ここのとこオーバーワーク気味の葵ちゃんに、少し息抜きをしてもらおう、ということで。
「なあ、葵ちゃん」
「はい、なんですか?」
「今度の日曜、確か道場が休みだったよな。ついでだから、どっか遊びに行かないか?」
「え、えぇっ!!」
びっくり仰天、という表情の葵ちゃん。……そんなに驚くことかね。
「あ、あのっ、せせせ先輩のつつつつ都合さえよよよよろしければっ、あのその」
うーむ、相変わらず初々しい(笑)。
「ほんっと進展しないわねあんたたち」
「?!」
どこかで聞いたような声がしたと思ったら、いつの間にか綾香がいた。
「よーし。ここは一つ、わたしが葵に秘策を授けてあげるわ。ってことで浩之は帰った帰った」
しっしっ、なんて追い払われる俺。俺は犬じゃないぞ……。
「いっとくけど女の子の秘密を立ち聞きするなんて、人として許されない行為だからね」
そこまで言われては俺としても帰るより他になかった。
で、日曜日。
待ち合わせの駅前で葵ちゃんを探す。……はて。時間に遅れてくるような子じゃないんだけどな……
「せ、せんぱい……」
なにやら消え入りそうな声で背後から掛けられた声。
「なんだ、そっちにいたのか……」
振り返って、俺、硬直。
な、なんか、言っちゃなんだがあの流行知らずの葵ちゃんの、ファッションが……
め、めちゃくちゃイケてるっ!!!!かわいさ増量150%(通常比)!!
「あ、綾香さんに聞いて、そのぉ……女の子の最終秘技、『冒険(ほ゛うけん)してみました』です……」
……うぅっ、葵ちゃん、極まったぜ、真っ正面からよぉ……。
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「崩拳(ほうけん)」は葵ちゃんの必殺技なわけで。
濁点は適度に付けましょう。付けすぎると「暴言(ほ゛うけ゛ん)」になってしまいます……
ってこれもネタかぶってそうだなぁ(汗)。もしかぶってたらすみません(謝)。