話題で選ぶ運営日誌

「機器・ソフトの活用法と授業」の巻 その1


  CD−ROMドライブ事件 

 9月12日。いよいよ各クラスでの授業が始まりました。私のクラスの初めての授業は,当初の予定通り「わくわくランド」を使ったマウス操作のおけいこです。コンピュータ室内の利用のきまりなど,簡単なオリエンテーションを済ませた後,早速,各パソコンにCD−ROMを挿入して「わくわくランド」を起動させました。ところがそのうちの1台がなぜか起動に失敗してしまいました。CD−ROMを入れてすぐに起動ボタンを押したせいかと思いましたが,どうもそうではないらしいです。それでもCD−ROMを何回か入れ直したらうまくいきました。ドライバのせいか,ハードの問題かよくわかりません。

 このようなトラブルはあったものの授業そのものは大成功でした。子供たちは,とまどうこともなくやりかたをすぐに覚え,時間も忘れて夢中になり,コンピュータの楽しさを十分に味わわせることができました。

 その後,他のクラスでもたびたび同じトラブルが起こりました。しばらくするとM先生が解決方法を発見しました。「うまくいかなかったら,CD−ROMドライブのトレイを手で強く押し込んで,パソコンをコンコンとたたくといいよ。」ということです。私が試してみたところ,やり方が下手なせいか,うまくいきませんでしたが,とにかくそういうことらしいです。




  2回目の授業


 9月17日。第2回目の授業は,「キッドピクス」でお絵かきをする予定でしたが,前回の「わくわくランド」が,子供たちに大変好評だったので,「わくわくランド」と「キッドピクス」を半分ずつ行うことにしました。「キッドピクス」では,簡単に操作方法を教えた後,自由に操作させてみました。子供たちは,あれこれ触っているうちに,いつのまにか色々な機能を見つけ,自分のものにしているようです。いつものことながら,こういうときの子供の覚えの速さには驚かされます。






  PC−XXXX事件2

 9月25日。バグを抱えたPC−XXXXをおそるおそる使いながら,9月24 日の第3回目の授業で,「キッドピクス」の操作方法を学習する授業を行いました。まず私が,線を引いたり,色を塗ったりする操作の仕方を見せ,それを次に子供たちが実際に自分で操作してみるという内容です。こんなときに,教師用パソコンの画面の画像をビデオプロジェクタに出力し,スクリーンに大きく映し出すことができるPC−XXXXは大変役に立ちます。

 そのPC−XXXXが,9月25日にやっとバージョンアップされました。(NEXの人は「修正プログラム」とは言わずに「バージョンアップ」と言っていました。)

 インストールのために,わざわざ横浜から担当の人が来て下さいました。ありがたいことです。

 インストール作業は無事終わりました。今までの不具合はすべて解決し,今度は大丈夫だそうです。

 翌日,早速試してみました。動きました。が,うまく動きません。一応,動くことは動きますが,15分もすると,勝手に接続が解除されてしまいます。小学校の授業は45分ですから,たった15分で落ちてしまうようでは困ります。

 26日・27日の2日間で6時間ほど使ってみましたが,結局,まともに使えたことは一度もありませんでした。これでは困るので,早速,横浜の開発部かテスト部か分かりませんが,とにかく担当の人に連絡しましたところ,すぐに見に来てくれるとのことです。ありがたいことです。

 ところが,担当の人が調べに来たときに限って,正常に動いてしまったのです。調査が終わるまでの3時間,一度も解除されずにまともに動いてしまいました。結局原因は分からないままです。若干のアドバイスを告げて担当の人は帰って行きました。もしかしたら,私の使い方がおかしかったのでしょうか。

 そして心配したとおり,また翌日からは,まともに動かなくなってしまいました。





  キッドピクスで作品制作


 10月4日。先月末から始めた「キッドピクス」の操作練習も順調に進み,日本語入力の練習も済ませ,いよいよ作品制作に取りかかりました。(日本語入力といっても,自分の名前をカタカナや漢字に変換する程度の簡単なものです。)

 35人のクラスですが,パソコンは20台しかないので,ちょっと不便ですが,子供たちは,機能を教えあったり,操作方法を相談しあいながら,楽しそうに活動しています。「キッドピクス」は,色々な模様やスタンプがたくさんあり,パソコンならではの作品を作ることができます。日本語入力以外は複雑な操作はありませんから,子供たちがとまどうこともありません。できあがった作品は,来週の授業参観で保護者の方々に見ていただくことにしているので,子供たちもいつも以上に熱心でした。





  カラーOHPシートの作成

 11月13日。私は,園芸委員会の担当をしています。園芸委員会とは,児童会の組織の一つで,花を育てたり,植物に親しんでもらうよう啓蒙活動を行う組織です。私に園芸は全く似合いませんし,望んだわけでもありませんが,とにかく園芸委員会の担当をしています。

 その園芸委員会が主催して,全校集会を開くことになりました。そこで,色々な花を全校児童に紹介するため,花の写真のOHPシートを作成することにしました。

 ありがたいことに,私の学校のコンピュータ室には,イメージスキャナ,フィルムスキャナ,デジカメ,カラープリンタなど,必要な機材はすべてそろっています。それに,それらの機材の使い方を知っている先生は,ほとんどいないので,使い放題です。校庭に咲いている花はデジカメで撮り,見あたらない花は図鑑の写真をイメージスキャナで取り込むことにしました。インクジェットプリンタ用のOHPシートも,近くのパソコンショップで購入してきました。

 ところが,それらの機材の接続状況がちぐはぐです。イメージスキャナとフィルムスキャナは,サーバパソコンに接続されていますが,カラープリンタは教師用パソコンに接続されています。デジカメの写真は,PCカードかシリアルケーブルを使って取り込めますが,PCカードスロットはありませんし,パソコンの後ろ側は,覆いがされていて,はずすのが面倒そうです。それにシリアル転送は時間がかかるのでやる気がしません。(この前行った遠足の写真のHTMLファイルの作成は自宅のノートパソコンで行いました。)

