1997/12/28
ワールド VS 東芝府中
【全国社会人大会トーナメント一回戦】








ワールド
10-17
東芝府中
14-28
24
2
T
3
45
2
4
0
G
1
2
4
0
PG
0
0
0
0
DG
0
0
0

北迫(大東大)
FW
溝辺(関東学大)
安田(専修大)
武石(筑波大)
山本(大東大)
中村(筑波大)
徳原(同志社大)
釜沢(大東大)
遠藤(早 大) 
安田(専修大)
清水(大体大)
渡辺(日体大)
舛尾(専修大)
高木(大東大)
新井(同志社大)
ゴードン(ボーイズ高)
鬼束(同志社大)
HB
村田(専修大)
伊藤(同志社大)
島崎(佐賀工)
東田(同志社大)
TB
和田(東海大)
織田(大体大)
新里(浪速工)
ベイツ(ナタール大)
マコーミック(Cチャーチ高)
糊谷(青学大)
森田(東洋大)
ケンプ(ナタール大)
FB
松田(関東学大)



サントリーに取りこぼしリーグ戦は優勝を逃したものの、やはり日本一には最も近い位置にいる東芝に対して、関西リーグ三位のワールドがどんな戦いを挑むかという試合でした。

前半2分、サイド、サイド、マコーミック、ゴードン、またサイドといった感じであっという間にワールドゴール前に攻め込む東芝。最後は釜沢選手が右中間に押さえ込み、早くもトライを挙げます。やはり東芝の圧勝かと思った矢先、ワールドが東芝ゴール付近に蹴り込んだボールを、和田選手からパスされた松田選手がまさかのノックオン。5mスクラムとなります。ここで展開したワールドはベイツ選手が強さとスピードで東芝バックス陣を突破、インゴールに飛び込みすかさず同点に。13分には織田選手がステップとスピードで抜けて、最後は松田選手のタックルをも交わして左隅に飛び込み10−5と逆にリードを奪います。対する東芝もゴードン選手を中心としたサイド攻撃とモール攻撃で二つのトライを奪い、前半は17−10の東芝リードで終了。
後半8分、東芝がワールドゴール前のスクラムから村田選手がそのまま飛び込み、24−10。すかさずワールドも12分、東芝ゴール前での連続攻撃から左展開、SOが左中間にトライ、24−17。このあたりはワールドSO伊藤選手の判断の良い正確なキックが目立ちました。24分に東芝は繋いで溝辺選手がゴール右にトライ。31−17と差を広げます。ここでワールドはNO8新井選手が退き、藤掛選手を投入。ベイツ選手は本来のNO8の位置に。38分東芝は22m付近のラックをターンオーバー。最後はマコーミック選手がベイツ選手を振り切り左中間に飛び込んで38−24と安全圏に。再三ベイツ選手に痛い目に会わされていた今日のマコーミック選手、ここは意地を見せました。ワールドも40分、FBのケンプ選手の突破からバックスが繋ぎ、最後は織田選手がゴール右にトライを奪いますが、終了間際に東芝秋山選手にトライを返され45−24となったところでノーサイド。
思いのほかのワールドの大善戦は試合を大いに盛り上げてくれました。

ポイントだったのはワールドの布陣。
NO8のベイツ選手をCTBとして初めて起用。東芝の攻守の要マコーミック選手対策と思われる関西リーグでも使わなかったこの奇策がワールド大善戦の原因になりました。
ベイツ選手はアタックのみならずディフェンスでも大活躍。FBのケンプ選手と共にワールドの柱となっていました。
尤も一番観衆から喝采を浴びていたのはCTBの織田選手。チェンジオブペースが上手く一瞬の内にトップスピードに入れる走りで天下の東芝バックス陣を再三突破。ディフェンスもしっかりしており、新星出現といった感じでした。大体大出身の24歳。この選手が今まで注目されていないのは不思議な気がします。遠藤、徳原のロック陣も確実なラインアウトで貢献。SHの鬼束、SOの伊藤の状況判断も悪くなく、超ベテランの東田選手も良く動き、今日は15人全員が素晴らしい仕事をしたと言えるでしょう。若い選手が多いので、来年の更なる飛躍を期待したいと思います。

一方の東芝。ワールドのディフェンスとスピードに手を焼きましたが、それでもやはり安定感のある戦い振り。今期はジャパンのプレーが長かったせいかマコーミック選手とバックスのディフェンス面での連携が昨年ほど上手くいってないような気がしますが、そこは東芝のこと。一試合毎に修正していくでしょう。
途中退場した渡辺選手の怪我の具合が不安といえば不安ですが、選手層の厚い東芝。やはり二連覇への階段を着実に登っているような気がします。
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