話題で選ぶ運営日誌

「機器・ソフトの活用法と授業」の巻 その3



 試行錯誤型(9月8日)

 2学期になって初めてのコンピュータの授業を行いました。

 半分はお遊び,半分は勉強です。

 授業の前半は,MS「NetMeeting」のチャット機能で遊ばせました。

 子どもたちが「NetMeeting」を触るのは確かこれで2度目です。前回は大好評でした。他のネットワーク機能,例えばビデオの映像や画面の画像を転送してもさほど驚きもしないのに,チャットにはとても興味を示します。

 わざわざチャットなどしなくても,少し大きな声で話しかければ相手に届いてしまうような狭いコンピュータ室の中とはいえ,パソコン越しに言葉のやりとりができることが本当に楽しいようです。


 ところで,コンピュータ室での私はかなり冷たいです。ソフトや機器を操作させる際,最初の一回目はかなり念入りに教えますが,一度教えたことは,よほどのことがない限り,繰り返しては教えません。

 今日も授業の初めに「NetMeetingでお話ししなさい」とだけ言って様子を見ていました。

 「NetMeeting」を使うのは2ヶ月ぶりなので,やり方を忘れてしまった子も多く,チャットが始まるまでにかなり難航していました。どうしてもできなくて私に助けを求めた子にだけ教えてやるようにしていたのですが,結局全員がチャット状態になるまでに20分もかかってしまいました。


 自分が試行錯誤型の人間なので,間違いがないように何度も繰り返して教えるのではなく,子どもたちにもなるべく試行錯誤をさせながら覚えさせるようにしているのですが,教育効果を上げるためには,果たしてどちらがよいのでしょうか。



 授業の後半は,先日WIN版にバージョンアップされた学習指導用ソフト「ス○○○○○ム」の教材「Super×××」で,算数「図形の合同」の復習を行わせました。

 計算問題ならコンピュータを使わせるより,むしろ紙と鉛筆の方がよい場合が多いと思うのですが,図形の学習ではコンピュータを使うと視覚的に分かりやすく表現でき,本当に便利です。

 ところで,子どもたちがこのプログラムを使っているときに重大なミスが発覚しました。練習の問題の答えが違っていたのです。正しい答えを選択すると”不正解”になり,間違った答えを選択すると”正解”が表示されてしまいます。

 プログラム上のバグは仕方がないにしても,この種のミスは学習指導プログラムではあってはならぬことだと思うのですが。




 コンピュータを使う意味(9月9日)

 月に一度のパソコン利用教育研究会が開かれました。

 今回は表現活動を重視した2つの実践例が紹介されました。

 一つは,2年生の理科の学習で,お絵かきソフト「キッドピクススタジオ」のスライドショー(紙芝居機能)を活用した例です。

 植物が成長する過程を定期的に観察し,それをお絵かきソフトで記録しておき,スライドショーを使って紙芝居仕立てにしたとのことです。

 この実践例をうかがって私が疑問に思ったことは,観察結果の記録をお絵かきソフトで行わせる必要があるかどうかということです。マウスを使って描いた絵より,鉛筆で記録したものの方が細部まで正確に記述できます。

 そこで,提案者の先生にそのあたりことをうかがってみました。その方のご返答は,記録の正確さを追求するなら,確かに紙と鉛筆を使って描かせたほうが良いが,プレゼンテーションを重視するならば,コンピュータを使ったほうが効果的ではないかということでした。

 うーん,確かにそうですが,そういう考え方もあるのかもしれませんが,コンピュータはあくまで”道具”です。理科の学習を効果的に行うための一つの道具としてコンピュータを使うのが本来の使い方であって,コンピュータを使うために理科を利用するというのは本末転倒ではないかと,私は思うのです。



 もう一つの例は,3年生の社会科授業で,子供たちが調べた結果をHP風(html形式)にまとめさせるというものです。

 この方も,子どもに使わせるHP作成ソフトに頭を悩ましているのではないかと思いました。

 私は,先日ご紹介いただいた「ネスケGold」を子どもたちに使わせてみようと考えているのですが,この方は,何とテキストエディタで行うとのことです。

 もちろん,子どもたちにタグを覚えさせて最初から全部というわけではなく,子どもたちが行うのはテキストの入力のみです。授業用のhtmlテンプレートをあらかじめ用意しておき,ソースの中の該当部分(タグで挟まれた部分)にテキストを入力させていくとのことです。

 意味不明の文字群(ソース)の中から,テキストを入力すべき場所を探しながら作業しなければならないので,子どもたちにとっては,慣れるまではかなり大変だろうと思います。

 わざわざテキストエディタを使うのには,この方なりのお考えもあるかと思いますが,機会があったら「ネスケGold」のことを紹介してみたいとも思います。




 利用状況(9月10日)

 今週になって,コンピュータ室の利用状況が好調です。

  9/ 8 …3クラス
  9/ 9 …3クラス
  9/10 …2クラス


 過去の記録を調べてみると,1学期は,行事が組まれた日を除いた70日間で,のべ40クラスしか使用していませんでした。1日あたり平均0.57クラスです。

 2学期は,わずか3日間ですでに8クラスです。明らかに増えていることが分かります。

 やはりこれは,先日(9/5)の校内研修会で2学期の授業計画を立てていただいたことが効いているのでしょうか。

 多くのクラスがコンピュータ室を利用するようになると,日々のメンテナンスもそれなりに大変になってきますが,やはりその方がやりがいがありますし,うれしいです。

 それから,当然のことながら,トラブルあるいは操作方法についての私への質問も多くなってきました。

・クライアントの画面がおかしい。
  →サーバーを立ちあげていませんでした。
・スキャンした画像が保存できない。
  →ファイル名を入力せずに保存しようとしていました。
・コピー&ペーストができない。
  →コピーする前に範囲指定をしていませんでした。
・スキャナが接続されてないとのメッセージが出る。
  →パソコンの電源よりもスキャナの電源を先に入れておかなければ認識しないようです。