 このような接続状況ですから,カラー印刷を行うためには,サーバに保存したデータを教師用パソコンに転送する必要があります。この前サーバに保存した遠足の写真のhtmlファイルは,偶然にも,他のパソコンのブラウザから呼び出せるようになりましたが,適当に色々やったので,どうやったかはっきり覚えていません。今度もちゃんとできるかどうか不安でしたが,とにかくやってみることにしました。

 作業環境は,サーバがペンティアムの 200メガヘルツでメモリが96MB,イメージスキャナはEPSONのGT9000ですから,作業はストレスなく快調に進みました。写真保存用に作成しておいたディレクトリに,取り込んだ画像をどんどん保存していきました。シリアル転送がいやなので,デジカメを使うのは結局やめにしました。

 ところが,というか,心配したとおり,サーバに取り込んだ画像を,教師用パソコンから呼び出すことができません。もちろん私の勉強不足が原因ですが,困りました。この前は適当にやってもできたのに,今度は適当にやったらできません。教師用パソコンからは,この前作った遠足の写真のディレクトリしか呼び出せないのです。

 結局,この前運良く認識できた遠足の写真集のディレクトリに,花の写真のファイルを移して作業を続け,無事OHPシートを作成する事ができました。カラープリンタから印刷された花の写真のOHPシートは,とても綺麗で,満足のいく出来映えで,集会でもまずまずの評判だったようです。

 サーバのディレクトリを,クライアントから呼び出せるようにすることぐらい,できる人には簡単なことなのでしょうが,これまでスタンドアロンでしか使ったことのない私にとっては,とても難しく思われます。(マニュアルも分厚いし用語の意味もよく分かりません。)

 WINDOWS NTの勉強をもっとしなければと痛感した1日でした。






  学習発表会の招待状の作成 11月16日。私の学校では,もうすぐ学習発表会(学芸会のようなもの)が行われます。そこで,クラスの一人一人の子供が,父母に向けて,パソコンで作った招待状を出すことにしました。

 これまでのコンピュータの学習は,お絵かきが中心でしたが,今度は文字もたくさん入力します。ワープロソフトに絵を貼り付けるか,お絵かきソフトに文字を入力するか迷いましたが,綺麗な飾りや枠を入れてカラフルなものを作らせたかったし,お絵かきソフトの方が子供たち(小学4年生)が抵抗なく取り組めそうでしたから,お絵かきソフトを使うことにしました。

 そこで,「メディアルーム」というマルチメディア作品を制作するソフトのお絵かき機能を使って,招待状を作成することにしました。

 実際に作業を始めてみると,子供たちは,今回かなり苦戦しました。日本語入力は,「キッドピクス」の作品に自分の名前を入れるときに練習しただけです。ですが今度は,タイトル,日時やプログラム,父母への言葉など,たくさんの文字を入力しなければならないからです。慣れない子供たちにとっては,文字一つ探すのも一苦労です。それでも,子供たちは,相談したり,助け合いながら熱心に取り組んでいました。

 苦労した末にできあがった作品が,プリンタから出力されたとき,どの子供も満足感にあふれた笑顔をしていました。

 結局,35人全員の招待状が完成するまで,計3時間もかかってしまいましたが,日頃の教科の学習では味わえない貴重な経験ができたと思います。
 



  カラー0HPシートの作成2
 11月22日。この前園芸委員会の集会のために作った花の写真のOHPシートが好評で,早速,保健の先生から,今度の保健の集会のために「歯と歯ぐき」の写真のOHPシートを作ってほしいと頼まれました。

 前回,私の勉強不足から,サーバの設定で少々手こずったので,しっかり学習しておきました。たまたまコンピュータ教育の研修会があったので,その研修会の内容とは直接関係なかったけれど,ずうずうしくインストラクターの人に教えていただいて勉強しました。

 サーバの方は,ディレクトリを共有にして,アクセス権をフルコントロールにしておき,クライアントの方はネットワークドライブの設定で,そのディレクトリを指定しておけば簡単にできることが分かりました。

 今度はうまくいきました。ですが,虫歯や歯肉炎の写真ばかりですからちっとも綺麗じゃないし,面白くありませんでした。





  小学校でのコンピュータ活用

 11月23日。私の学校にコンピュータ室ができてから,もうすぐ3ヶ月になります。これまでの使用状況を調べてみると,毎週欠かさず使っているクラス,はじめのうち積極的に活用していたものの最近はほとんど使っていないクラス,最近になってよく使うようになったクラスなど,様々です。全体的には,最近コンピュータ室の使用回数はやや下降線をたどっているようです。

 そこで,これまでの活動の見直しとこれからの活用方法を考えていくために,全学級(19クラス)の担任の先生を対象にアンケート調査を行いました。

 主な質問項目と解答は下記の通りです。今年は「コンピュータ教育元年」ということで,教師も子供もコンピュータに「触れ,慣れ,親しむ」ことを目標にしていますので,このことを考慮してアンケート項目を作成しました。解答の方法は質問1・2が,選択式で,質問3が記述式です。
質問1「コンピュータの授業に興味を持って取り組んでいる児童はどのくらいいますか。」

 すべての学級が「ほとんど全員」と答えていました。
質問2「子供たちの,知識・技能の定着度はどうですか。」

 コンピュータやソフトの起動終了,お絵かきソフトの操作などは,おおむね定着しているようです。ファイルの保存・呼び出しや印刷については半分程度,日本語入力についてはまだ実施していないクラスが多く,ほとんど定着していないようです。
質問3「現在,指導を進める上で困っていることはどんなことですか。」

 「コンピュータの授業を行うと教科の学習が遅れてしまう。」「自分自身が初心者なので自信を持って教えられない。」「トラブルが起こったとき対処できない。」などの解答がありました。

