平成8年12月13日

予防接種後副反応報告書集計報告の概要

1 予防接種後副反応報告制度の概要

 本報告制度は、平成6年の予防接種法改正に伴い厚生省保健医療局長通知(平成6年8月25日健医発第962号)に基づいて実施されているものであり、予防接種後の被接種者の健康状況の変化についての情報を、医療機関並びに被接種者及びその保護者から市町村、都道府県を通じ厚生省に報告するものである。

2 予防接種後副反応報告の目的

 予防接種後の副反応発生状況については、これまで全国的な調査が実施されていないことから、十分な副反応情報の把握がなされていない現状にある。
 これにかんがみ、予防接種後の被接種者の健康状況の変化についての情報を収集し広く国民に提供することを目的としている。

3 予防接種後副反応報告の報告基準及び集計

 予防接種後副反応報告の報告基準は、予防接種後に一定の症状が現れた者について報告されるものであり、予防接種との因果関係及び予防接種健康被害救済と必ずしも結びつくものではない。また、集計は、予防接種と因果関係がないと思われるもの及び報告基準の範囲外の報告についても集計から除かないで単純集計したものである。

4 予防接種後副反応報告書集計報告(No.2)の概要
(1)データ収集期間:平成7年10月〜平成8年3月
(2)集計について
ア 集計・評価機関
 厚生省において単純集計した結果をもとに、予防接種副反応モニタリング検討会において情報解析を行った。
イ 集計基準
・接種後の発症までの日数別 ・年 齢 別(男女別) ・予 後 別
ウ 集計対象について
  1.  対象とされたワクチンは、定期接種として実施された、DPT、DT、麻しん、風しん、日本脳炎、ポリオ、BCGである。
  2.  報告は、予防接種後に健康状況の変化を来たし、接種医、診察医、本人、保護者またはその他の者が報告基準を参考に報告すべき異常副反応と判断した症例である。
  3.  報告書の集計は、第1報が提出された日時で行い、第2報以降で症例の転帰が明確にされたものなど変化があったものについては追記した。また、既に前回集計報告(平成8年3月29日)にて集計され、今回次報として報告されたものについては集計していない。
  4.  報告するかどうか報告者の判断のため、副反応の発生率などについてはこのデータからは分析不可能であるため、ワクチン別の副反応発生頻度については本報告ではなく、平成8年度より本格的実施にはいっている予防接種副反応モニタリング事業によって明らかになる。
  5.  まとめに使用した分類については、今回は報告基準を基本とした。しかしながら、通常の副反応と思われるもの及び予防接種との関連性が明らかに考えられないものは基準外報告とした。
     なお、この区分については、より明確になるよう検討を要するが、今回集計、解説において、即時型全身反応を呼吸器・循環器障害を伴うアナフィラキシーと全身蕁麻疹に分け、その他異常反応と基準外報告についてもその内容が明確になるようにした。

(3)報告内容(症例数は報告人数であり、件数は副反応発生数(重複あり)である。)

 総 数:303件(247例)、DPT:60件(57例)、DT:20件(20例)、麻しん:144件(99例)、風しん44件(41例)、日本脳炎:14件(12例)、ポリオ:3件(3例)、BCG:18件(15例)となっている。

5 情報提供先

 都道府県を通じ、保健所、市町村及び医療機関等関係機関に情報を還元することにより、広く国民に情報提供する。


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JAN. 28, 1997