 ところで,9/3の研修会(私は不在)で,講師のK先生から「コンピュータ室の環境がこれほど整っている学校は他にはない」との言葉があったとのことで,上司から誉められたと先日の日誌(9/4)に書きました。そのときは,外部の方に評価されたことでコロッと態度を変えてしまう上司の姿勢にあきれてしまった(暴言)のですが,その後他の先生方からもねぎらいの言葉をかけていただいたので感激しています。





 コンピュータで育てたいこと(9月18日)

 隣のクラスのM先生の授業のお手伝いをしました。M先生は本年度から私たちの学校に赴任された方でパソコン初心者です。

 これまでにも学習指導ソフト「SuperXXX」を使った授業のお手伝いを2回ほどしてきましたが,このソフトは昨年度から使っているので,子どもたちは使い慣れていますし,M先生自身も何とか操作できるようになってきたので,今後は「SuperXXX」を使った授業については,M先生に一人でやっていただくことにし,私がお手伝いする授業では,別のことに取り組ませようと思います。


 私は,コンピュータを使った授業を通して,教科の授業の学習効果を高めるだけでなく,子どもたちの表現力を伸ばすことにも力を入れたいと考えています。

 具体的には,文章,図表,写真,音声などを組み合わせて,自分の考えを効果的に表現できる子どもを育てたいと思っています。そしてそれを自分のクラスの子どもたちだけでなく,学年全体で取り組んでいきたいと考え,昨年度(4年生)から,他のクラスの先生方と相談したり,授業のお手伝いをしたりしてきました。

 5年生になり,私以外の担任が替わってしまったため,1学期は中断してしまいましたが,これからは,またそういう方向を目指していきたいと思います。

 そこで今日は,昨年度行った日本語入力の復習を行い,フォントの変更や文字修飾など文字に変化をつける方法を紹介し,練習させました。

 日本語入力は,このクラスの子どもたちにとっては久しぶりの経験だったのですが,それほどとまどいもなく,すんなり進めることができました。

 今の時点のレベルは,はっきり言ってM先生より子どもたちの方が上ですが,私は,M先生が授業後や空き時間にコンピュータ室でこっそり特訓していることを知っています。

 いずれ近いうちに逆転することでしょう。





 コンピュータ室利用状況その2(10月2日)

 2学期になってコンピュータ室がよく利用されています。

 10月2日現在,行事などが組まれた日を除いた授業日数17日間で,のべ43時間利用されています。1学期は授業日数70日間で40時間でしたから,1学期の4倍強のペースです。


 体験的な学習を重視する小学校において,むやみやたらにコンピュータを使わせる必要はないとは思っていますが,日々のメンテナンスを行っている私としては,コンピュータ室がよく利用されることはやはり大変うれしいことです。


 現在最も熱心に取り組んでいるのが6年生です。11月にT先生のクラスが研究授業を行うことになっているので,それに備えて学年全体で「ハイパーキューブ」の各機能(ワープロ,ペイント,表計算)の練習を行っています。

 6年生の先生方は,もともと授業でコンピュータを使うことについて否定的な考えの方が多かったのですが,最近は授業後にコンュータ室に集まって機器やソフトの使い方を相談しているようです。


 さて今日は私のクラスでも授業を行いました。

 学習指導用ソフト「スーパーCAI」を使って,理科「植物の成長」の復習をさせることが目的でしたが,「スーパーCAI」を始める前に,まずはいつものように「NetMeeting」のチャット機能を使ってお互いに挨拶をさせました。チャットによる挨拶は,このところ毎時間行わせています。

 以前は,アドレスの入力ミスなどが原因で,接続に失敗することが多く,全員が挨拶を終えるまでに20分もかかっていたのですが,最近は5分程度でできるようになりました。


 小学校の授業は1単位時間45分ですから,作業が早くできるということはとても大事なことです。

 コンピュータを操作する技能というのは,ただ単に機器やソフトの操作ができるかどうかだけでなく,限られた時間の中でどれだけ多くの作業を行うことができるかということも大きな意味を持つのだと最近実感しています。





 グラフ作成(9月25日)

 現在私は,パソコンクラブ担当としてクラブの子どもたちを相手に,学級担任としてクラスの子どもたちを相手に,コンピュータの授業を行っています。

 パソコンクラブの方は,これまで日誌に書いてきたようにホームページづくり(ただし校内LANでの公開ですが)という大きな課題に取り組ませているのですが,考えてみれば,クラスのコンピュータの授業は,2学期になってからは「SuperXXX」などの学習指導用ソフトウェアを使って授業の復習をさせていただけでした。

 学習指導ソフトはゲーム感覚で楽しくできるので,教室での授業よりも子どもたちは意欲的に取り組むのですが,用意されたプログラムに従って進めていくだけなので,私のクラスの子どもたちはそろそろ飽きてしまったようです。

 そこで,子どもたちが創造力を発揮できるような活動はないかと探していたら,11月の国語の学習でコンピュータを使った授業を行うのにちょうどぴったりの単元がありました。「興味がある事柄について調査し,その結果を図やグラフに表し,発表会を開く」という学習内容です。

 これからはそのための準備を進めていくことにし,今日はまずグラフの作り方を練習させました。

 無意味なデータを用いて,ただ練習させるだけではつまらないので,授業前に少し時間をとって,子どもたちにグラフにしたい内容を考えさせ,必要に応じてアンケートをとらせるなどして準備をさせました。

 さて,20分程度の短い準備時間でしたが,好きな果物や動物のアンケート結果,家族の人数調べの結果など,子どもたちはそれなりにデータを集めて,コンピュータ室にやってきました。

