AIDS FAQ


Q.日本でのエイズキャンペ−ンはどのように行われているのでしょうか?


 エイズ患者・HIV感染者が年々倍増する状況のなかで、1992年、行政、民間にマスメディアが加わって、「エイズの正しい知識の普及」という国家的キャンペーンが行われました。テレビ,新聞などのマスメディアのエイズ報道数は、松本や神戸でエイズパニックのあった1986年から1987年に一つのピークがありますが、キャンペーンの行われた1992年および1993年に再び大きなピークがあります。エイズについての電話相談数と抗体検査数はこれとまったく平行して増減しており、この動きは地方都市でも同じです。一方,性感染症のうち淋菌感染症が明瞭に減少に転じたのは1992年のキャンペーン以降,クラミジア感染症は淋菌感染症に1年遅れて、減少しています。コンドームの出荷量も1992年を境に飛躍的に増加したといわれています。HIV感染も減少に転じたかどうかは、その長い無症状期間のため数年を経ないと判定できませんが、キャンペーンが若者に届き、性行動に変化があったことは碓実と考えられます。しかし,このキャンペーンの後、マスメディアのエイズ報道数は減少しており、今後、報道数の減少とともに抗体検査希望者も減少して感染者が潜在化し,これに伴って性感染症、HIV感染症も増加することが危恨されます。教育の場を中心とした堅実で継続的なエイズ教育が重要になります。