AIDS FAQ


Q.日本におけるエイズの流行の現状はどのようですか?


 日本では、1994年12月末現在で889人のエイズ患者と2748人のHIV感染者が報告されています。ここ1年間の新たな患者・感染者を感染原因別にみると、異性間の性的接触による感染が194人、同性間のそれが114人で、前年に比べていずれも増加しており、なかでも同性間性的接触によるものの増加には著しいものがありました。
 1991年以降の状況を詳しくみると、1991年、1992年と凝固因子製剤以外の原因による患者・感染者の年間新規報告数は前年比で倍以上の増加を示しました。この状況から1993年以降の急増が非常に危惧されましたが、実際には1993年、1994年の患者・感染者報告数は1992年よりも少ないものでした。しかし、なお毎年400人前後の患者・感染者が報告されており、これを国籍・性別で見ると、日本人の患者・感染者は近年一貫して増加しています。なかでも日本人男性の増加には著しいものがあります。
 厚生省HIV疫学研究班は、凝固因子製剤による感染を除いたエイズ患者のうち、最初から感染者として届けられていてエイズに進行した人と、突然エイズとして届けられる人の比率から、日本人の実際の感染者数は報告数の約5.8倍と推定しています。感染地域別では、国内での感染が主流となり、日本人感染者では1990年以降、国内感染が海外感染を上回っています。また,献血者中のHIV陽牲率は1993年に過去最高となりました(0.47/10万人)。