AIDS 年表


【1990年】

3月エイズ関連学会開催。
(1)3月31日〜4月5日 HIV and AIDS : Pathogenesis, Therapy and Vaccine Keystone, Colorado, U.S.A.
(2)3月31日〜4月5日 Animal Models of Human Viral Diseases : Relevance to Developmental The rapeutics Keystone, Colorado, U.S.A.
海外
厚生省はHIV感染者に対するカウンセリングの重要性から省内に「HIV感染者に対するカウンセンリングに関する検討会」(委員長 日野原重明:聖路加看護大学長)を設置し、HIV感染者が直面している諸問題、例えば就業、就学等の差別に関連する問題、経済問題、死に対する不安、性の問題等をそれぞれの問題ごとに検討し、問題解決の方法としてまとめ、マニュアル「HIVとカウンセリング」を作成した。日本
5月5月2日〜4日 First International Conference on the Prevention of Infaction Nice, France.海外
わが国初の母子感染例報告。日本
6月第6回国際エイズ会議がサンフランシスコにて開催。
6月20日〜24日までで、参加者12,000人。
NGOの参加者が多く、最終日にはサンフランシスコの街でゲイとレズビアンの大パレードが行われた。国際エイズ学会理事会において、日本の出入国管理法が問題となり、日本開催はその問題が解決されるまで保留となり、1994年はアジア開催のみと決定。
海外
7月米国においては7月26日にADA(American with Disabilities Act : 米国身障者法)が発効された。
国民の約15%、4,300万人にのぼる身障者の社会的差別の完全撤廃になるものと思われる。医療関係で最も問題になるのは次の規定された条項である。
(1)医療供給者(医師を含む)は患者のアクセスを拒否できない。
(2)保険会社は契約締結に際して、標準保険の慣行を超える填補範囲の制限または否認は出来ない。
(3)雇用主は、雇用または保険恩典で差別は出来ない。
(4)公衆衛生関係者は障害者に対して現在有効とされる、強制処置を施行する際には、その疾患感染が意義ある危険を伴うことを明示しなければならない。
(5)現在25人以上を雇用する機関の雇用者は1992年1月から、また10以上の従業員または50万ドル以上の売上げのある機関は1993年7月から、その他の診療所は1994年7月から、身障者の雇用に対しては差別出来ない。
違反に対しては米国連邦政府の機関EOEC(Equal Opportunity Employ Commission 機械均等雇用委員会)から指令及び、救済措置が施され連邦公廷での審査により非と認定されれば、告発者の弁護料の負担と1人5万ドルまでの罰金が科せられる。
身障者の定義:(1)視力障害者 (2)聴覚障害者 (3)言語障害者 (4)活動力 障害者 (5)HIV感染者 (6)結核菌感染者 (7)他の伝染性 疾患患者 (8)癌患者 (9)アルコールまたは麻薬中毒者及び既住歴者 (10)精神病者の他に末期的心及び肝不全の患者
海外
8月厚生省保健医療局疾病対策課 結核・感染症対策室長名で都道府県・指定都市の衛生主管部(局)長宛に「医療機関におけるエイズ診療体制について(依頼)」の通達がなされた。
(1)医療従事者に対し、厚生省発行の「HIV医療機関内感染予防対策指針」の趣旨・内容について周知徹底を図ること。
また、厚生省監修の「HIVとカウンセリング」を活用することによりカウンセリングの実施体制の整備を図ること。
(2)患者本人が意識不明である等、やむを得ない事由のある場合を除き、患者本人の同意を得ずHIV抗体検査を実施することは、患者本人の人権を保護する観点から適当でないので、本人の同意を得て抗体検査を実施すること。
(3)検査結果は原則として患者本人に直接告知すること。この場合、患者本人の精神的動揺を考慮し関係職員によるカウンセリングを実施した上で告知すること。
(4)エイズへの偏見から診察拒否が起きないよう、エイズに関する医療従事者等に対する教育を含めた医療体制の整備を図ること。
(5)患者のプライバシーの保護を十分考慮し、関係職員が業務上知り得た事項に対する守秘義務の徹底を図ること。
日本
9月米国フロリダにおける歯科医師から女性患者(キンバリー・バーガリス:1991年12月23歳で死亡)へHIV感染エイズ発症があったとの訴えがあった。(キンバリー事件)
CDCが分子疫学的調査を行い、その歯科医(1990年9月エイズにて死亡)が計5名の患者にHIVを伝播させた可能性が強いと結論したが、他に歯科医療を介して患者への感染例はなかった。
海外