AIDS 年表


【1991年】

6月第7回国際エイズ会議がイタリアのフィレンツェにて開催。
国際エイズ学会理事会において、日本側が提出された文書が了承され、正式に1994に年日本開催が決定した。
海外
赤瀬範保氏、脳出血で死去。日本
第10回国際会議(1994年)日本開催正式決定。日本
9月大阪HIV訴訟で原告の石田吉明氏、氏名を公表して本人尋問を申請。日本
エイズ研究合同発表会(厚生省)日本
10月米国で、第2のエイズ治療薬DDI(ジデオキシイノシン)が承認される。
AZT(アジトチミジン)で効果がみられなくなった患者やその副作用に耐えられない患者に使用するという条件つきで、申請から僅か半年で認可された。
海外
フランス政府は、1980〜1985年に政府保健当局が、エイズウイルスに汚染されている可能性を知りながら使っていた輸血用血液でエイズに感染した患者に対し、早急に補償が行われると発表した。財政当局が明らかにした計画によると、政府、保険会社から補償を受けるのは、エイズで死亡した患者の家族も含めて約5,000人。仏厚生省の報告では、国立輸血センター(CNTS)は加熱処理していない保存血液を使いきるため、加熱処理技術の導入を遅らせたという。海外
東京医科歯科大学医学部の山本直樹教授と京都大学薬学部の藤井信孝教授らは、抗HIV効果をもつ新物質を発見したと発表。新物質は、HIVと免疫担当細胞が融合するのを防ぐ物質で、米国産カブトガニの血液中から取り出したポリフェムシンと呼ばれる物質をもとに合成したT22。日本
11月米プロバスケットボール(NBA)の、マービン“マジック”ジョンソン選手は、エイズウイルスに感染したことを明らかにし、現役生活引退を突然明らかにした。海外
“マジック”ジョンソン選手と広告契約を結んでいるコンバース、スポルディングの米スポーツ用品メーカー2社は、ジョンソン選手の起用を続けるとともに、一般大衆にエイズ知識を広めていくとの同選手の広報活動を支援する計画を持っていると表明した。海外
英国の代表的ロックバンド“クイーン”のリード・シンガー、フレディ・マーキュリー氏(45)は、ロンドンの事務所を通じて、「エイズの検査で陽性と判定された」との声明を発表した。海外
フレディ・マーキュリー氏(45)がロンドン・ケンジントンの自宅でエイズのため、24日夕死去したと、所属プロダクションが明らかにした。海外
フランスのツールーズ裁判所は、きれいな血液製剤を供給する義務を怠って血友病患者のエイズ感染を招いたとして、国立中央血液センターなどに対し、原告の患者3人に計630万フランの賠償金支払を命じた。
一審段階であるが、フランスのエイズ感染問題で初めて国の責任が認定された。さらに、1988年血友病患者20人が訴えた同様の訴訟についても関係者4人が被告に決まり、本格審理が始まることとなった。
海外
世界保健機構(WHO)世界エイズ対策本部のドロシーブレイク副部長が来日し、12月1日の世界エイズ・デーを前に、WHOへの協力を求めた。同副部長はHIV感染者の年間発生数は北米ではすでにピークを過ぎたもののアフリカが1990年代半ばにピークを迎え、アジアは毎年増加し2000年には、現在年間発生数の最も多いアフリカを超えて、感染者数が約120万人に達するとの予測を明らかにした。また、最近の傾向として、
(1)同性愛者から異性間へ中心が移り、一般家庭にも広がってきた。
(2)途上国の感染者は現在、世界全体の60%を占めているが、今世紀末には90%に達する。
(3)東南アジアの感染者が急増。
(4)現在200万人のエイズ孤児が今世紀末には1,000万〜1,200万に増える、と予想されることなども指摘した。
海外
米国医師会はネバタ州ラスベガスで開いた総会で、医師に自発的なエイズ検査を勧める決議案を採択した。
歯科医からエイズに感染したとされる女性患者(23)がフロリダで死亡したばかりで、医師にエイズ検査を義務づけるかどうかが注目されていたが、決議案は「義務づけは望ましくない」としている。決議案は、医師に「エイズに感染する危険性を独自に判断し、検査の時期と回数を自発的で決めるべきだ。」と求めている。
海外
弁護士や患者の支援者、学生ボランティアらが準備した「AIDS告発集会」が東京都内で開かれた。血友病患者が使う血液製剤でHIVに感染したとして国や製薬会社を訴えている「東京エイズ訴訟」の原告たち8人が、カーテンごしに舞台に立つという手法で証言に立った。日本
12月世界保健機構(WHO)は、このほど欧米で開発されたエイズ予防ワクチンの臨床試験をタイ、ウガンダ、ルワンダ、ブラジルの4ヵ国で実施する方針を明らかにした。4ヵ国を選定した理由は、国民の感染率が高く、医療研究機関などが完備していることなど。当面、エイズウイルスへの感染を防ぐため米国と欧州で開発されたワクチン14種類の効果を試すのが目的で、数千人の志願者を募る。副作用がないことを確かめる必要があり、試験開始は早くても1年後になるといいう。海外
エイズ予防財団の2枚のポスターをめぐって、女性団体や女性職員から、女性差別との抗議の声が上がり、自治体で掲示を見合わせるところが相次いだ。同財団は、1992年度から一般公募でデザインを決める方針とした。日本