 アンケートの結果を見ていると,子供たちは,コンピュータの授業にとても興味・関心を抱いていることがうかがえます。それに対して,教員の側は,「コンピュータの授業を行うことによって教科の授業が遅れてしまう。」「コンピュータの操作方法がよく分からない。難しい。」との理由で,やや消極的になっていることがうかがえます。
 
 コンピュータの操作については,徐々に経験を重ね,時間がたてば解決していく問題かもしれませんが,「授業の遅れ」の方は,深刻な問題です。本当は,各教科の授業の中で,コンピュータを活用する場面を見つけだしていく(あるいは創り出していく)ことが理想なのですが,現実はそうもいきません。すぐに教科の授業で使えるソフトはなかなかありませんし,あったとしても,それを効果的に活用していくには十分な授業研究が必要だからです。

 この問題はまだまだ時間がかかりそうです。





  小学校でのコンピュータ活用2
 11月29日。今日は,私が所属しているコンピュータ教育の研究会の小委員会があり,研究集録の原稿の検討を行いました。

 私の分担は,「コンピュータ導入時の指導について」です。分かりやすく言えば,初めてコンピュータを使う子供たちに対して,まず最初に何から教えていけばよいかということです。

 原稿の内容は,9月から私が行ってきた,お絵かきソフトを使って一枚の絵を作成する作業を通して,コンピュータの起動・終了,マウスの使い方やファイルの保存・呼び出し,印刷などの一連の操作を徐々に学ばせてきたことを原稿としてまとめ,提出しました。

 市内のコンピュータ担当教員が集まる会ですから,原稿の検討も一段落すると,話題はやはり,コンピュータ教育はどうあるべきか,ということになってきます。

 こういう内容について考えるとき,我々教員と,保護者の方々を初めとする世間一般の人々との間には,きっと考え方にズレがあるのではないでしょうか。

 現在のところ,コンピュータの学習は,国語や算数のような一つの教科として位置づけされていません。ですから,私たち教員は,コンピュータそのものを教えるのでなく,各教科の学習の中でコンピュータをどう活用していけばよいか,という点を常に考えていかなければなりません。
 そのことが,私たちの視野を狭くしてしまうことがあるのではないでしょうか。

 つまり,高度情報化社会を生き抜く子どもを育てるために,コンピュータを学ばせるんだという,最も大切な目的を忘れてしまって,ともするとコンピュータを使って効率良く授業を行おうという考えにばかりに関心が向いてしまうこともあるということです。

 もちろん,コンピュータを活用して,授業の効率が上がることは良いことではありますが(小学生ですから,コンピュータを使える場面でも,あえて手作業でやらせて体感・体得させることも当然必要です。),それが最終目的になってしまってはいけませんよね。

 今後加速度的に学校教育の中でコンピュータを活用する場面が増えてくることが予想されますが,このことは,私たちが常に肝に銘じておかなければならないことだと思います。





  子供が使うワープロ
 12月6日。12月に入ると,6年生の先生方はそろそろ卒業の準備に取りかかります。毎年6年生は,小学校生活の思い出として卒業文集を作成していますが,今年はぜひ,ワープロでやりたいということで,6年生の先生方と一緒に,どのワープロを使うか検討しました。

 私の学校に導入されているソフトのうち,ワープロ機能のある教育ソフトは,アスキーの「メディアルーム」の「さくぶん」とスズキ教育ソフトの「cubeワード」の2つです。

 「メディアルーム」の「さくぶん」

 使いやすさは一番です。縦書き横書きどちらにも対応していますし,原稿用紙のようにマス目があって見やすいので,小学生にとっては,たいへん使いやすいソフトだと思います。

 ところが,文字数と行数が20文字×20行に固定されていて,卒業文集の書式には合いません。
 それに,ソフトウェアキーボード(画面に表示される50音の表から文字を選んでクリックすると文字が入力できる)という便利な機能があるのですが,私の学校のパソコン上ではその機能が働きません。他校の先生から伺った話ですが,WIN3.1 対応版では使えたそうなのですが,WIN95版では使えないそうです。確かにマニュアルからもソフトウェアキーボードに関する項目が削除されていますが,なぜか画面には表示されているのです。画面に表示されるのに使えないなんて,おかしいと思います。

 ソフトウェアキーボードを一つの売り物にしていた小学生向けのソフトなのに,それが使えないなんて不満です。

 ということで,メディアルームの作文は,卒業文集に使うワープロとしては失格です。 

「cubeワード」

 スズキ教育ソフトのcubeワードはDOS版のころから定評があります。
 操作方法は,子供の使いやすさを重視したシンプルなもので,好感が持てます。画面もグリッド表示ができるので,使いやすそうです。さらにお絵かきソフトの「cubeペイント」で作成したカットを,子供でも簡単に貼り付けることができます。

 ところが,印字される文字が小さい(9ポイントぐらい)のです。初期設定で変更することもできません。小学生向けワープロのフォントのサイズが9ポイントでは困ります。それに罫線枠の中では,拡大文字が入力できないのです。それから,縦書き印刷はできますが,縦書き表示ができません。

 文字サイズのことについては,スズキ教育ソフトの人に伺ったところ,バージョンアップ版ではきちんと改善されているそうです。バージョンアップ(無償)をさぼっていた私が悪いのです。

 ということで,私のミスもありますが,cubeワードも候補からはずれてしまいました。 

 教育ソフトはどちらも使えないということで,結局,私たちが選んだのはジャストシステムの「一太郎」です。

 機能的には問題ないし,何よりも私たちが使い慣れています。cubeワードの話をしていたときは表情が曇っていたK先生も,一太郎に決まったことで安心したようです。

 さすがに,一般社会で鍛えられたソフトは違うなあ,というのが実感です。そして,教育ソフトのメーカーさんには,もう少し洗練されたものを,ぜひ作ってほしいと思いました。






  キーボードのおけいこ
 12月13日。子供向けの教育ソフトには,小学生でも簡単に操作できるマウス操作を主体としたものが多いです。

 それはそれで,とても良いことだと思うのですが,今後子供たちがワープロや表計算ソフトを扱うようになることを考えると,やはりキーボード操作はどうしても身につけておかなければならない技能だと思います。

