今週の泥網市場の幻燈台   next   back 我孫子亜細亜旅社   top  main  楽宮旅社の掲示板



ダング゙とジョイがいなったら、この街の滞在は味気ないものになっただろう。

ひとりであることに飽きていたのだ。
日本での日常でも、旅の日々でも。
たとえそれが金で買った「嘘」であってもよかったのだ。
どうせ、すべては幻影なのだから。

彼女たちは陽気だった。
そして、この関係が「嘘」であることも自覚していた。
この街では、おたがい「嘘」を演じ合えばいい、という気軽さもあったのだ。

ある日、ダングは自分の妹をホテルの部屋に連れてきた。
妹の名前は
ゼンだ。

あの日は、みんなでジョムチェン・ビーチのパークタワーに行った。
3人の女の子を連れてホテルのフロントを通るのも、違和感はなかった。
この街はそういう街だ。

ソンテウに乗った。
彼女たちと一緒だから、すべて地元料金だ。
遠足みたいなのりだったものだ。
そして、遠足みたいに楽しかったのだ。
それは、幻影のなかの遠足だけど・・
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