 今日使用したソフトは,スズキ教育ソフト「キューブカルク」という子ども向け表計算ソフトです。

 いつものように,まず私がやって見せてから,作業に取りかからせたのですが,1学期に理科の授業で気温の変化をグラフ化した経験があるので,それほど戸惑いはなかったようです。半角数字で数値データを入力しなければならないのを,間違えて全角で入力し,失敗してしまった子どもが1名(1組)いただけでした。

 「キューブカルク」は,折れ線グラフ,円グラフ,棒グラフ,帯グラフなど基本的なグラフは一通り作成できます。今回はどのグラフを使えばよいかを私が指示するのではなく,どのグラフを使うと最も的確に表現できるかを子どもたち自身に考えさせながら作らせました。

 所要時間は15分から25分程度でした。

 早く完成した子には,新しい試みとして,ネットワークコンピュータの使い方を教え,友達の作品を開かせてみました。わざわざ席を立ってのぞきにいかなくても,目の前のディスプレイから友達の作品を見ることができるので,子どもたちは大変興味を示していたようです。


 次回は,今日作成したグラフを紹介しあって,適切なグラフを選択できたかどうかを検討させたいと思います。





 グラフ作成その2

 先日作成したグラフの検討会を行いました。

 調べたことを図表やグラフに表して発表する学習を来月行うので,その練習として作らせたグラフです。

 棒グラフ,折れ線グラフ,円グラフなどのうち,どのグラフを使うと最も的確に表現できるかを,子どもたち自身に考えさせながら作成させたので,適切なグラフを選択できたかどうかをみんなで検討していきました。

 グラフ化する内容は自由に決めさせたのですが,子どもたちが選んだ内容は,どれも好きな果物や動物などについてのアンケート結果ばかりだったので,棒グラフを作るのが妥当でした。ところが半分以上の子どもたちが円グラフを作ってしまいました。折れ線グラフにしてしまった子もいました。

 円グラフを選択した理由を聞いてみると,どうやら子どもたちは,表す内容で選んだのではなく,青一色の地味な棒グラフよりも,カラフルで丸い円グラフの方がかっこいいとの理由で選んだようです。

 グラフの学習は,3年生の算数で棒グラフ,4年生で折れ線グラフを学習していますが,円グラフや帯グラフについてはまだ学習していません。ですが,理科や社会科の授業ではグラフを読み取ったりしているので,ある程度は判断できるだろうと考えていたのですが,考えが甘かったようです。

 事前の指導が不十分でした。





 ウィンドウの切り替え(10月9日)

 空き時間に,私と同じ5年生のM先生のクラスで授業を行いました。

 M先生は本年度から私たちの学校に赴任された方でパソコン初心者なので,1学期から定期的に私が授業を行っており,私より十歳年上のM先生も”生徒”となって授業を受けています。

 このクラスの授業では,1学期は学習指導用ソフトを使った授業を行い,2学期からはWINDOWSの基本操作を練習させています。


 今日の学習内容は,お絵かきソフト「キューブペイント」で描いた絵をワープロ「キューブワード」の文書に貼り付ける練習です。

 私は,子どもたちにWINDOWSの基本操作を教える際,かなり早い段階から「ウィンドウを切り替えながらのコピー&ペースト」を練習させています。複数のウィンドウ間でのデータのやりとりができることが,WINDOWSパソコンを効果的に使いこなせるかどうか(もちろん子どものレベルで考えてですが)の最大の決め手になると考えているからです。


 さて,子どもたちの様子ですが,今日の内容は,昨年私が担任して受け持った子どもたちはすでに身につけているので,その子たちが中心になって子どもたち同士で教え合いながら取り組み,ほとんどの子ができるようになりました。

 ですが,M先生は失敗してしまいました。

 これは初心者が間違えやすいことだと思うのですが,ウィンドウ間のやりとりをする際,ウインドウを切り替えて操作しなければならないところを,ウィンドウを新たに次から次へと開いてしまい,何が何だか分からなくなってしまったようです。(私が見に行ったときには,「キューブペイント」と「キューブワード」の新規ウィンドウが全部で9つ開いていました。)


授業を終えてのM先生の感想は,

「さっぱり分からへん。コンピュータなんて大嫌い!!!」

でした。

がんばれM先生!
負けるなM先生!



 次回は,表計算ソフトのグラフ機能の使い方を教えるつもりですが,その前にウィンドウを「切り替える」と「新しく開く」との違いを説明しておきたいと思います。




 DOS版ソフト(10月14日)

 3年生のR先生のクラスで,学習指導ソフト「スXXXXXム」の算数教材を使った授業のお手伝いをしました。

 このソフトは,夏休み中にDOS版からWINDOWS版にバージョンアップされたのですが,いくつかの教材データがまだWINDOWSに対応していないため,現在のところDOS版(FDから起動)とWINDOWS版とを併用しています。

 今回使用した教材はDOS版です。かけ算とわり算の演算子が”*”と”/”なのが子どもたちにとっては少々分かりづらいですが,ソフトの操作方法自体はそれほど難しくはありません。

 ですが,一部の先生方にとっては,FDから起動させなければならないことや,WINDOWSのようにメニューバーが画面に表示されていないため,いくつかのキー操作を覚えておかなければならないことに,ずいぶん戸惑いを感じるようです。

 以前の私は,この程度のことで混乱してしまう先生方の様子を見ていて,信じられない思いがしていたのですが,最近は,メニューを見れば何とかなるWINDOWSソフトしか使ったことがない先生方にとっては,起動方法やキー操作を覚えていないと操作できないということが,とても大きな不安材料になりうるということをようやく理解できるようになりました。


 さて,いざ授業を始めてみると,R先生は事前にしっかり練習していたようで,全く心配はありませんでした。

 この時間に起こったトラブルは,1台のパソコンで,FDから起動したにもかかわらず,WINDWSが起動してしまったことだけでした。

 FDをセットする前に電源スイッチを入れてしまったのが原因だと思い,そのパソコンを使っていた子どもにそのことを教えてやりながら再度リセットしたのですが,またWINDOWSが起動してしまいました。