 これまで,私のクラスの子供たちは,マウス操作を主体とした3つのソフト「わくわくランド」と「キッドピクス」と「メディアルーム」を,計12時間ほど使ってきました。その12 時間のうち4時間程度は日本語入力の練習を行いました。それから,他にゲームの「Hover」を1時間行いました。

 子供たちの様子を見ていると,やはり日本語入力などのキーボード操作が,大きな試練というか,大きな難関となっているようです。

 今のところ,子供たちは,コンピュータの学習に対してはとても興味を持って熱心に取り組んでいます。少々難しいことでも投げ出さずにがんばります。ですから,今の時期を逃さずに,子供の興味を持続させながら,キーボードの練習に取り組ませたいと思います。

 今回の授業では,使用したソフトはプリインストールされている「MAGICFLIGHT 」というソフトです。

 このソフトは,魔法使いのおばあさんが,魔法のほうきに乗って9つの島を順々に渡り,最後に宝の島にたどり着けばゴール,というゲームです。画面に次々と表示される文字をすばやく入力すれば,ほうきに乗ったおばあさんは空高く上がりますが,入力にもたつくとだんだん下がってしまい,やがては海に墜落してしまいます。また1つの島にたどり着くごとに入力する文字がだんだん難しくなっていきます。

 もともとは,ブラインドタッチの練習用に作られたソフトで,画面にはキーボードの図と手のシルエットが表示されていて,どの指で打つのかも指示されるのですが,今回はそこまではやりませんでした。

 最初,私が操作しているのを見て,子供たちは,難しそうと悲鳴を上げていましたが,実際にやってみると,ゲーム感覚でできる楽しさから,すぐに夢中になって取り組み始めました。宝の島までたどり着けた子供はいなかったものの,4番目の島ぐらいまでには,半分以上の子が到達できたようです。やはり子供たちは,こういう反射神経を使うゲームは得意です。大人にはない抜群の集中力があるのでしょう。

 ちなみに,ブラインドタッチができない私は,7番目の島にたどり着いたところで墜落してしまいました。

 子供たちが大人になる頃には,もしかしたらキーボードに代わる画期的な入力装置が開発されているかも知れませんが,まだあと数年は,やはりキーボードが主役ではないか,と思っています。





  コンピュータ導入後の3ヶ月を振り返って
 12月16日。コンピュータ教育を進める上で,私たち教員にとって今一番難しいことは,初心者であろうが,興味がない人であろうが,授業中はとにかく一人でなんとかしなければならない,ということだと思います。

 子供が操作にとまどっていたら,正しい操作方法を教えてあげなければならないし,授業中に起こったトラブルは,他の人に助けてもらうわけにはいきません。基本的には自分一人で解決しなければならないのです。

 実力がともなっているかどうかは別として,私たちは,教育についてのプロではあるけれど,コンピュータについては,全くの素人集団です。お手本となるような優れた実践も数多くあり,それらの情報を手に入れることはそれほど難しいことではありませんが,それらの実践は,他の機種であったり,他のOSであったり,特定のソフトの機能に依存したものであったりして,WIN95の基本操作にすらとまどっている私たちにとって,すぐに役立つものではありません。

 ですから,私たちの学校を含めて多くの学校で今,手探りの状態で試行錯誤を繰り返しながら,コンピュータ教育を進めているというのが実状だと思います。

 ですが,私たちは,もはやコンピュータから逃げ出すわけには行きません。

 高度情報化社会といわれる今の時代,そして,子供たちが生きていくこれからの時代を考えると,私たち教員が,コンピュータについてある程度の専門的な知識や技能を身につけておくことは絶対に必要なことなのですから。



  コンピュータ導入後の3ヶ月を振り返って(その2)
 12月17日。コンピュータの導入は,学校現場にとっては,これまでにない全く新しい試みであり,私たちがこれまで行ってきた授業のあり方,教育のあり方を大きく変える可能性をもった出来事です。

 それゆえに,これまで積み上げてきたスタイルが,変わってしまうことに対する不安,変えてしまうことへの抵抗を感じている先生も少なくないようです。

 その一方で,未知の世界にとまどいを感じながらも,日々熱心に勉強し,挑戦している先生方もたくさんいます。

 私の学校では,コンピュータが導入されたことをきっかけに,新たにパソコンを購入した先生が5名います。以前からWINDOWSパソコンを使っている先生とあわせて8名になりました。この冬あたりの購入を検討している先生も4名ほどおり,私の学校の先生方の間では密かなパソコンブーム起こっているようです。(今のところ,まだDOS環境の先生が6名,ワープロ専用機の先生が8名ほどいますが。)

 今日の高度情報化社会,あるいは情報革命と呼ばれるこの時代は,子供の教育にとっても,私たち教員にとっても,本当に大きな変革をもたらしているのだなあ,と実感します。






  コンピュータで授業
 1月13日。来週5年生の先生が,コンピュータで理科の校内研究授業を行います。コンピュータの研究授業は初めてなので,少しお手伝いをしています。

 2学期はコンピュータの基本操作の学習を進めてきましたが,3学期からは,いよいよ”コンピュータの学習”ではなくて,”コンピュータで学習”を始めます。実はこの,”コンピュータの”と”コンピュータで”の違いは,ものすごく大きな違いで,ずいぶん頭を悩ましているところです。

 この文章を読んでいる教員以外の方で,コンピュータを使って授業をやるということについて,具体的なイメージがわく方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

 25歳以上の方で,小・中学校でコンピュータを触った経験のある方は,おそらくほとんどいないと思います。25歳未満の方なら,中学校で技術家庭科の時間に,コンピュータの仕組みとか,簡単なBASICのプログラムを学習した経験があるでしょうが,おそらく小学校ではコンピュータを触った経験はないのではないでしょうか。

