ゴーイング

途中交代
岩淵→吉田(神戸製鋼)
小泉→長谷川(サントリー)



心配された台風も無事に通り過ぎ、青空の下行われた期待の香港戦でしたが試合を見終わったファンの心は晴れませんでした。これがカナダ戦で感動を与えてくれたあのフィフティーンなのか、と見紛うほど見事に期待を裏切ってくれました。

解説の宿沢氏も言ってましたがあのようなスペースを大きく使ったプレイこそジャパンが目指すべきラグビーの筈です。機を見ては、セブンのようなロングパスをうまく使って、なるべく敵フォワードから遠い所でバックスが攻撃を仕掛け、そのプレイヤーをフォワードが常にサポートしていくような展開でしかジャパンが世界に通用する道はない、と思います。ラックやルーズボールへの働きかけが香港フォワードより常に遅い、というのは話しにもなりません。

確かに、バックスの要の岩淵選手が早々に退場した、という誤算もあったでしょう。しかし、岩淵選手の控えを誰にするのか?という以前から指摘されていた問題があらためて顔を出したに過ぎません。元木選手のスタンドオフが上手く機能しないことがはっきりした今、これは早急に対処すべき問題です。

カナダ戦では勝利に浮かれてあまり問題にされませんでしたが、実はあの試合でもあったここ一番のイージーキックミス癖も解消されていません。村田選手も元木選手もいい加減にドロップキックやプレースキック上手くなってください。あのようなお粗末なキックを何年蹴り続けるつもりなのでしょう?
村田選手がど真ん中のゴールキックをはずしたことで勝敗が決定的になり、ジャパンの緊張が切れてしまったのは否定できない事実です。キッカー不在はどうするつもりなのでしょうか?

元木選手、タックルの精度も厳しさも、年々落ちていませんか?
明治のキャプテン時代、ひたすらタックルし続けて『元木一人で勝った』と言われた大学選手権。あの時のひたむきな闘志は何処へ行ってしまったのですか?

平尾監督は戦術的交替という新しい制度をどう考えているのでしょう?
今のジャパン選手に80分間走り続けるスタミナがまだ完全に備わっていないのは誰の眼にも明らかでした。後半20分過ぎ、ジャパンのフォワードで走っていたのは田沼選手一人と言っても言い過ぎではないでしょう。それならば、機能していない選手を下げ、活きの良い新しい選手を投入して試合の流れを変えるようなやり方も一つの手ではないのでしょうか?走れなくなったフォワードが何人いても仕方がないのですから。

戦術的交替は日本のような国こそが最も有効に活用すべき手段です。
まだ模索している段階、或いはこの試合の勝ち負けにはあまり拘らない、とでも言うのでしょうか?とりあえず選手たちのフィットネスを確かめるなら練習マッチでしてもらいたい。ボールを追いかけることのできなくなったバテバテの選手たちをそのまま使いつづけるのは、観客を馬鹿にしています。

勿論最終目標がワールドカップなのは誰もが承知しています。しかし、ホームでやるテストマッチには絶対負けてはいけないのです。選手の間からその気迫さえ伝わってくれば観客だって死にもの狂いで応援します。そして、その応援を受けて選手がまた奮い立つというのがホームでの戦い方なのです。まだまだ監督からも選手からもその気迫が感じとれません。


敗戦が事実上決まった後半40分、ただ一人、相手に気迫のタックルで立ち向かいトライを防いだのはやはりマコーミック選手でした。あのプレーには胸が熱くなりました。彼の闘志をほんの一握りでも皆に分けてあげたいくらいです。秩父宮を出たマコーミック選手にファンから大きな拍手が送られたということの意味を深く考えて欲しいと思います。

まったくラグビーファンはおとなしいですね。
こんな試合をサッカーの日本代表がしたらブーイングもいいとこ、グラウンドに物などが投げ入れられてる筈です。(勿論それが良いとは決して思いませんが)
ラグビー界にもサッカーのセルジオ越後氏のような思ったことをズバッと言ってくれる辛口の評論家が欲しいところです。

放送してくれただけでもありがたいと思いたいテレビ中継ですが、相変わらずです。
誰が見てもフォワードのトライなのに、吉田(センター)のトライですね、といって憚らないアナウンサー。(宿沢氏も間違っていたようですが・・・・)
そしてその間違いをアナウンサーが訂正してからも吉田選手を映し続けているカメラマン。

平尾監督への試合終了後のインタビューで、『目指している当たっていくラグビー』などと不可解なことを尋ねるアナウンサーにも閉口します。
(もっとも前日のサッカーワールドカップ予選を実況した、絶叫間違いしまくりのテレビ朝○のTアナよりはまだマシかもしれませんが)

平尾監督は『イメージとマネージ』とか、『アナロジック・デジタライジング』とか、キャッチフレーズというかスローガンというか、はっきり言ってよく意味の解らない造語が好きなようですが、大丈夫なのでしょうね。
造語の名人、というと、『名選手必ずしも名監督ならず』の代表のようなあの方(そう、某新聞社お抱え球団の監督をなさっているあの方です)とダブらせてしまうのは私だけでしょうか?

あの方も訳のわからぬキャッチコピーが好きですから。
『スピード&チャージ』、『メイクドラマ』、『メイクミラクル』、はたまた『アイアムハンバーガー』(これはちょっと違いますか・・・・)とか。
願わくば一年後の平尾監督に対して、『名選手必ずしも名監督ならず』という言葉がラグビーファンの間からもれるようにならないことを祈ります。
まだ平尾体制が始まって数ヶ月ですからあまり細かいことは言いたくないですが。

さあ次のアルゼンチン戦まではまだ三ヶ月もあります。今度こそ正念場、言い訳は許されません。
(注)アルゼンチン戦は中止になり、セレクションマッチに振り返られてしまいました・・・。

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