 「あれれ」

 と思ってFDドライブに手をあててみたらカチッと音がしました。

 起動方法の操作ミスではなく,FDをしっかりセットしていなかったことが原因でした。




 コンピュータを活用するための準備(10月17日)

 M先生のクラスで授業を行いました。前回同様,M先生も生徒の一人となって私の授業を受けました。

 今回はグラフ作成の練習です。グラフ作成は,ワークシートへの入力さえきちんとできれば,自動的に作ってくれるのでそれほど難しくはありません。

 子どもたちの作業としては,まず「全角かな」で項目名等を入力し,次に「半角英数」に切り替えて数値を入力することになります。

 MS「Excel」なら,全角数字で入力しても数値として処理してくれますが,練習で使った「キューブカルク」は,全角と半角をきちんと使い分けなければならないので,その点が少々面倒です。過去の経験からも,子どもたちがよく間違えるのはこの部分だということは分かっていたので,事前の説明でかなり強調しておきました。


 さて,子どもたちは,たいした混乱もなく順調に作業を進めることができました。ほとんどの子どもたちが無事グラフを作成することができました。

 M先生も,「今日はそれほど難しくなかったし,分からなくて困っていたら近くの子どもたちが教えにきてくれたので,大丈夫でした。」とのことでした。


 私がこれまで教えてきた,「ワープロ」「お絵かき」「グラフ作成」「コピー&ペースト」等の練習は,子どもたちにコンピュータを活用させるための準備にしか過ぎません。

 これらの技能を使って,今後どのようにコンピュータを使わせていくか,それがM先生の腕の見せどころです。




 写真資料集(10月24日)
 
 5年生の理科「動物と人の誕生」という単元で,動物と人の受精から誕生までの様子を学習しています。その学習活動の一環として,図鑑等で調べた色々な動物の産卵や出産の写真にコメントをつけさせる作業を行いました。

 子どもが行う作業は,スキャナで取り込んだ写真をワープロ画面にペーストして,簡単なコメントをつけるだけなので難しくはありません。むしろ今回は,クラス37名分の写真をスキャナで取り込む私の作業のほうが大変でした。

 子どもたちの作業と同時進行で行ったのですが,子どもたちの作業は1時間足らずで終わったのに,私の方は,全員の写真をスキャンし終わるまでに2時間以上もかかってしまい,平均して約1時間もの間,子どもたちをボケーッと待たせてしまいました。


 さて,時間はかかってしまいましたが,できばえのほうはまずまずで,子どもたちの手による37枚の「写真資料集」が出来上がりました。

 次回は,今日作った作品を,ビデオプロジェクタからスクリーンに拡大投影して,鑑賞会を行います。




 メッセージ送受信ソフト(10月25日)

 来月行われる公開授業の指導計画(指導案)を立てています。授業は11月23日に行われるのですが,今月中に指導案を提出しなければなりません。

 授業の内容は,「食生活」「将来の夢」「親子関係」など,自分が興味のあるテーマについて,調査,集計,分析し,グラフや図表などを使って発表するものです。

 これまでコンピュータを活用した授業は,たとえば「ミニ新聞作り」のように教科の学習には直接関係ないことを行うことが多かったため,そのための時間確保が難しかったのですが,今回は,国語の学習としてカリキュラムに位置づけられており,10時間かけて行なう学習活動なので,コンピュータでの作業のために特別な時間を使わずに済みそうなので助かります。

 公開する授業は,10時間目に行う「発表会」です。ただ発表し合うだけではつまらないので,もうひと工夫したいと思っています。

 今考えているのは,ネットワークツールを使って,発表を聞いた感想を発表者に送信するというものです。

 使用するツールは「IP Messenger」というLAN用メッセージ送受信ソフト(フリーソフト)です。普通のメールソフトだと,メーラーを立ちあげてメールを開かなければならないのですが,「IP Messenger」を使えば,送信したメッセージが受信先のディスクトップ上に表示されるので大変便利です。

 1996年窓の杜大賞でも「窓の杜管理人特別賞」を受賞しているので,信頼性もに高いのではないかと思います。

 先日の授業で試しに子どもたちに使わせてみたところ,いつも授業開始時の挨拶に使っているMS「NetMeeting」よりも簡単で使いやすいとのことでした。



 CD-ROM装置の不良と著作権の問題(10月28日)
   −第5回コンピュータ研究委員会−

 地区の小学校のコンピュータ担当者が集まるコンピュータ研究委員会が開かれました。各学校で起こっている問題点について情報交換が行われたのですが,その中で気になる話題が2つありました。


 一つは,いくつかの学校でCD-ROM装置が故障するトラブルが発生しているとの話題です。

 私の学校でも,すでに1台のCD-ROM装置が交換されていますが,現在新たに2台の状態がおかしく,CD-ROMをセットしても時々認識しなくなってしまったり,ガガーッと異音が発生したり,CD-ROMの表面にキズがついてしまうなどのトラブルが発生しています。他のいくつかの学校でも似たような状況が発生しているわけで,1996年9月ごろNXXV13シリーズに搭載されたCD-ROM装置には重大な欠陥があるのではないかと勘ぐりたくなってしまいます。(問題発言か)

 製品の信頼性という点でNXXパソコンを高く評価していた私としては,大変不満な状況です。


 それから,インターネット利用する際の著作権の問題についての話題が出ました。現在,地区のいくつかの小学校では,コンピュータ担当教員などが中心になって,授業で使えそうなホームページを丸ごとダウンロードし,それをコンピュータ室のサーバーにコピーし,クライアントから閲覧できるようにしています。私たちの学校でもやっています。

 私たちの学校の場合はまだインターネットに接続できる環境が整っていないということもありますが,サーバーにコピーした方が実際に接続しながら閲覧するよりもコストがかかりませんし,時間もかかりません。また,あらかじめ不必要な情報を除外しておけるので,子どもたちが戸惑うこともなく快適に閲覧することができます。