 それは,実は私たちも同じで,だれもが過去の経験がほとんどないわけですから,なかなか具体的なイメージとかアイディアが沸いてこないのです。

 私は以前,コンピュータで授業というのは,コンピュータの指示に従って,子供たちが作業をしたり,問題を解いたりするような授業だと想像していました。

 もちろんそういうやり方もあるし,現実にそういうソフトもあるのだけれど,最近の考え方としては,コンピュータが教師の代わりに授業をやるのではなくて,コンピュータを道具として使って授業をやっていくようなやり方が主流のようです。

 つまり,コンピュータが人間をコントロールするのではなく,あくまで人間が主役で,人間がコンピュータをコントロールしなければならないということです。このことは一般社会では,しばしば現代社会の問題点として指摘されていることですが,学校教育でも同じだということです。

 ちょうど,私たちが普段一太郎でレポートを書いたり,エクセルでアンケート結果を集計したりするように,子供たちの日常生活(=教科の授業)の中で,コンピュータを便利な道具として活用できようなアイディアが,どこかにないかなと考えています。





 初めての研究授業(1月26日)
 先週は,T先生によって,コンピュータ導入以来初めての研究授業が行われました。

 2学期はコンピュータの基本操作を習得させることが目的でしたから,わりと気楽に取り組めたのですが,3学期からは教科の学習の中でコンピュータを活用するということで,T先生もかなり頭を悩ましていました。

 コンピュータを使った授業というと,電子辞典や図鑑を使って調べ学習をしたり,表計算ソフトを使って実験や観察の結果を分析したり,プレゼンテーションソフトを使って発表会を行ったりと,いろいろなやり方があるのですが,私たちの学校では,まだやっと「キッドピクス」でお絵かきができる程度のレベルですからあまり高度なことはできません。

 そこでT先生と相談して,今回は,どの先生でもすぐに活用できるソフトを使った授業を行い,参考にしていただこうということで,私たちの学校に導入されたソフトの中の,「スタディタイム」という学習指導用ソフトを使うことにして,準備を進めてきました。

 このソフトは,検索したり,分析したり,表現したりするためのソフトではなく,日頃の学習で学んだことを復習し基礎学力を定着させるためのドリル学習型ソフトなので,他の先生方に参観していただく授業に使うにはちょっと物足りないのですが,その分とっつきやすく,誰でもすぐに使いこなすことができます。

 教科は理科で,はじめに実験をして,一般的な法則を導き出し,その後,その法則を使って「スタディタイム」の練習問題を解くという展開でした。コンピュータ室に実験器具を持ち込んで実験するということで,時間的にも場所的にも多少無理もありましたが,子供たちは,実験したりコンピュータをやったりといろいろ活動できて,楽しそうに取り組んでいました。

 まだまだ,本当に初歩的な使い方で,まだまだこれから研究していかなければならないのですが,「スタディタイム」の使い方の一例として他の先生方の参考になるものとなりました。




 ワープロのおけいこ(2月20日)
 毎年思うことですが,時の流れは速いものです。
 あと1ヶ月で1年が終わります。
 かわいいかわいい,とってもかわいいクラスの子供たちとも,もうすぐお別れです。
 ちょっとしんみりしてしまいます。


 コンピュータの方は,9月の導入以来行なってきた基本操作の学習の締めくくりということで,いよいよワープロの練習を始めました。

 ワープロ(日本語入力)機能は,私たちが普段最もよく使っているコンピュータの機能であり,子供たちが今後,今まで以上にコンピュータを便利な道具として活用していくために,ぜひとも身につけさせたい技術の一つです。日本語入力ができるかどうかで,パソコンの活用範囲がずいぶん異なってきます。

 今回は,国語の授業で作成した「詩」をワープロで入力し,そこにお絵かきソフトで作成したカットを挿入して,印刷しようと考えています。

 使用するソフトは「ハイパーキューブ」という子供向け多機能ソフトで,ワープロ,お絵かき(ペイント),表計算,データベースの4つのプログラムを備えています。子供でも比較的使いやすいということと,データの連係がやりやすいということから選びました。文字のサイズは,少し大きめにして15ポイントとしました。

 キーボードを操作し,漢字を扱う日本語入力は10歳前後の子供たちにとっては,かなりの困難をともなう技術です。子供にとっては(オトナにとっても)複雑な操作がいくつかあるので,私たちもソフトの使い方をしっかり覚えておかねばなりません。

 昨日の授業後,同じ4年生の先生と一緒に「ハイパーキューブ」の使い方について練習しておきました。
 「今度のは,ややこしくてかなわん。」
 「子供ならすぐ覚えるかも知れないが,歳をとってしまうとなかなか覚えられんなあ。」
 そんなため息混じりの声も聞こえてきましたが,どうにかこうにか,全員一通りの操作方法は覚えることができたようです。



 第一回目の今日の授業では,基本操作の練習を行うことにしました。

 今日の学習内容は2つです。これまでに練習した漢字変換の復習と,ペイントで作成した絵をワープロの文章中に貼りつける練習です。日本語入力の練習としては,これまでに,「キッドピクス」で描いた絵の中に氏名を入力したり,「メディアルーム」のお絵かき機能で作成した絵の中に30字前後の簡単な文章を入力したりした経験があります。それからキーボード練習ソフト「マジックフライト」でタイピング練習を2時間ほど行っています。

 さて,実際に授業を行ってみると,ペイントで作成した絵をコピーして,ワープロの文書中に貼りつける操作では,ややとまどいが見られましたが,日本語入力については,これまで多少経験していたので,思ったよりうまくいったようです。フォントの書体やサイズを変更したり,罫線で文字を囲ったりする操作も,上手にやっていました。

 先生方には,2度も3度も繰り返し説明したのですが,子供たちにはたった1度しか説明していません。それなにの大した混乱もなくやってのけるとは,さすがです。大したものです。

