平成13年3月28日
徳島県徳島市

第五二回結核予防全国大会決議

 わが国の結核対策の基礎である現行の結核予防法が制定されてから今年で五〇年を迎えた。
 この間、結核まん延状況は目覚しい改善を遂げたが、近年、高齢者や社会的・経済的・身体的ハイリスクグループヘの結核患者の偏在化が目立ち、大都市によっては罹患率の極端に高い地域が出現し、若年者層の結核の増加も見られる。また、集団感染事例や院内感染があとを絶たず、薬剤耐性結核という新たな問題も生じている。
 わが国の結核まん延状況は、まさに、再興感染症としての様相を呈していると言えよう。
 一方、目を世界に転ずれば、結核対策はDOTS政策の普及により進展しつつあるが、人材、資材の不足、HIV感染の拡大、人口の増加、都市化の進展などから、世界の結核患者数は過去最悪の状況となっている。
 我々は、これらの国内外の結核事情を重大に受け止め、今大会の各種会議で検討した結果、世界的規模での結核対策を推進するため次のことを決議する。

一、 わが国の結核まん延状況の変貌に即し、ハイリスクグループ対策、保健所と医療福祉関連機関との連携強化なとに重点を置いた結核対策を一層推進すること

一、 結核研究所の充実を図り、結核研究を推進し、新しい技術方策を開発するとともに、国内外の結核対策に貢献できる人材育成を図ること

一、 結核予防の普及啓発を強化し、医療関係者の結核問題への認識を高めるため、全国の結核予防会及び結核予防婦人会の活動支援など必要な措置を講ずること

一、 九州・沖縄サミットの論議を尊重し、世界の結核対策推進のため、国際協力を強化すること

 以上四項目の早期実現を期し、国及ひ関係当局に、財政措置をはじめ必要な措置を溝ずるよう要請する。


第五二回結核予防全国大会宣言

 現行結核予防法は昭和二十六年の制定以来五〇年を迎えた。結核対策はまん延状況の変貌に適合していなければならない。
 我々は、新しい時代の結核対策を推進するため専門家の養成に努め、研究活動を進展させていく。
 我々は、国民の結核への認識を高めるよう、普及啓発店動を積極的に行う。さらに、国際協力活動を強化し、世界の結核状況改善に貢献していく。


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2001年04月16日