 自分のパソコンにダウンロードし,個人で閲覧することについては何の問題もないと思うのですが,このように,ダウンロードしたホームページを,別のコンピュータにコピーし,複数のパソコンから閲覧することは,法律上問題はないのでしょうか。また,ただ閲覧するだけでなく,学習活動の一環として,ホームページの写真や文章等をコピー&ペーストしてレポートを作成させることもあります。このような行為は許されるのでしょうか。

 ご承知のように,書籍等については,問題集やドリルなどを除いて,教育利用のために書籍の一部をコピーし授業等で配布し活用することは法律上認められていることです。ですが,コンピュータソフトウェア等のデジタルデータについては,全く同一の複製物を作成することが可能であることから,教育利用においてもコピーは認められていません。


 学校でのインターネットの利用が普及するにつれ,今後著作権(あるいは知的所有権)をめぐるトラブルが頻発することでしょう。インターネット上に公開されているデータをどのように活用していけばよいか,どこまでの行為が許されるのか,現在まだはっきりした基準は無いように思います。

 難しい問題です。





 初心者向けムービー(10月31日)

 午前中に2時間の空き時間があったので,ロータス「ScreenCam」で,「ワープロの基本操作」と「コピー&ペーストのやり方」を説明したビデオ(ムービー)を作成しました。

 現在私たちの学校では,コンピュータを積極的に活用しているクラスとそうでないクラスとの差がかなりあるのですが,その最大の原因が,担任の先生のパソコン操作技能の習熟度にあることは明白です。

 お絵かきソフト程度なら,適当に遊ばせておけば子どもたちが勝手に操作方法を覚えてくれますが,ワープロあたりになると,やはり教える側の技量が大きくものをいうわけで,例えば日本語入力のしかたすら分からないようだと,教師も子どもも途方に暮れてしまいます。

 そこで,基本的な操作方法を覚えていただくためのムービーを作っていこうと思い,その第一弾として3分ほどのムービーを3本作りました。

 画面上の操作とマイクからの音声を同時に録画録音していくのですが,失敗しても途中からのやり直しはできません。というか,複数のムービーを作ってつなぎ合わせることはできるのですが,手順がとても面倒そうです。

 それで,失敗する度に最初からやり直したのですが,3分間,いっさいミスをせずに操作し,しゃべり続けることって本当に難しいですね。それぞれ10回ずつぐらいやり直してしまいました。


 さて,夕方コンピュータ室で作業をしていたら,4年生の2人の先生がコンピュータ室にやって来ました。2人ともパソコン初心者で,2学期になってコンピュータ室で練習する姿を見かけるようになりました。

 WINDOWSの基本操作もまだあまりできないのですが,いよいよ明日の授業でワープロによる文書作成を行うことにしたので練習したいとのことです。実は,午前中に作ったムービーは,この2人の先生方に使っていただくことを想定していたので,タイミングが良かったです。

 2人の先生に午前中に作ったムービーを見ていただいたところ,早速明日の授業で子どもたちに見せたいとのことでした。

 私が作ったムービーは,わずか3分の中に色々な操作方法を紹介しているので,本当は,担任の先生が一通りの操作方法を教えた後で,復習として子どもたちに見せると良いと思いますが,自分たちが教えるよりこのムービーを子どもたちに見せた方がよっぽど分かりやすいとのことなので,使い方は2人の先生にお任せします。

 授業の様子は,明日詳しく教えていただけるとのこと。楽しみにしています。






 最後のパソコン授業(11月7日)

 空き時間に4年生のS先生の授業のお手伝いをしました。
S先生は昨年9月に私たちの学校に赴任にしてきた講師の先生です。

 彼女はパソコン初心者で,夕方に残って練習したりするなどとても熱心な方ですが,子どもたちに自信をもって教えることができないとのことなので,私がお手伝いすることになりました。

 実は来週水曜日に講師としての期限が切れ,退職することになっているので,今更パソコンの授業などやらずに済ませることもできるのですが,最後まで手を抜かずにやろうとするところに彼女の人柄が現れています。


 さて,授業のほうは,最近私たちの学校で盛んに行われている,ワープロ文書の中にお絵かきソフトで作成した絵を組み込んだ作品づくりです。とにかく彼女には時間がないので,今日予定している2時間で作品を完成させなければなりません。

 文書はもう出来あがっています。ですから今日行うことは,お絵かきソフトで絵を描かせ,それをワープロ分書中にペーストして作品を完成し,印刷,保存する作業です。


 時間が限られているので大きな失敗は許されません。しかも2時間のうち最初の1時間しか私はお手伝いできません。

 そこで今日はコピー&ペーストのやりかたに早く慣れてもらうため,練習教材を用意しておきました。まず私が実際にやってみせ,次に練習教材で練習させ,練習がきちんとできた子どもから順に本番の作業させました。

 子どもたちは真剣に私の説明を聞いてくれ,あまり戸惑うこともなく練習教材に取り組むことができました。そして全員が本番の作業に取りかかることができたことを見届けて,私はコンピュータ室を後にしました。


 授業後にS先生に様子をたずねたところ,予定していた2時間で何とか作業を終えることが出来たとのことでした。

S先生ご苦労様でした。




 子ども任せ(11月13日)

 先週から今週にかけて,2年生と3年生がコンピュータ室を積極的に利用しています。

 今朝も始業前に「キッドピクス」というお絵かきソフトを使って,2年生の子どもたちが作業をしていました。「親子で楽しむ会」の保護者宛の招待状を作っているのです。

 「親子で楽しむ会」は今週土曜日に開かれるので,保護者に渡すタイミングとしては,少々遅いような気もするのですが,学校からの正式な案内文書はすでに配布してあるので,まあ当日までに保護者に渡すことができれば良いのかも。