 次の時間はいよいよ本番です。

 子供たちは,自分が作った詩が,活字になってきれいに印刷されるということで,とても楽しみにしています。 




 ワープロのおけいこ−その2−(3月1日)
 先週に続いてワープロのおけいこをしています。
 自分で書いた詩をワープロで入力し,そこにお絵かきソフトで作成したカット絵を挿入して印刷するというものです。

 今日はいよいよ本番です。

 子供たちの書いた詩は縦書きなのですが,始めるに当たって問題点が1つあります。

 今回使用しているスズキ教育ソフトの「キューブワード」は,画面上は横書きですが,印刷時に縦書き印刷を指定できます。ところが,挿入したカット絵は,それに連動して90度回転してくれないのです。ですから,そのまま印刷すると文章は縦だけど,絵は横に寝てしまっているという無様な作品になってしまいます。

 そこで,お絵かきソフト(キューブペイント)で作成した絵をあらかじめ90度回転させておかなければなりません。(「キューブワード」の画面上では回転させることはできません。)

 この作業は,子供たちには意外と難しかったようです。横長に描いた絵を90度回転させると,上下が画面からはみ出して切れてしまったり,回転を確定するためには,これまで使ったことがないマウスの右ボタンを使用しなければならなかったからです。

 練習では順調にできていたので,それほど心配はしていなかったのですが,実際に授業を始めると,「絵の回転」の他にも次から次へと問題が起こり,常に3〜4人の子供からの呼び出しを受けている状態で休む間もありませんでした。

・「キューブワード」と「キューブペイント」との間でのデータのやりとりをしている間に,文章や絵がどこかに消えてしまい,もう一度最初からやり直しになってしまった子。

・カット絵を作成した後,詩を入力してあるワープロのウィンドウに戻ることができず,次々と新規作成のウィンドウを開いてしまい,その都度最初から入力し直していた子。

・印字した文章中の文字が,何故か2文字だけ反転してしまった子。(原因不明)

・失敗したときに備え,途中で文書を保存しておいたはずなのに,やり直そうと思って読み込んだ文書が,何故か真っ白(白紙)だった子。

・範囲指定を解除する際に,「取り消し」ボタンではなく「削除」ボタンを選択してしまい,画面上のデータが,きれいさっぱりなくなってしまった子。

 こういう失敗を繰り返しながら,だんだん覚えていくのだなあ,と思いながらも,ついつい口調がきつくなってしまったことを反省しているfukufukuです。

 それから,今回からファイルの保存は,FDではなくサーバーに保存することにしたので,サーバーの個人用フォルダを見せて,自分の作品がサーバーに保存されていることを実感させました。データをサーバーに保存できるということを,先生方にはなかなか納得していただけないようですが,子供たちは,こちらが拍子抜けするほどあっさり受け入れてくれました。

 結局,今日は2時間費やして全員の作品が完成しました。

 まだ経験が少ない私の学校の子供たちには,少々難しい作業だったようで,いろいろトラブルはありましたが,苦労の末,作品が出来上がった子供たちのうれしそうな声を聞いていると,「やっぱりやってみてよかった!」と思いました。




 ホームページを丸ごとコピーするソフト(3月3日)
 最近,学校の授業で活用できるホームページが増えてきました。
 特に社会では各地の自然や産業,理科では動植物や気象・天体などの情報などが数多くあります。中には学校で活用されることを前提に,二次利用の許可を明記しているところもあります。また,そういうHPばかりを集めたリンク集もいくつか見つけました。

 これまで,授業で実際に見学したり観察したりできないことについては,教科書や図書館の資料などで調べることが多かったのですが,インターネット上の情報を活用すれば,最新の情報をより具体的な形で得ることができます。また,必要があればメールを使って質問などをすることもできます。

 私の学校では,まだインターネットは導入されていませんが,ぜひ積極的に活用したいところです。

 そこで,”WebWhacker2”というソフトを購入してみました。

 ホームページを丸ごとコピーするソフトです。元々は通信費節約のために作られたソフトのようです。

 エクスポート機能を使えば,リンク関係を維持したままハードディスクの任意のフォルダにインストールできます。また,どの階層までダウンロードするか,リンクされている外部のサイトもダウンロードするかなども設定できます。

 ですから,私の学校のようにネットワーク(LAN)環境が整っているなら,サーバーに入れておけば,インターネットに接続しているのと同じ状態で,児童用パソコン(クライアント)のブラウザから見ることができます。

 実際の使用感も満足のいくものでした。ダウンロードなどの処理に時間はかかりますが,”本物のHP”を忠実に再現してくれました。

 このソフト,これからの活躍が大いに期待できます。




 児童管理機能は必要か(3月5日)
 NECの教育用ネットワークシステムPC−SEMIは,画像転送(注1)という優れた機能を持つシステムですが,強力な児童管理機能を持つシステムでもあります。この機能を使うと,子供たちは先生の思いのまま,ちょっとしたいたずらさえもできなくなります。

 さて,その児童管理機能ですが,3つの機能があります。

1 強制画像転送
 子供のパソコンの画面を,教師が見せたい画面に切り替えることができる機能です。何か作業をやっている最中でも強制的に別の画面に切り替えられてしまうので,子供は作業をストップさせるしかありません。

2 マウス・キーロック機能
 児童のマウスやキー操作をロックする機能です。一切の入力ができなくなります。手遊びをしたり,教師の説明を聞かずに操作したりするのを防ぐことができます。

3 オートスキャン機能
 児童用パソコンの画面を,教卓にあるモニタに表示する機能です。二十台のパソコンの画面を数秒ごとに巡回して表示するので,こっそり隠れてゲームで遊んでいる子供を即座に発見することができます。


 もちろん,本当は子供の活動を助ける使い方が,本来の使用法です。
 強制画像転送機能は,ソフトの使い方などを教えたいときに,教師が行う操作を子供の目の前のディスプレイ上に表示することができるので,わかりやすく説明できます。この機能は私もよく使っています。
 マウス・キーロック機能は,いったんパソコンの操作を中断して,別の作業をしているときに,誤ってキーを押してしまうことを未然に防ぐことができます。
 オートスキャン機能は,間違った操作をしている子供を発見し,その操作内容を正確に知ることができるので,適切なアドバイスを与えることができます。

