混合診療禁止の法的根拠


1.混合診療の禁止

 我が国の医療保険制度においては、一疾患に対する一連の診療行為において保険診療と自由診療を併用することは原則として認められていない(混合診療の禁止)。
 ただし、厚生大臣の定める高度先進医療や選定療養(特別の病室に入ったときなど)については、医療サービスの基本的な部分は医療保険で賄い、それを超える部分の支払いは、患者の同意の下に医療機関が特別な料金を患者から徴収できる特定療養費制度を導入している。

2.趣旨

 @必要十分と考えられる公定サービスの確実な提供

 A実質的な負担増の禁止

3.法的根拠

 ○健康保険法第44条(特定療養費制度)

 混合診療の禁止について、健康保険法上直接に規定した条文はないが、昭和59年の健康保険法の改正において特定療養費制度を設けたことにより、厚生大臣の定める高度先進医療又は選定療養に核当しない保険適用外の診療については保険給付の対象とならないことから、結果として混合診療の禁止の趣旨が明確となった。

 ○保険医療機関及び保険医療養担当規則第5条及び第5条の2
  (根拠法令:健康保険法第43条ノ4第1項及び第43条ノ6第1項)  

  @第1項:健康保険法の規定による金額の徴収
   (一部負担金、入院時食事療養費の標準負担額等)

  A第2項:健康保険法の規定による金額を超える部分の徴収
   (特定療養費制度における差額徴収)

 療担規則においても、保険医療機関等が患者から保険適用外の医療に係る金額の支払いを受けることができる場合を、厚生大臣が定める高度先進医療又は選定療養に限っている。

※療担規則違反の場合、保険医療機関等の指定の取消しもありうる。(健康保険法第43粂ノ12)


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2000年10月17日