 招待することよりも,コンピュータで作った招待状をお父さんやお母さんに見てもらうことにこそ意味があるのでしょう。


 私たちの学校では,表現活動のツールとしてコンピュータを使いこなしていくことを本年度の目標として掲げています。単なる自己満足で終わらせることなく,見せることを目的とした活動を行っていただけることは,大変良い傾向だと思います。



 空き時間に,本年度から私たちの学校に赴任したパソコン初心者のM先生の授業が行われていたので,覗きに行ってみました。

 先々週までは私がお手伝いしてましたが,ワープロ,グラフ作成,描画など,授業でよく使うソフトウェアの操作練習が一通り終わったので,先週からはM先生が一人で授業を行なっています。今は調査した結果をグラフや図に表す授業を行なっているはずです。


 ドアをそーっと開けて,部屋の中を覗いてみたら,M先生の姿が見えません。

 そうじゃなくて,M先生自身も,児童用パソコンで子どもたちと同じように作業をしていました。


 部屋の中に入ると,私の姿を認めた何人かの子どもたちから呼び止められ,早速質問責めにあいました。

 一人の子どもがM先生に質問をしようとしましたが,コンピュータのことはY君かT君(パソコンクラブの子)に聞きなさいと追い返されていました。

 やはり,覗いてみてよかったのかも。

 それにしても,M先生の方針は徹底していますね。すべて子どもたち任せです。

 それでも,子どもたちは何とかやっているわけですから,すぐにやり方を教えてしまう私のクラスの子どもたちより,かえって伸び伸びやれるのかもしれません。


 私が顔を出せば,子どもたちは私に頼ろうとしますが,いなければいないで,それなりにやれているわけですから,M先生の指導方針もそれはそれで良いのかも知れません。




 見解の相違(11月18日)

 LAN環境での公開ですが,「パソコンクラブホームページ」をスタートさせました。

 とはいっても,ごく簡単なもので,トップページをつくり,そこから個人のページにリンクさせただけです。

 個人ページは,今月初めにすべてのデータを消失してしまい,先々週からまたゼロから作り始めているのであまりできていませんが,工事中のものも含めてすべて閲覧できるようにしました。

 今後「パソコンクラブホームページ」は,毎週のクラブの時間ごとに更新されていきます。誰もが閲覧できるように公開したことにより,子どもたちが今まで以上に意欲的に取り組んでくれれば良いのですが。



 昨年9月の導入以来,コンピュータ室の機器・ソフトの各種設定は,とにかく私の思い通りにやってきました。

 業者さんの基本設定を少しずつ改善しながら今日に至るわけですが,以前は,かなり大胆に変更しても,黙っていれば気づかれることもなく,ましてや文句を言われることなどなかったのですが,最近は,先生方が機器・ソフトの操作に慣れてきたため,良い方法を思いついても気軽に変更することができなくなってきました。

 今日手をつけようとした「ハイパーキューブ」(ワープロ,表計算,描画などの機能を持つ子ども向けソフト)の環境設定もその一つで,私は2つの点を変更したいと考えていたのですが,うっかりT先生に相談した結果,断念する羽目になってしまいました。

 一つは,ユーザーインターフェースの変更です。

 「ハイパーキューブ」にはメニュー形式が,「Windows形式」とキューブ独自の「キューブ形式」の2種類あり,いずれかを選択できるのですが,マニュアルが「キューブ方式」に準拠しているため,これまではデフォルトの「キューブ形式」にしていました。

 しかし「キューブ形式」のメニューは,”ウィンドウの切り替え”と”新規作成”と”履歴”の区別が付きにくいので,ウィンドウを切り替えたつもりなのに,新規作成の白紙の画面が表示されてしまうなど,子どもたちが困惑することも多いです。

 そこで,先生方が「ハイパーキューブ」の機能を一通り覚えたこの時期に,他のソフトと同じインターフェースを持つ「Windows形式」に変更しようと思い,T先生に相談したところ,「せっかく子どもたちが覚えたのにまた混乱してしまう」との理由で,強い反対にあってしまいました。


 もう一つは,画面の解像度の変更です。

 私たちの学校のシステムでは,アプリケーションごとに解像度を変更できるので,「ハイパーキューブ」の解像度をこれまでの640×480から800×600に変更しようと考えました。

 私たちの学校では,「ハイパーキューブ」の画面をそのままスクリーンに表示させてプレゼンテーションに使うことが多いので,一画面に表示できる情報量を多くしたいと考えたからです。

 そこで,この件もT先生に相談したところ,解像度を高くするとメニューボタンなどのサイズが小さくなってしまうことが気に入らないらしく,「子どもたちは大きなボタンの方が好きだ」との理由で強い反対にあってしまいました。

 私は逆にプレゼンに使う場合を考えると,メニューボタンなどはなるべく小さい方が良いと思ったのですが,見解の相違ですね。


 明日のクラブの時間も私は出張で不在です。







 コンピュータ年間指導計画(12月9日)

 午後からコンピュータ研究委員会(注)がありました。(注:地区の各小学校のコンピュータ担当者が集まる会)

 本日の会議の主な内容は「コンピュータ年間指導計画の作成」についてです。

 本年度の研究のまとめとして,各学校で実施した授業記録をたたき台にして,コンピュータの授業の年間カリキュラムを作成し,各学校に配布することになりました。

 ただし学習指導用ソフトなど,内容がはっきりしているもの(例えば算数のドリルなど)は除き,汎用的なソフトを活用した授業例のみを扱うことになりました。


 各学校から出された授業記録を見てみると,1年生と2年生は「キッドピクス(お絵かきソフト)」を活用した授業例が多く,3年生以上は「ハイパーキューブ(ワープロ,表計算,描画などの機能を持つ多機能ソフト)」を活用した授業例が多いようです。

