平成8年3月28日
公 共 の 場 所 に お け る 分 煙 の あ り 方
検 討 会 報 告 書 に つ い て
平成7年3月に「たばこ行動計画」検討会報告書がとりまとめられ、同年4月に公衆衛生審議会会長から厚生大臣あてに、今後のたばこ対策を進めるにあたって指針とすべき計画として適当であるという意見具申がなされた。同報告書の中で、非喫煙者に対する受動喫煙の影響を排除・減少するための環境づくりである「分煙」を推進するため、公共の場所における望ましい分煙のあり方を提示する必要性が指摘されていた。このため、学識経験者や、職域の代表者、施設の関係者等を含む各界からのメンバーにより、幅広く検討を重ね、この度、報告書をとりまとめた。その経緯と概略は以下の通り。
1.検討会の経緯 保健医療局長の私的検討会として、平成7年12月から平成8年3月まで、 計7回開催。 2.報告書の概要 I.公共の場所における分煙のあり方の基本的考え方 (1)分煙の基本原則 1 非喫煙者への受動喫煙の影響を排除・減少するため、分煙推進が必要。 2 分煙推進の際には、非喫煙者と喫煙者のコンセンサスを得ることが必要。 (2)分煙実施にあたっての基本事項 1 空間を分ける分煙を行う。 2 施設の態様や利用者のニーズに応じた分煙対策を進める。 3 分煙機器を積極的に活用する。 4 禁煙場所と喫煙場所の表示を明確に行う。 5 本報告書の望ましい分煙のあり方を参考に、従来の自主的な取り組みをさら に進め、分煙対策を推進する。 II.分煙のあり方の具体的内容 分煙方法を、以下のA〜Dに分類し、望ましい分煙のあり方を表示する。 A:喫煙場所を完全に分割された空間とする。 B:喫煙場所を設け、分煙機器でたばこの煙が完全に流れ出ないようにする。 C:喫煙場所を設け、分煙機器でたばこの煙を軽減する。 D:喫煙場所を設けるが、分煙機器は使用しない。 (1)屋内の場所 1.禁煙原則に立脚した対策が望まれる場所 禁 煙 分 煙 a 保健医療機関:医療機関、保健所等 ・診察室、病室、検査室等 〇 ・待合室、食堂等 〇 または A・B b 教育機関:学校、児童福祉施設等 ・講義室、講堂、図書室、会議室等 〇 ・職員室等 〇 または A・B c 官公庁:政府の中央省庁、地方自治体 ・窓口、相談室等 〇 ・ロビー等 〇 または A・B 2.分煙対策を強く推進することが望まれる場所 禁 煙 分 煙 a 公共交通機関:飛行機、鉄道、船舶 、バス等 ・車両等 〇 または A〜C ・待合場所(屋内) 〇 または A〜C (屋外) A・D b 金融機関等:銀行、郵便局等 ・窓口、キャッシュコーナー等 〇 ・ロビー等 B・C c 博物館等:博物館、美術館、ギャラリー等 ・展示室 〇 ・ロビー等 A〜C d 運動施設:屋内競技場、スポーツセンター、健康増進施設等 ・運動を行う場所 〇 ・休憩場所等 A〜C 3 事業主の主体性に基づいて適切な分煙対策を推進することが望まれる場所 禁 煙 分 煙 a 飲食店:レストラン、喫茶店等 ・店舗内 A〜D b 宿泊施設:ホテル、旅館等 ・ロビー、レストラン、ラウンジ、大浴場等 A〜D ・宴会場 (利用者の要望 による) c 販売業:百貨店、マーケット等 ・売り場 〇 ・休憩場所、食堂等 A〜D d 娯楽施設:映画館、劇場、演劇場、公会堂等 ・客席 〇 ・休憩場所等 A〜D e 遊技場:パチンコ店、ゲームセンター等 ・遊技場内 A〜D (2)屋外の場所 禁 煙 分 煙 a 屋外競技場:野球場、陸上競技場等 ・観客席等 〇 または A・D ・休憩場所等(屋内) A〜C (屋外) A・D b 公園(遊園地等を含む) ・灰皿のない場所 〇 ・休憩場所等(屋内) A〜C (屋外) A・D c 道路 ・道路上(人が密集する所) 〇 (その他) (マナー遵守) III.分煙対策の推進方策 厚生省は、厚生省自ら実施するか、あるいは、関係各省庁、関係団体等に働き かけ、以下の分煙対策を推進する。 1.分煙推進の実施主体に対する働きかけ 2.公共の場所の利用者に対する啓発普及 3.分煙機器の開発普及 4.実施状況の把握と評価