 これらの機能が本当に必要なのでしょうか。

 私には,マイナス面の方が大きいように思えます。
 ちょっとしたことで,むやみやたらにマウス・キー操作ロック機能を使うなど,安易な使い方をすると,子供は管理されているような気持ちになり,不快な思いをするでしょう。パソコン嫌いになってしまうかもしれません。

 ですから,画像転送以外の機能は,今のところ先生方には紹介していません。

 機械で子供を管理するというのは便利だし,効果抜群だけど,どこか間違っていると思います。


注1)通常のネットワークのようなファイル転送ではありません。画面の画像をそのままスクリーン(ビデオプロジェクタ)や他のパソコンの画面上に表示できるのです 



 教育ソフトウェアの現状−その1−(3月7日)
 コンピュータ室に新しいソフトが導入されました。
 ベネッセコーポレーションの「マルチブック」です。発売が予定(昨年11月発売予定)より遅れていたのですが,先日ようやく発売されたということで,業者の方がインストールに来ました。

 このソフトは,各教科のカリキュラムに対応した学習指導用ソフトなので,すぐに明日からの授業に活用できそうということで,とても期待して待っていました。

 これまで,導入されている学習指導用ソフトとしては,「スーパーCAI」,「ハイパーキューブ」などがあるのですが,「スーパーCAI」は,授業形式でプログラムが進み,先生の代わりにコンピュータが授業をやってしまうようなソフトだし,「ハイパーキューブ」は,ワープロ・表計算・お絵かき・データベースの機能を持ついわゆる統合ソフトなので,そのまますぐに使えるというわけではなく,授業で活用するには教師の工夫・想像力が必要です。

 その点,このマルチブックは,教科のカリキュラムに対応しているし,教室で行う普段の授業が主役で,コンピュータはあくまでそれを補佐する道具にしかすぎないという姿勢がはっきりしています。この点はさすが,学習指導用ソフトの老舗(旧福武書店)だけあって大変好感が持てます。

 さて,試しに少しだけ使ってみた感想ですが,ちょっと期待はずれでした。

 まず,とにかく遅いです。CD−ROMなので仕方がないと言ってしまえばそれまでなのですが,それにしても反応が遅いです。
 それから,ユーザーインターフェースが分かりにくいです。どのボタンがどんな機能を持つか,直感的に見当をつけることができません。私はプログラムを開始する方法や終了する方法が分からなかったのでマニュアルで調べました。これでは子供が使うソフトとしては不十分と言わざるを得ません。一応子供向けのミニマニュアルが付いているのですが,マニュアルを見なければ,開始も終了もできないというのでは困ります。
 最後に,これが最も大きな問題かもしれませんが,普段教室で紙とか鉛筆とかを使ってやっている作業を,あえてこのソフトで行う必要性があまり感じられませんでした。このソフトでなければならないという説得力が乏しいです。たとえば4年生理科の生き物の観察結果をノートがわりに記録するプログラムでは,わざわざこのソフトを使わなくても,普通のノートに記入すれば十分だと思えてきます。このプログラムで実行される観察結果の集約・分析処理は,コンピュータを使わなくてもできる程度のことなのです。

 そういうことで,もう少しいろいろな面で洗練されてほしいです。

 試しに少しだけ使ってみた感想でした。




 教育用ソフトウェアの現状−その2−(3月8日)
 私は,昨年9月に導入されたコンピュータ及びソフトウェアについて,不満やら要望やら思ったことを,うだうだと書いているわけですが,それは贅沢な悩みというもので,教育現場では,実はまだまだ286パソコンでFDベースのMS-DOSソフトを使っている学校も数多く存在します。

 たとえば,私が勤務している地区の中学校は,7年前に導入されたため,当然のことながらMS-DOSパソコンです。今春,私たちの小学校を卒業し地元の中学校に入学する子供たちは,マウス操作中心でグラフィカルなWINDOWS環境から,キーボード操作中心で暗黒な画面に白文字のMS-DOS環境へと,一気に奈落の底へと突き落とされるわけです。

 噂によると,一度導入されたら10年は買い換えないということらしいので,今世紀中は今のままのMS-DOS環境かも知れません。

 そういうことで,教育現場では,まだまだ数多くのMS-DOSソフトが現役として活躍しています。コンピュータ教育を実践されている先生方のHPを見ていても,内容が充実しているのはMS-DOSソフトを使った実践ばかりです。

 今日3月8日発売の,学研「教育とコンピュータ」の付録のCD−ROMに収録されている「厳選50本」の教育用ソフトも,そんな実状を反映してWINDOWS対応ソフトとMS-DOS対応ソフトがほぼ半数ずつです。


 一方,WINDOWSソフトは,色々な不具合が起こっており,まだまだ発展途上という感じです。

 私の学校に導入されているソフトでは,

スタディタイム・・・WINDOWS版は動作が安定しないため,私の学校に導入されているのはMS-DOS版!です。
ハイパーキューブ・・・昨秋のバージョンアップで初期設定のメニュー等が改善され,ずいぶん使いやすくなりましたが,縦書き表示ができない等の問題点が残っています。
メディアルーム・・・3.1版で正常に動いていたソフトウェアキーボードが,WIN95上では動かず,マニュアルから削除されています。(プログラムは削除されていないため,画面には表示される!)
キッドピクス・・・256色パレットを使用しないと正常に動作しません。


 これらのソフトは,教育用ソフトウェアとしては定番,というかメジャーなものばかりです。

 それなのに,開発の速度や不具合の修正が,一般向けソフトに比べるとずいぶん遅いような気がします。
 学校向けのソフトウェアは,市場が限られているため儲からないのでしょうか。