 それから社会科学習で,ホームページ(あらかじめダウンロードしたもの)を資料として活用した例も多く見られました。他に「ミュージ郎」で作曲した例,プラネタリウムソフトや図鑑・辞典等を活用した例などもありました。

 私たちの学校もだいたい同じような状況です。


 以前から考えていることなのですが,ソフトウェアの基本操作,特にワープロ操作については,どの学年でどの程度まで修得させるかをきちんと決め,系統的な指導を進めていくべきだと思います。

 今年実感したのですが,ワープロの習熟度がクラスによってまちまちだと,クラス替えをした後の新学級での授業がとてもやりづらいです。

 これは学校全体で取り組まなくてはなりません。来年度の課題としたいです。


 ですが,こういうことを決めると,コンピュータが苦手な先生方からの反発が大きいかも知れません。

 ちょっと怖いです。




 能力別算数学習(12月18日)

 久しぶりにコンピュータの授業を行いました。

 先月末の公開授業の準備のため,学年の割当て時間を独占的に使わせていただいたので,先週と先々週は他のクラスに譲っていましたが,今日から再開です。


 今日は学習指導用ソフト「SuperCAI」で算数の学習を行いました。

 現在私のクラスでは,「単位量あたり」「速さ」の学習をしているのですが,子どもたちは大変苦労しています。

 たとえば,

 「太郎君の家では,50平方メートルの畑で75kgのジャガイモがとれました。花子さんの家では,80平方メートルの畑で108kgのジャガイモがとれました。広さのわりによくとれたのはどちらの畑でしょう。」

 とか,

 「飛行機の速さは時速2300kmです。その飛行機が飛んでいる高さ1900mの上空では,音は1秒間に約300m進みます。飛行機と音ではどちらが速いでしょう。」

 などという問題です。

 こういうややこしい問題を解く際には,図やアニメを用いながら丁寧に解説してくれて,しかも子どものレベルに応じた学習展開をしてくれる「SuperCAI」は,結構役に立ちます。

 コンピュータは一人一台が理想ですが,私たちの学校では二人に一台です。ところがこれまでの様子を見ていると,二人一組で操作させると,コンピュータの操作は”できる子”のペースで進められ,”できないほうの子”は”見てるだけ”になりがちでした。

 そこで今回は,同程度の能力の子ども同士でペアをつくって,やらせてみることにしました。

 同じ能力とはいっても点数によって振り分けるのではなく自己申告としました。それでも自然にだいたい同じぐらいの能力の子ども同士がペアをつくりました。

 子どもたちはじっくり落ち着いて取り組めましたし,私はつまづいている子を見つけることができました。

 

 授業の後半は,パソコンクラブでやり始めたgifアニメを紹介しました。時間がなかったので実際に作らせることはできませんでしたが,子どもたちには大好評でした。

 今週はもう一時間コンピュータ室が使えそうなので,実際に作らせてみようと思います。





gifアニメ(12月20日)

 2学期最後の授業日にコンピュータ室を使うことができたので,gifアニメに挑戦させました。使用したソフトはパソコンクラブでも使った「Giam Ver1.02」というフリーソフトです。

 休み時間を使っても一人25分ぐらいしか時間がとれないので,前もってコマ割りを考えさせておきました。

 初めての経験なのでどうなるか心配でしたが,作業はおおむね順調に進みました。

 作成するコツとして,まず初めにベースとなる”動かない部分”を描き,それを保存してから次のコマに取りかからせたのが良かったみたいです。

 それにしても子供たちの作った作品を見ていると本当に楽しいです。お見せできないのが実に残念です。

 もちろん,動きの滑らかさとか,絵の巧拙とかそういう面では,まだまだ未熟ですし,駄作もたくさんありますが,37人の自由な発想から生み出されたユニークなアイディアが楽しいです。

 今のところは単なるお遊びツールとして使っていますが,大化けしそうな可能性を感じさせます。

 例えば,理科で植物の成長する様子を表したり,デジカメの連写機能を使って体育の跳び箱のフォームをチェックしたり,あるいは,1コマあたりの表示時間を長くすれば,スライドショーや電子紙芝居としても使えます。

 3学期も楽しみたいです。




 2学期を振り返って(12月22日)

 2学期のコンピュータ室は大盛況でした。

 授業日数75日間で,のべ212クラス(時間)がコンピュータ室を利用しました。一クラスあたり10.6時間も利用したことになります。

 この75日間に各クラスに割り当てた時間は約270時間なので,稼動率は78パーセント(212/270)です。

 いわゆる”研究指定校”でもない,ごく普通の公立学校,しかもほとんどの先生方がWindows初心者である私たちの学校で,まさかこれほど使っていただけるとは夢にも思いませんでした。

 半年前ならコンピュータ室は閑古鳥状態だった(一日平均0.57クラス)ので,いつでも好きなだけ使うことができましたが,最近は割当て時間だけでなく,空いている時間(どの学年にも割り当てていない時間)までも,とりあいになるほどで,担任の立場としては少々やりづらいのですが,コンピュータ教育担当の立場としては大変嬉しい状況です。


さて,今年の冬休みは26日まで仕事をするつもりです。

コンピュータ室関係では通常のメンテナンスの他に,セキュリティ対策,特に誤操作によるファイル消失を未然に防ぐ対策を考えておきたいです。



1997年度コンピュータ室利用状況

・2学期は一日平均 2.8クラス(212クラス/75日)が利用しました。

・1学期は一日平均0.57クラス(40クラス/70日)でした。






 本物とニセ物(12月24日)

