1997/12/27
サントリー VS 伊勢丹
【全国社会人大会決勝トーナメント一回戦】







サントリー
12-10
伊 勢 丹
23-0
35
0
T
1
10
3

0
G
1
1
1
4
PG
1
2
2
0
DG
0
0
2

長谷川(中 大)
FW
志村(東海大)
坂田(法 大)
若山(大体大)
中村(同志社大)
志賀(慶 大)
星川(関東学大)
マクマナウェイ(マッシー大)
 吉永(天理大)
細川(竜谷大)
エニス(B C 大)
高橋(青学大)
天野(明 大)
藤本(明 大)
清宮(早 大)
山田(ボーイズ高)
永友(明 大)
HB
オニール(マッシー大)
武山(日体大)
赤羽(学習院大)
吹田(青学大)
TB
吉田(明 大)
今駒(早 大)
コニア(マッシー大)
ウルイナヤウ(オーク工大)
本田(明 大)
尾関(日体大)
小林(明 大)
牟田(早 大)
FB
土橋(大東大)



東日本リーグでは2年続けて伊勢丹が勝利。
負けることの許されないトーナメントとなって、果たして三度目の正直となるのか、それとも伊勢丹が返り討ちにするのか、楽しみな試合に思えました。

前半優勢に試合を進めるサントリー。3分、9分、18分と伊勢丹の反則を誘い、PGを確実に決めて、まずは順調な滑り出し。伊勢丹も27分にコニア選手が一人でサントリーディフェンスを突破、見事なステップとランニングでゴール前まで迫り、フォローした吉田選手にラストパス。左中間に押え込むと、ゴールキックも赤羽選手が決めて9-7と追いすがります。31分にはサントリー、33分には伊勢丹が、共にペナルティゴールを決めて12-10に。35分頃には、サントリー22m付近で赤羽選手が狙ったドロップゴールがポストにあたり、はね返ったボールを若山選手がキャッチ、伊勢丹ボールでのスクラムになります。伊勢丹のチャンスかと思いましたが、オープンに回ったボールをミス。奪った永友選手に大きく蹴り返されて、逆に自陣のゴールライン付近まで戻され、一転してサントリーのチャンスに変わります。ここは伊勢丹も何とか凌いで前半は12-10と2点差で折り返しました。
東日本リーグと同じような試合展開で、勝負の行方はまだまだ見えませんでした。

後半に入って1分、伊勢丹の集中力が切れていたのか、伊勢丹陣で得たペナルティのタッチキックでゴール前5m付近のラインアウトにすると、エニス選手がタップしたボールを坂田選手がキャッチ、そのままインゴールに走り込み、サントリー今日初めてのトライを奪います。7分には伊勢丹ゴールライン付近で波状攻撃。伊勢丹も良く凌いで、永友選手のスローフォワードを誘い、ピンチ脱出かと思いましたが、マイボールスクラムのボールがサントリー側に出て、武山選手があっさりトライを奪います。その後も14分、24分とラインオフサイド等で得た正面のイージーなPGを決めて着々と点を重ねるサントリー。「永友の右足」という確実な得点源を持つ強みでしょう。36分にはセットプレーからハチキューで永友選手が抜けた後パントを上げて、そのボールを牟田選手がキャッチしてインゴールに飛び込み、駄目押しのトライを奪います。
前半2点差と健闘した伊勢丹ですが、後半は結局無得点に押え込まれてしまいました。

伊勢丹の敗因はセットプレーの不安定さでしょうか。マイボールラインアウトも度々サントリーに奪われ、スクラムも常にプレッシャーをかけられて、安定した球出しがなかなかできませんでした。またサントリーのディフェンスの良さもあるのでしょうが、折角オープンに展開したボールをノックオンするというミスも多く、この一戦にかけてきた伊勢丹とは思えない戦いでした。

伊勢丹にとっては前半僅差で折り返したところまでは東日本リーグと同じ展開。その試合では後半24-0と完封して勝利を治めましたが、今日は0-22と逆に完封され、サントリーの意地を見せ付けられてしまいました。前回の轍を踏まず、とサントリーが後半に集中力を維持したことの表われでしょうか。

選手では、サントリーのエニス選手が良いプレーをしていたのが印象的でした。カナダ代表に再びスコッド入りするという噂もあるエニス選手。体も絞れフォワードの核となっていました。一時は一世を風靡したサントリーバックス陣。今日は快速尾関選手や期待のウルイナヤウ選手にボールが渡ることも少なく、あまり目立ちませんでした。その中で今泉選手からレギュラーを奪った牟田選手はまずまずの動きを見せていました。

準決勝はトヨタとの対戦。今年は共にスピードや展開というよりはフォワードを前に出し堅実な試合運びを中心にした戦い方。胸踊るような試合はあまり期待できないかもしれません。
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