 実り多きこの半年(3月17日)
 空き時間に,先日導入されたソフトの整理をやろうと思い,コンピュータ室に行きました。ちょうど3年生のC先生のクラスの授業でしたが,「ちょっと授業見させて下さい。」などと言いながら,返事も聞かずにズカズカと入っていきました。

 他の先生が授業をやっている教室に突然入っていくような失礼なことは,普通はもちろんやらないのだけれど,今年はこういうこと何回もやってしまいました。

 まあ行ったら行ったで,ちょうど良かったとばかりに,機器やソフトの操作法を聞かれたり,授業のお手伝いなどをしたりしていたので,そんなに嫌がられてはいなかったのじゃないかと思っています。(私が鈍いだけかも!)他にも,トラブルが起こって呼び出されて,そのまま拝見させていただいたり,担任の先生と一緒に授業をやったりして,この半年の間に,私のクラスを除いた18クラスのうち,ちょうど半分の9クラスの授業を覗き見させていただきました。

 今日のC先生のクラスでは,ちょうど先日私のクラスでやったのと同じように,ワープロで文章を入力して,そこにペイントで作成した絵を挿入して作品を制作する作業を行っていました。今日はその最終日らしく,ほとんどの子が入力を終え,印刷をしているところでした。

 私が受け持っている4年生でもこれだけの作業をやるのはかなり大変でしたが,このクラスは3年生です。9歳の子供がワープロで文書を作成し,コピー&ペーストで絵を挿入する作業を行ったのですから驚きです。C先生の指導力に脱帽しました。

 この半年間,色々授業を拝見させていただいて感じたことは,先生方の子供たちへの話し方が,だんだん自信を持った言い方に変わってきていることです。私へのトラブルの連絡も少なくなってきています。ケースバイケースでそれなりに対処できるようになってきたのでしょう。

 故障だと思ったら操作ミスだったり,操作ミスだと思ったら故障やエラーだったりと,そんなことの繰り返しだった半年前が嘘のようです。

 先生方にとっても,子供たちにとっても,実りの多い半年だったかな。




 コンピュータの授業は楽しかったか(3月21日)
  いよいよ本年度もあと1日。24日の修了式を残すのみとなりました。
 今日は,子供たち(36人)に,この半年間のコンピュータの授業の感想を書いてもらいました。

 子供たちは,コンピュータの授業をとても楽しんでくれたようです。

 主なコメントは以下の通りです。

楽しかったこと,良かったこと
・面白い模様やきれいな色を使って絵を描いたり,
 きれいな文字で文章を書いたりしたこと。29人
・自分が作ったものがきれいに印刷できたこと。5人
    (キッドピクス,メディアルーム,ハイパーキューブ)

・いろいろ遊べて楽しかった。
・ゲームができて楽しかった。20人
    (マインスイーパ,ソリティア,HOVER)

・ゲームのような勉強だったので楽しかった。14人
・教室でやる授業より説明がわかりやすかった。9人
    (スーパーCAIのシミュレーションや図解,マジックフライト)

困ったこと,難しかったこと
・キーボードの文字を探すのが難しかった。11人
    (日本語入力)
・変な画面(エラー)が出たこと。10人
・間違えて違うボタンを押して,変な画面がでたとき。10人
・先生の話をよく聞いていなくてよく分からなかったとき。7人
・文章(詩)の横に絵を貼り付けるのが難しかった。4人


 子供たちの多くは,手書きでやるよりもきれいに絵が描けるとか,上手に字が書けるとか,コンピュータの方が見栄えよく美しい作品が作れるところに,コンピュータのすばらしさを見いだしたようです。また,ゲーム形式で楽しみながら学習できるのもコンピュータの大きな魅力と感じたようです。それから,コンピュータの楽しみとして,ゲームを挙げた子が多いのは当然ですね。

 困ったことでは,キーボード操作(特に日本語入力)が最も多く,やはり苦労したようです。エラーが頻繁に起こったのにも,ずいぶんとまどったようです。(最近では子供たちも慣れてしまったようですが。)

 コンピュータの授業を始めた1年目の感想は以上です。 

 本年度は,楽しみながらコンピュータに親しませることに重点を置いてきましたが,来年度は,もう少し難しい内容にもチャレンジさせるつもりです。来年度も子供たちが楽しく学習できるようコンピュータの活用法を工夫していきたいです。




 パッケージなんていらない(3月26日)
 春休み2日目。
 今日は,コンピュータ室の戸棚の整理を行いました。
 先日導入されたベネッセの学習指導用ソフト「マルチブック」の整理・収納を行わなければならないのです。

 何しろ,6学年×コンピュータ21台分で,126セットものパッケージがあるのです。パッケージの中には,CD-ROM1枚とマニュアル1冊,ミニマニュアル1枚が入っています。それらを全部取り出さなくてはなりません。

 一部の作業は,数日前に学級の子供たちに手伝ってもらいましたが,今日は一人です。

 全部取り出し終えると,室内はパッケージとCD-ROMとマニュアルが散乱した状態になりました。

 次は,それらを戸棚に収納する作業です。それほど大きくもない戸棚に新たに126ものCD-ROMを収納しなければならないので,一度戸棚の中の物を全部出し,もう一度整理しながら収納しました。マニュアルは,126冊も入りきらないので,1学年5冊だけ残し,あとは段ボールに入れておきました。

 2時間で作業を終えました。

 心配していたユーザー登録カードの方は,簡単だったので助かりました。126セット分を一括して,一枚のカードを送るだけでよいのです。ありがたいです。CD-ROM1枚ごとにパッケージされていたので,てっきり登録カードも126枚あると思っていましたから。

 でも,そういうシステムになっているなら,一般販売用の市販ソフトのように一つ一つパッケージする必要はないと思いました。「マルチブック」は学校向けに販売しているソフトです。どの学校も10本,20本単位で導入するはずです。

 126本ものパッケージを一つ一つ開けて,取り出し,分類整理する作業って,結構大変なのですよ。ベネッセさん!






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