96/97 report 023

1996/97 Mars Observation Reports -- #023--

- Additional Reports published in CMO #202 -

25 April 1998


『火星通信』同人・南 政 次 (Mn)
♂・・・・・・・・ 追加報告:クアッラ(GQr)氏から、曲折を經て、漸くタンガ(PTg)氏他のスケッチが到着した。LtEでお分りの事情で、三月21日京都中央郵便局発信である。拝受したPTg氏のスケッチは全部ではないが、今シーズン全體多くはない様である。タンガ氏はトリノ天文臺勤務である。
  FRASSATI, Mario マリオ・フラッサチ (MFr) イタリア Crescentino, Italia
             10 Drawings (14 Jan; 19. 23 Feb; 2+, 9, 17 Mar; 1, 13 Apr; 3 May; 15+ June)
                                      20cm Schmidt Cass / 32 cm speculum+

  TANGA, Paolo パオロ・タンガ (PTg) イタリア Pino Torinese, Italia
             11 Drawings (21 Feb; 11, 12, 13, 26 Mar; 13 Apr; 1 May)  42cm rifrattore
 以下、日時を追ってレヴューする。
 13/14Jan(064゜Ls)がMFr氏の最初のスケッチで、ω=229゜W、北極冠は未だ大きく周りは濃い。
 19/20Feb(080゜Ls) MFr氏の二枚目、ω=187゜W :夕端に大きな輝く白雲。
 21/22Feb(082゜Ls)、PTg氏がω=163゜W で觀測:タルシスとオリュムプス・モンスは北極冠より明るく、後者は円い。プロポンティスTは濃く明確。
 22/23Feb(082゜Ls) MFr氏ω=223゜Wで觀測: エリュシウム が小さく円く明るい。輝度0 。
 02/03Mar(085゜Ls) MFr氏ω=094: マレ・アキダリウムが夕方で寝ていて、 5.0。クリュセ夕端で明るく、1.0。W80Aで明瞭。
 9/10Mar(088゜Ls) MFr氏ω=017゜W、マレ・アキダリ ウム濃く、クリュセ1.0で明るい。
 10/11Mar(089゜Ls) PTg氏ω=060゜W ソリス・ラクスとティトニウス・ ラクス朝方で明確、マレ・アキダリウム午後、ヒュペルボレウス・ラクス濃い。
 12/13Mar(089゜Ls) PTg氏ω=319゜W: ヘッラスが夕端近くで明るい。シヌス・メリディアニは既に円盤内で、マレ・アキダリウム、ヒュペルボレウス・ラクスが入って來ている。一時間後もヘッラス殘っている。このスケッチは240×15cm反射。
 13/14Mar(090゜Ls) PTgω=342゜W: シヌス・サバエウス中心。イスメニウス・ラクス、 オクシア・パルスは明確な斑點だが、デウテロニルスは淡い由。W25(赤)で夕端リビュアとシュルティス・マイヨルの西側に明るい雲。φ=23゜N、δ=14.1"。このスケッチは l'astronomia numero 181 novembre 1997號 37頁に引用されている。
 17/18Mar(092゜Ls) MFr氏ω=299゜W: シュルティス・マイヨル大きく濃く、シヌス・サバエウスの付け根が見える。

最接近後、26/27Mar(096゜Ls) PTg氏ω=217゜Wと226゜W:プロポンティスTとアエテリアの暗斑が配置好く見えている。後者にはシュルティス・マイヨルが西端に顔を出している。
 01/02Apr(098゜Ls) MFr氏ω=183゜W: エリュシウムの邊り朝縁で明るい。プロポンティスTは紀録されていない。
 13/14Apr(104゜ Ls)はPTg氏は好シーイングに惠まれた。ω=046゜Wで未だシヌス・メリディアニが夕端に見え、マレ ・アキダリウム濃く、ヒュペルボレウス・ラクスも濃い。ω=056゜Wではシヌス・メリディアニは没 したが、アスクラエウス・モンスを黒點として捉えている。朝方は雲海である。
 ω=063゜Wでタルシス三山を捉える(左図)。このスケッチは前號#201p2246にFig 6として引用したものである。シーイングはUである。觀測メモを概略譯すと「22:22 GMT (ω=066゜W)に三つの點を見るが、その右端は火星面の端にあり、真ん中の點と繋がっているように見える。CMに近い方は殆ど確実に見えるが、後の二つはより淡く、安定したシーイングのときだけしか確認出來ない。」他にアウロラ・シヌスに先行して白い斑點が見えている様である。
 同じ13/14Apr (104゜Ls) ω=063゜WにMFr氏も觀測しているが、ディテールはなく朝方の雲海がくっきりしているのと、マレ・アキダリウムが中央。

 01May(112゜Ls)にはPTg氏が ω=246゜Wと254゜W(21:45GMT)で觀測、前者ではアエテリアの暗斑とノドゥス・アルキュオニウスが 印象深く捉えられ、シュルティス・マイヨルも朝霧に中から出てくる様子が描かれている。青く見える様である。後者はW38A(青)での觀測でエリュシウムが明るいが、シュルティス・マイヨルは霧に 没して見えない。22:20GMTにはシュルティス・マイヨルは未だ霧に覆われているが、その先端がだいぶ中に入り、ヘッラスも朝端で明るい様である。
 03May(113゜Ls) MFr氏ω=244゜Wでの觀測:シュル ティス・マイヨルが朝方に見える。
 15May(118゜Ls) MFr氏ω=188゜W:午後の縁が明るいだけで、無模様。FMr氏は北極冠を大きく書く嫌いがある。


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