ASTEL良いとこ悪いとこ

ASTELの不思議

JRが出資しているのでJRの駅に強い。他社は設置を拒否されている。ずるい。
 JRの駅構内へいち早く設置したのはASTELだけで、他社はいまだに設置されません。駅構内で安定的に使用できることはASTELの良い点として評価されますが、一方で「他社に意地悪している」との評判を生んでいるのも事実です。しかしながら、JRは意地悪して設置を許可しないような事実はありません。他社が設置できないのには理由があります。
 PHSの基地局を稼動させるには、100Vの電気が必要です。この電気が他社は設置場所へ持ってくるのが大変なんです。それは、JRの駅構内の電気はすべてJRの自前の発電所からの供給であり、この電気を他社に売ることは法律で禁止されているのです。ASTELはJRの関連会社となりますから、KIOSKが電気を使えるのと同じように電気を使用できるのです。駅構内に東京電力の電気が来ていないので、外から引き回すのは大変です。ましてや数も多いですし、コストもかかります。電話線を引き回す業者と、電源線を引きまわす業者が異なることも、問題を大きくしているのでしょう。事実、NTT−Pは東京駅の地下ホームでは使えるように工事を実施しました。つまり、ASTELに有利なようにJRが拒否しているのではなく、各社が採算性を考えて、設置を見送っているというのが正解です。

東京電力が出資しているので電柱が使える。NTT-Pは電信柱しか使えない。DDI-Pはどちらも使えない。
 東京電力はPHSの基地局(CS)に関して、設置を拒むような事実はありません。アクションバンドなどの雑誌に設置許可に関する合意書のコピーが載っていました。事実結構な場所で電柱にNTT−Pの基地局が設置されていますし、ごくまれですがASTELの基地局が電信柱に設置されているところもあります。DDI−Pは独自路線を貫き、性能の良い重たい基地局を開発し、東京電力の示した設置基準などにも違反しない形で設置できる方法として、自前柱方式を選んだわけです。結果として、アンテナから基地局本体までの距離を短く出来、4本のアンテナを適度に離した500mWCSのおかげで、かなり広範囲な部分をエリアに出来ているのも事実です。
 一方ASTELは100mWCSのアンテナを電柱のてっぺんに設置し、CS本体を東京電力の設置基準に合わせることをした結果、「アンテナバーが2本立っているにも関わらず使えない」というとんでもないエリアを多発させてしまったわけです。今後登場予定の300mWCSが同じ過ちを犯さないことを切に願う次第です。