サッカーWCを教訓にして(1998/7/5)

岡田ジャパンが三連敗しました。格下と思われたジャマイカにさえも敗れました。 おそらく、節操のないマスコミは今回の件で岡田バッシングを始めるのでしょう。
ラグビーの第一回WCをまた思い出しました。今回と全く同じ状況です。

その時のジャパンの弱点(例えば、キッカー不在、ラインアウトの獲得率、戦術の不徹底など)を問題視せずに「決勝リーグ進出も夢ではない」と能天気に持ち上げたマスコミ。 岡田ジャパンの問題点、(決定力不足、核となる選手の不在、監督の采配の問題など)を棚上げして、イイコトばかりを書きまくったマスコミの姿勢はあの時と何ら変わっていません。 中田君の言葉を借りれば『無責任に持ち上げては叩き落とすという、日本のマスコミの性質』が見事に現れました。
その上、協会の対応のまずさもあの時と同じです。いったい『加茂で負けたら俺が責任を取る!』と言い放った長沼会長の責任問題は何処へ消えてしまったのでしょう?

今回の三連敗は冷静に考えればある程度予想されていたことでもありました。
韓国がいまだに初勝利を上げていない現状。初出場の国が勝利を上げることが如何に困難なことであるか、は今までのWCの歴史などを考えれば解りそうなことです。 厳しいことをいえば、多くのマスコミと同様、協会や関係者さえもWCをなめていたのかもしれません。

例えばハードな国際マッチを頻繁に行っていたジャマイカなどに対し、いくらJリーグがあるとはいえ、資金的には潤沢なはずの日本がなぜもっと多くの国際マッチを組まなかったのか? 或いは、キリンカップのメンバーの25人がさもWCの代表全員であるかのように発表しなければならなかった協会の対応の裏には何があったのか? この辺りの問題をマスコミはきちんと書くべきだったのだ、と思います。

ごく一部の選手は選ばれた感想を聞かれた時に冷静に「これはキリンカップのメンバーですから」と答えていたのですから。(その辺りを曖昧にした結果、カズという被害者が生まれたのです)。 そして『カズ外し』という選択を正当化するために「FWの中心は城」と敢えて明言しなければならなかったことが、結局、本大会での無用なプレッシャーと拘りを生むことには繋がらなかったのか?
もちろん、コトはそう単純でないのは重々承知しています。 ただし、結果が出てからではすでに手後れなのも事実なのです。

ラグビーも同じ不安を抱えています。
WC予選は今年の10月に迫っているというのに、 昨年からテストマッチは数えるほど。今後は9月のアルゼンチン戦だけ。それもジャパンとしての試合は僅か一試合。いったいこれだけの試合数で大丈夫なのでしょうか? ラグビー協会は、本当に、日本ラグビーを世界中に知らしめた、あのブルームフォンテーンの汚名を晴らす気があるのでしょうか?

無事アジア予選を勝ち抜けば、こんなことは取るに足らぬことと片づけられてしまうのでしょうが、万が一ワールドカップ出場を達成できないことになったならば、この点などは真っ先に問題視されるべきでしょう。 逆に、無事WC出場が決定したならば、ジャパンは積極的に海外遠征して、多くのテストマッチに望んで欲しいものです。

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