平成8年3月の薬害HIV訴訟の和解によるエイズ医療の恒久対策の一つ。
HIV診療支援ネットワークシステム(A-net)は、エイズ医療・研究に関する情報交換を行い、エイズ医療の着実な推進を図るため、国立国際医療センター内に設置されたエイズ治療・研究開発センターと全国各地のエイズ・ブロック拠点病院及びエイズ拠点病院を結ぶネットワークシステムである。
症状、服薬記録等の診療情報をデータベース化し、ネットワークで結ぶことにより、エイズ治療・研究開発センターを中心とする高いレベルの専門医師のコンサルテーション(診療に関する相談)が提供可能になる。
また、集められた情報(患者の住所・氏名を除く)を解析することにより、エイズ治療の向上に貢献する。
同システムの構築・運用に当たっては、患者の意見を取り入れ、また、診療情報の入力に当たっては患者への適切な説明に基づく同意(インフォームド・コンセント)を得る等患者の人権に十分配慮するとともに、個人情報の保護等情報の安全性(セキュリテイ)の確保にも万全の対策がなされている。
平成10年11月16日に開始した試験運用の評価を受けて、平成11年12月1日より本格運用を開始したところであり、今後、セキュリティの確保に重点を置きながら、利用しやすいシステムとなるよう努めることとしている。
(平成12年3月1日現在:利用施設数107施設(利用者数299名)、登録患者数324名)
- A-netは厚生省が運営管理し、HIV診療支援ネットワークシステム部会において、患者さんの声を反映させています。
- A-netの通信環境は国立病院の場合、専用の国立病院等総合情報ネットワーク(HOSPnet)を利用します。
- 国立病院以外は専用の安全保護(セキュリテイ)の仕組を利用します。
- A-netの診療データはエイズ治療・研究開発センター内に設置された3つのサーバに記録されます。
- このデータは国立大阪病院に設置されたサーバにおいてバックアップされます。
- A-netの運用を支援するためにA-netの保守センターが設置されています。
- エイズ治療・研究開発センター
国内外の治療・研究機関との連携、最新の高度な診療の提供、新たな診断・治療方法の開発のための臨床研究、ブロック拠点病院等からの臨床情報の集積・分析、診療相談への対応等最先端の治療情報等の提供、医療従事者に対する高度な実地研修を通じた医療水準の向上
- ブロック拠点病院
高度な診療の提供、臨床研究、ブロック内の拠点病院等の医療従事者に対する研修、診療相談への対応等情報提供、ブロック内の医療水準の向上、地域格差の是正
- 拠点病院
一般的な診療は住民に身近な医療機関に委ね、重症患者に対する総合的、専門的医療を提供、地域内における情報収集と提供、医療従事者の教育、エイズ患者の積極的な受入れ
2000年11月01日