青二才の預言者エレミヤ


見よ、わたしはわたしの僕バビロンの王ネブカドレツァルに命じて、北の諸民族を動員させ、彼らにこの地とその住民、および周囲の民を襲わせ、ことごとく滅ぼし尽くさせる、と主は言われる。そこは人の驚くところ、嘲るところ、とこしえの廃虚となる...エレミヤ25/9

はじめに
エレミヤはバビロンと内通し、エルサレムを廃墟に導いた売国奴ではないか...エレミヤから偽預言者(5/31・14/14・23章・27章など)と言われた施政者(預言者)は、そう思ったのではないでしょうか。
時代背景
バビロンを支持するヨシヤ王は、エジプト王ネコとメギドで戦い、敗死します。エレミヤは、召命を受けて以来、ヨシヤ王の申命記派革命に協力していたのですが、このヨシヤ王の死で、この宗教改革は挫折します。
ヨシヤ王の敗死後、ヨシアの子のヨアハズが王位につきますが、エジプト王ネコは、ヨアハズを廃して、弟のヨヤキムを代わりに王位につけ、エジプトによる傀儡政権を樹立します(BC608頃)
親バビロン派のヨシヤ王の死後、ユダ王国は、親エジプト派が主流となります。しかしエレミヤは、その大勢の中で、あくまでバビロンとの友好を主張します。
ユダ国と大国エジプトとは、距離的にも近く長年の付き合いでした、遠い新興のバビロンとは違い、当然影響力が大きく、隣国エジプトを頼る伝統が、ユダ国滅亡の原因と言っても良いかも知れません。
エジプト軍はカルケミシュの戦い(BC605頃)でバビロンに敗れ、中東の覇者はバビロンに移ります。
エレミヤは、エジプト支持者の多い中でバビロン支持を主張し、当時の施政者(預言者)と対立したのでしょう...これがエレミヤ書の1−6章の背景です。
施政者(預言者)を攻撃した演説が7章に書かれてますが、政策転換を主張すべき時に、施政者(預言者)の腐敗を非難するのが、宗教家・青二才の特徴で、この聖所での演説は施政者(預言者)の反発をかうだけでなく、神を冒涜したとされかねません。
結局この主張は誰にも受け入れられず、無念のエレミヤはエルサレムの崩壊を預言します。青二才のよく陥る単純な挫折です。
偽預言者の腐敗...申命記派を批判する
偽預言者は死ね!...申命記派の応酬
バビロンの悲劇...エレミヤ哀歌
バビロンの扱い...都合の良いスパイ
エゼキエルの立場
惨めな結末

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