新約聖書のできたプロセスマップ
ここに示している聖書の出来上がった年代と地域は学者によって諸説あり、自分なりに妥当と
思われるものをマップした
テキスト 作者 完成年代 完成場所 備考
マタイ福音書 マタイ学派 80−90 北シリア 使徒のマタイではない、マタイ学派と呼ばれる
人達だが詳細は不明
マルコ福音書 マルコ 60−64 ローマ 使徒言行録や自筆パウロ書簡に登場するマルコと思
われる
ルカ福音書 ルカ 80−90 ギリシャ コロサイ・ピレモ書簡等に登場するルカ
ヨハネ福音書 長老ヨハネ 90−100 北シリヤ 着手はマタイ・ルカと同時期と思われるが、二世紀
にかなり改訂されたと思われる
使徒言行録 ルカ 80−90 ギリシャ ルカ福音書の直ぐ後
自筆パウロ書簡 パウロ 50−60 北シリア パウロ自筆書簡は、コリント上下・ガラティア・
テサロニケ上・ピレモ・ローマ書簡程度と思われる
偽名パウロ書簡 不明 80−150 北シリア 北シリア教会の人達と思われる
ヨハネ書簡 長老ヨハネ 100−110 北シリア ヨハネ福音書作者と同一人物
ペテロ書簡 不明 110−150 北シリア 北シリア教会の人の作品
テモテ書簡 不明 110−150 北シリア 北シリア教会の人の作品
ヨハネ黙示録 ヨハネ 90−100 不明 ギリシャ語が下手な事や、旧約聖書のバビロン帰還
以後の黙視文書(例えばヨエル書)の影響が強い事
から、パレスチナ出身のキリスト教徒ではないか
これらの古文書が写本形式でシリアからローマに渡り普及していき、2ー3世紀に現在の聖書
の原型ができあがった、この時点でトマスの格言集やピリポ福音書・マリア福音書等のグノー
シス文書は異端扱いを受けたと思われる。
トマス格言集 トマス 90−100 北シリア グノーシス派の人
グノーシス文書 不明 2−3世紀 北シリア ピリポ福音書やマリア福音書でナグ・ハマディ(エ
ジプト)で52冊の巻物が発見された。
死海文書 不明 紀元前後? 死海 宗規要覧等数冊の書物が死海のほとりで発見された、
またその近くのクムランから発見された遺跡と関連
してエッセネー派の書物と思われる。
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