1991年から進められている中央官庁から地方自治体への権限委譲に伴い、主に財政上の理由により、保健医療分野の公的サービスに地域格差が生じている。また、財政に余裕のある都市部の自治体は、同時に富裕な住民が数多く居住している地域でもあり、民間保健医療サービスも充実する傾向がある。このため、都市部の貧困地区とともに、地方農村部の保健医療サービスの充実が今後の課題である。しかし、このような地域は同時に社会インフラが未整備であり、保健医療分野に限らず、道路建設、学校建築、水道整備等の推進、さらには産業育成、雇用創造も含む総合的な経済・社会開発が求められている。