外付けファインダー

レンジファインダー機の弱点として、交換レンズを使用した場合の視野ということがあります。
一眼レフと違って、レンズを交換してもそのファインダーの範囲は変わりません。 そのため、標準レンズ以外はレンズごとに外付けファインダーが必要になります。
KIEVでは、28-35-85-135mmの交換レンズが用意されていますので それらを使う場合には何らかのファインダーを使うことになります。
戦後のロシア純正ファインダーとしては 28-35-50-85-135mmに対応するターレットファインダーがKMZで造られました。
これもツアイスのターレットファインダーのクローンなのですが これ一本でKIEVの場合には全ての純正レンズに対応できます。
このファインダーは正面から見て ターレットの膨らみが左に出るコンタックスオリジナルタイプと、 他機種ライカタイプ用として、 (シャッターダイアルを覆ってしまうため) 膨らみを右にしたタイプが存在します。 市場では後者のタイプが多く出回っているようです。
KIEVにはどちらでも構いませんが、オリジナルタイプを 露出計付のKIEVに装着すると、露出計窓が見えにくくなるかも知れません。
このファインダー内の視野にも2種類あり、初期のものは 撮影画角以外の視野が真っ黒のツアイスオリジナルタイプであり、 画角以外は細線の同心角でマスクされて撮影部以外も確認できる後期タイプがあります。
一般には後期のものが使いやすいでしょう。 ターレット上には各レンズの近接補正の指標があり、それを合せると近距離での視野補正ができます。
かなり見やすいファインダーですが、ものにより50mmでの周辺部がすこし乱れて見えるものがあります。

このほかに単体ファインダーとして、35mm・85mm専用ファインダーもあります。 特に35mmファインダーは明るく、見やすいものです。
85mmファインダーは35mmファインダーをそのまま小さくした格好で、その視野の小ささと相まってあまり見やすいものとは言えませんが軽量です。
バリエーションとして古い順に、前面・脚がメタルのタイプ(上記画像のタイプ)、脚だけがメタルのタイプ、全部プラスチックのタイプの3種があります。
製造は前面のロゴマークより、KMZ製とROSTOV製の2種があります。ROSTOV製は脚だけがメタルのタイプ以降の製造です。
両ファインダーとも接眼部のギザつきのリングが外せますので 内部の埃などは清掃することも可能です。
また、35mmファインダーの前面に装着する85mm・135mm用の各マスクも存在します。
ただ、ロシア製ということを表す刻印・資料もなく出自は不明です。前面がプラスチックのタイプに合致します。

しかし、この35mm/85mm単独ファインダーは、FED-2a〜2cでは軍艦部のアクセサリーシュー部分の問題で装着できません。
シュー前方が一段高くなっているために、ファインダーの前面下部がぶつかってしまうのです。
2dになって、アクセサリーシュー部分がかさ上げされて、この問題は無くなりました。
なんとも不可解な仕様ですが、FED-2a〜2cで交換レンズを使うためには、ユニバーサルファインダーを使うか
他社のファインダーをお使い下さい。

上のファインダーは、ライカマウントの RUSSAR MR-2 20mm F5.6 専用のファインダーです。このレンズ専用ファインダーには二種類あり
前期白鏡胴用のものとしては、前掲の35/85mm用と同じ形状の、前面がメタルタイプのものがありました。これは後期の黒鏡胴用のものです
脚部分に補正用の目盛があり、これを合わすことによりファインダーが上下に振れて、パララックスを補正するようになっています。
この刻印にもバリエーションがあり、中には黒色ではなくてクリーム色の個体もあるようです

