AIDS 年表


【1987年】

1月FDA(米国食品医薬品局)の諮問委員会がAZTをAIDS治療薬として認可するよう答申。海外
厚生省のエイズサーベイランス委員会は、神戸市に住む独身女性(20歳)を日本で初の女性AIDS患者と認定。同女性はカリニ肺炎で死亡。緊急開設したエイズ相談窓口に市民から問い合わせが殺到。日本
2月高知県でウイルス保有者の女性(20歳)が3月出産予定であることが判明。
キャリアとわかっている女性の妊娠は日本初めて。(現在の夫と知り合う前に輸入血液製剤で感染した血友病患者の男性と交際していたことが考えられている。)
日本
日本政府のエイズ対策関係閣僚会議が「エイズ問題総合対策大網」を決定。
その内容は
(1)正しい予防知識の普及
(2)感染源の把握
(3)相談・指導体制の充実と二次感染防止対策の強化
(4)国際協力及び研究の推進
(5)立法措置を重点とするものである
日本
文部省は、学校教育においてもエイズの予防について、適切な対応が行われるよう、体育局長名で都道府県教育委員会委員長等宛に「エイズの予防に関する知識の普及について」を通知。日本
3月米国FDAはAIDS初めての治療薬AZTを市販薬として認可。海外
厚生省が医療関係の指導者向けテキスト「AIDS in JAPAN」を監修。日本
高知県のAIDS感染の主婦出産。母子ともに元気。
出産時に感染する危険性が自然分娩よりも低い帝王切開を採用。母体の出血量を抑えるため電気メスを使用。その他児体の洗浄、母子分離などの感染防止措置がとられた。
日本
5月民間の力でAIDSの蔓延を防ごうという「財団法人エイズ予防財団」(会長 鈴木善幸、理事長 小沢辰男)の設立発起人会が開かれた。
6月1日付で厚生省の許可を受け発足。
(1)AIDSについての正しい知識の普及、啓発活動
(2)AIDSの診断、治療、予防に関する研究への助成
(3)諸外国からの情報収集と日本からの情報提供
(4)国際会議、研修会の開催など…を事業内容の柱にする予定
日本
6月第3回国際エイズ会議がワシントンにて開催。
参加者は、7,000人にふくれあがり、エイズ活動家の活動が目立った。
海外
7月CDCの発表によれば、従来HIV感染の危険因子として医療や介護以外の因子が考えられないとされている者が6人報告されており、そのうち4人は注射針による針事故であり、2人は防護せずにHIV感染者の血液、体液に接触したことがあった者であったと由。海外
8月CDCのThomas Monath 博士は、蚊がHIVを伝播するのではないかという不安をはっきり否定。「HIVで汚染された血液を蚊が吸ってもウイルスは1時間後には死滅している。大量のHIVをアフリカ南京虫に注入すれば、ウイルスは3日間は生き続けるかも知れない。しかし、南京虫の口の部分に運ばれるウイルスはきわめて少量で南京虫からヒトの血液にHIVが伝播されには15,000万回以上もかまれなければならない」と説明しており、蚊などによってHIV伝播の可能性はないことを強調している。海外
9月2日現在までに世界からWHOに報告されているAIDS患者数は、計58,880人で1例以上の報告数143ヵ国である。海外
AZTは保険薬として承認。日本
11月厚生省エイズサーベイランス委員会は、新たに9名の患者(男性同性愛者 3、血液製剤による者 5、不明 1)を承認。性別では男性 8、女性 1で、4名はすでに死亡。累積患者数は59名(うち33名死亡)となった。
キャリアは確認されているもので986人となっている。
日本
厚生省はHIV感染者の増加に伴い、その妊娠例も今後さらに増えることが予想されるため「HIV母子垂直感染予防対策検討会」を発足させた。日本