創世記の長寿の人達


創世記の異常な程の長寿の人達を年表にして、その謎を追っかけてみた。




創世記に登場する人達

創世記を読むと、登場する人達がアダムからアブラハムに至るまで、恐ろしく長寿である。アダム生誕を紀元1年と考えて、年表を作ってみた。ユダヤ暦と呼ばれる年号もこの様な計算をした物でしょうから、それとの比較検証をしてみましょう
創世記(5/1−16/16)


名前        生誕      死亡      年令    長子生誕    西暦(BC)
アダム        1     930     930     130    3760
セト       130    1042     912     105
エノシュ     235    1140     905      90
ケナン      325    1235     910      70
マハラルエル   395    1290     895      65    
イエレド     460    1422     962     162 
エノク      622     987     365      65 
メトシュラ    687    1656     969     187 
レメク      874    1651     777     182
ノア      1056    2006     950     500
セム      1556    2156     600     100
アルパクシャド 1656    2094     438      35
シェラ     1691    2124     433      30
エベル     1721    2185     464      34
ペレグ     1755    1994     239      30
レウ      1785    2024     239      32
セルグ     1817    2047     230      30
ナホル     1847    1995     148      29
テラ      1876    2081     205      70
アブラハム   1946    2121     175      86

ここで、兄弟に分かれて記載されていますが、ダビデに続く家系はイサクですので

イサク     2046    2226     180      60 
ヤコブ     2106    2253     147      −−

創世記ではエジプトへ行ったヨゼフが詳しく記されているが、生誕年は不明、ヤコブがラケ
ルとの間に年を取ってから生まれた息子としているが、17歳の時にエジプトへ行き110
歳で死んだとされていて、ヤコブ一族が飢饉のためエジプトへ行く時はまだ存命であり、一
方ヤコブが130歳の時にエジプトへ行った事になっているので、この年号では2236年
だからヨゼフがそれなりの年令になっているとすると2180−90年の生まれか

ヨゼフ     2180−90 2290−300 110      −−

マタイ福音書では、ユダの血筋からダビデに至るとしているのだが、それぞれの年表は不明

ユダ      −−−−    −−−−     −−−      −−
ペレツ     −−−−    −−−−     −−−      −−

重要な歴史事件の年号

ノアの箱船の大洪水       1656     BC2104
バベルの塔の物語        1800頃    BC1960頃
アブラハムの割礼の契約     2045     BC1715
ヤコブのエジプト移住      2236     BC1524
モーセのエジプト脱出      2666     BC1094
  *出エジプト記12/41の430年を頼りにしているが、430年がどこから数える
   のか不明で、ヤコブ移住からにしたが、一方でモーセの脱出はBC1230頃とされ
   ていて、そうすると
モーセのエジプト脱出      2530頃    BC1230頃
   となり、430年遡ると2100年頃になり、イサクの代にエジプトへ移住した一族
   がありその連中をさしているのかもしれない
初代王であるサウル王制誕生   2748     BC1012
  *エジプト脱出からサウル王制誕生まで、たったの82年しかなく、一説では200年
   程とされているので、現在原因究明中であるがエジプト脱出をBC1230頃とすれ
   ば辻褄があう

感想

アブラハムの活躍した時期にノアもセムも生きている!!!

アブラハムが誕生した1946年にはノアから始まって10代の先祖全員が、まだご存命ですセムに至っては、アブラハムより長生きしています。

アブラハムの物語のなかでは、誰も登場しません。当時の共同体生活の中では、長老が重要視されるはずですので、アブラハムの家にもたくさんの長老達がいたはずです。
アブラハムは99歳の時に神と割礼の契約をしています(17/9−17/14)、このときアブラハムはセム達に相談したのでしょうか??

セムさんはアブラハムさんのご臨終に立ち会ったのでしょうか??...勿論セムさんに限らず、創世記はそんな事には一切触れてません
実にセムさんは、ノアの箱船の大洪水を経験して、人類が自分達一族だけになり、バベルの塔の事件も観ていて、10代後のアブラハムが神と割礼の契約をして、エジプトのファラオに会ってるところを全部観ているはずです、ものすごい人生を味わったことになります。

私は単純に創世記の編者がでたらめな寿命を書いただけの事だと思いますが、ノアの箱船の話に対しては、数字の操作をしているのにアブラハムの段階では、配慮を怠ったのでしょうか?

ノアの箱船の洪水は、全世界てきなものではなく、一部地域の洪水であった

ノアの洪水はアダム歴1656年で、アブラハムがファラオに接見したのは、2050頃でしょうから、この差は400年程のことです、一方アブラハムが存在したとされるのは、西暦BC1700年頃とされていますので、この大洪水はBC2100年頃と計算されます。
どうでしょうか、隣のエジプトはファラオ統治の古代エジプト文明が全盛(BC3050−紀元前後)で、滅んだ形跡は何もありません、それどころかメソポタミアも栄えています。
創世記6/7の神の言葉の「地上のすべての生き物を拭い去る」の発言はまたしても、まったくの嘘であります。

バベルの搭の話は全くの嘘です。

ノアの洪水の後に記録されている、バベルの搭の話(11/1−)は、それまで世界中が同じ言葉を使っていたとしているが、この事件は先の計算方法からBC2000年頃の事と推測され、すでにエジプトもインドも中国も古代文明が成立しており、それぞれ全く違う言語ですので、全くの嘘です。

なぜ長寿にしてしまったのか

ユダヤ民族には、エジプトやメソポタミヤの様な古代文明が発達してなかった為に(それが為に約400年にわたってエジプトで奴隷として使える)、自分達の先祖が初めての人類であるとしたときに、伝え聞く物語が少なく(ノアの箱船とバベルの塔の話し程度か?)、異常に長い寿命にしたのでしょう

この様な解析をしてて、不思議に思ったのは、神と対話する人が一人に限られる所にあります、アブラハムにしてもイサクにしても、前半のカインの時も、この後のモーゼにしても、ずっと後の新約の時代もそこに大勢の家族や仲間や民がいるにもかかわらず...全知全能、万民の神を唱える一方で常にメッセージを与えるのが、特定の人物であったり、特定の集団であったりします。

神はハルマゲドンの予言を、何故イエス・キリストを通してヨハネ1人に与えたのでしょうか、近い時代にヨハネ以外にも優れた宣教師(例えばパウロやバルナバやヤコブやテモテ)や福音書編者(マタイの編者やルカ等)が居たにもかかわらず(それらの文章にハルマゲドンの言葉は無い!)


とりあえず終わりです