レンズケース

ロシア製のレンズはキエフ・ライカ・一部のM42マウントとも、黒色のユリア樹脂製プラスチックケースに入れられていました。
製造工場にはかかわらずほぼ同じ意匠のケースであり。蓋部に各工場のマークが入っています。
本来底部にはレンズの種類・価格を示す紙のレッテルが貼られていますが、剥がれてしまったもののほうが多いでしょう。
レンズケースの口径が同じならば蓋はほぼ交換が利きますので、輸入時・国内の流通過程からか工場マークには余り気にしないでレンズに付属してきます。
単体ファインダー・ターレットファインダー用ケースも外観は似たようなものですが、中には固定するための溝が作られています。
一部に、茶色のケースも見られますがこの使い分けなどは全くわかりません。画像でいろいろなケースの集合と、底面のレッテルをお見せします。
KIEVとなっているものはKIEVマウント、ZORKIとなっているものはライカマウントです。最下段の数字は各定価?を表示しているものです。
このほかにも購入時にメタルのケースがついてきたこともありますが、刻印その他が何もありませんので本来のケースかどうかも比定できず、掲載はしておりません。

 




フィルター

当然ですがロシアにもフィルターは存在します。ただロシア製フィルターでなければいけないということ自体は、ほとんど意味がありませんので(笑)
あまり見かけることはないでしょう。その使用法の故か、モノクロ用のシャープカットフィルターが多いようです。
どうやら古いものではЖ-17というのがY2、Ж-18がY3に該当するようです。比較的新しいものはまた別の名称体系になっているようですが
枠に露出倍数(x1.4など)や口径・ネジピッチが書かれているのは親切かもしれません。
KIEV-6Cなどのセットにもかならず数枚のフィルターが同梱されています。
その傾向から、モノクロ撮影が主流だったころにコントラストを補ってやるために使ったのでしょう。
淡緑色・緑色のフィルターもよく見ることから、人物撮影に使用して肌を一層白く見せることが流行り(常識?)だったのかもしれません。
INDUSTER・FEDなどの沈胴レンズ用の36mmカブセフィルターなどは国産では特注扱いで入手が難しいため
また大口径サイズ(Rubinarなど)のもの、特殊口径(MIR-3=88mm口径)のものなどは
新品で買うとレンズが一本買えてしまうくらいの価格・入手がもとより不可能、などの理由で
最初からフィルターがついているものを選ぶことも一法かとも思います。工場はKMZ・LZOS・ARSENALなどのほか、各所で製造されていたようです。

 

 

純正フード

汎用のロシア製フードをご紹介します。下の画像中、上と右下のものは40.5mmフィルターサイズの標準レンズ用のものです。
材質はプラスチック、装着方法はカブセ式になっています。どちらも大変深めのサイズになっており
こういうものでないと、きっちりハレ切りは出来ないのでしょう。
右下の角形フードは最近よく見かけますが、これはレンズ先端が回転しないFED-Industerや前期のJupiter-8などに合致します。
しかし、キエフの標準レンズはフォーカシングの時にレンズ全体が回転してしまいますので角形は使えません、 理由はおわかりですね。

そのためには画像上のような丸形のフードを使用します。しかしこの形のフードは入手が難しいかもしれません。
どちらもカブセ式のために、少しの衝撃でも外れてしまいます。これを防ぐためには40.5mmのフィルターからガラスを外し
そのネジ込み枠だけをフードの内部に接着してしまいます。これでネジ込みフードができ上がるというわけです。

画像 左下のフードは36mmカブセのInduster-22/50専用の純正フードです。
かなり深いフードで、これだけ深ければハレ切りは完璧でしょう。
結局、こういうフードを使わないかぎり、レンズの本来の性能は引き出せないのですね。
その意味でも、ロシアレンズはフレアが多いなどと簡単に評価している方々に、これらの「純正フード」をみていただきたいと思います。

 


下のフードは純正のJupiter-12用フードです
材質は上の3種と同じですが、さすがに広角のフードだけあって
かなり大振りなサイズとなります
ほぼ鏡胴内側のラインを延長したスタイルでかなりの効果は望めると思いますが
ZORKIなどでは、距離機窓まで隠してしまいます
KIEVなどでなくては実用には難しいかも知れません