 1月に行われる3年生の研究授業のお手伝いをしました。

 教科は理科で,「光」の反射の性質について学習します。使用するソフトは,多機能ソフト「ハイパーキューブ」の描画機能と学習指導ソフト「マルチブック」です。

 「ハイパーキューブ」の描画機能は,鏡に光が当たるとどのように反射するか,その予想を(あらかじめ用意したワークシートに)描き込ませるときに使います。

 「マルチブック」では,教材「光まとあてゲーム」を行わせ,光の反射の性質を体験的に学習させます。


 今日お手伝いしたのは,指導案(授業計画)の検討と機器・ソフトの操作方法の練習です。

 職員室で指導案について検討した後,コンピュータ室に行き,授業に必要な機器やソフトを確認し,操作の仕方を練習しました。

 今回の授業では,教育用ネットワークシステム「PC-SEMI」を使わなければならないので少々心配でしたが,3年生の先生方とは前にも一度自主研修会を行っているので,おおむね順調に進みました。

 ただし前回はごく基本的な操作方法のみでしたが,今回は,OHC(ビジュアルプレゼンター)の照明やピントを合わせたり,AVアンプのチャンネルを合わせたりするなど,少々細かい操作方法も行なったので多少戸惑っていたようでした。


 ところで,「PC-SEMI」は,画像が転送できるとても便利なネットワークシステムです。ビデオの画像やパソコンの画面画像などを,ビデオプロジェクタに出力したり,他のパソコンのディスプレイに転送したりする事ができるのですが,少々使い方が複雑なので,使いたがらない先生も多いです。

 今度の授業では絶対に必要なので”特訓”したわけですが,どうやら大きな勘違いをしているようで,笑うに笑えず困ってしまいました。

 教師用パソコンで「ハイパーキューブ」を起動し,その画面画像を児童用パソコンのディスプレイに転送する方法を紹介したところ,「子どもたち一人一人がハイパーキューブを起動するよりも,PC-SEMIを使ってこちらから転送した方が簡単ですね。」と言われてしまいました。

 うーん。このあたりが先生方にはよく分からないようで,児童用パソコンの画面のに映っているのは”教師用パソコンの画面画像”であるわけで,もちろん操作することなどできません。

 そういえば以前も,ある先生が「PC-SEMI」を使って,教師用パソコンから立ち上げた「キッドピクス」の画面画像を子どもたちのパソコンに送ったとき,「キッドピクスの画面はちゃんと映っているのに,マウスもキーボードも全く反応しなかったので困ってしまいました。」たと言われたことがありました。

 確かに見た目は全く同じなのですが,”送られてきた画面画像”と”自分で起動した画面”の違いが分からないというのは,もしかしたら深刻な状況ではないだろうかとふと考え込んでしまいました。





 クラブ展と学習アニメ(2月10日)

 今日から校内クラブ展が始まりました。クラブ展とはいわゆる文化祭のようなもので,文化系の各クラブが1年間の活動の成果を発表する行事です。

 パソコンクラブでは,子どもたちが作ったホームページをコンピュータ室で公開することにしました。

 公開する期間は今日から一週間で,時間は午前中の20分の休憩時間です。その時間はクラブのメンバーが交代でコンピュータ室に詰め,遊びに来た子どもたちにブラウザの操作方法などを教えてあげることにしています。

 わずか20分という短い時間にもかかわらず,初日の入場者数は約50人でした。大盛況でした。

 当番に来ていた子どもたちは予想以上の盛況ぶりに戸惑いながらも,張り切ってがんばってくれました。

 遊びに来た子どもたちのほとんどは,ブラウザを操作するのはおそらく初めてなので,少々心配していましたが,すぐに使い方を覚え,楽しんでくれたようです。



 クラスでは,2学期末に覚えたばかりのgifアニメ作成ソフト「Giam」を使っての「学習アニメ」作りを始めました。

 テーマは5年生で学習した内容に関することとし,表現の仕方は,普通のアニメでも,スライドショー形式でも良いことにしました。子どもたちが考えてきたアニメの内容を教科別にたずねてみたら,国語,社会,算数,理科,社会,家庭,体育と多岐にわたっています。


 制約を少なくして自由に取り組ませると,子どもたちは私が考えもしなかった発想をすることがあります。

 そしてそれは私がコンピュータ教育を進めていく上での大きなヒントにもなります。

 今度はどんなアイディアで私を驚かせてくれるか楽しみです。




 こういう作業をするときに,コンピュータを2人で1台しか使えないのは,やはり不便です。





 自習(2月18日)

 まだまだ風邪が流行っています。先生方もダウン気味です。

 今日は同じ学年の2人の先生が休んでしまい,5年生担任は私一人だけになってしまいました。他の学年の先生にも手伝っていただきましたが,私一人で3クラス100人以上の子どもたちの面倒を見なければならず,さすがにしんどかったです。

 私自身も風邪気味ですし,相手は小学生,こちらの都合などお構いなしですから,真面目に勉強させるというよりは,とにかく怪我をしないように静かに過ごしてくれればそれで良いという感じでした。


 午前中は3クラス合同の音楽や,2クラス合同の体育などをやりながら時間を稼ぎ,午後は1クラスをコンピュータ室で自習させました。

 他の先生はトラブルなどの心配から,コンピュータ室で自習させることには反対したのですが,私が責任を持つということでやらせてみることにしました。

 先生方は,大人でさえ難しくてわけが分からないものを,子どもたちだけでやらせることに不安が大きいと思いますが,私は大丈夫だと思います。一人でできる学習指導用ソフトもありますし,むしろ自習のときの有効な手段となるのではないかと思います。

 確かに,何かシステム上のトラブルが起こってしまうと困ります。子どもたちはトラブルが起こった際の対処はできません。ですが,どんなことをすればコンピュータが(物理的に)壊れてしまうかはちゃんと分かっています。

 何が起こるか分からないからやらせないではなく,何かが起こったときにどんな対処をすればよいかをはっきりさせておけば良いと思うのです。

 今回はもしシステムエラーなどが起こった際は,自分で何とかしようとせずに,すぐ私のところに連絡に来させることにしておきました。


 授業の始まりと終わりにコンピュータ室をのぞいて自習の様子を聞きましたが,何一つ問題は起こらなかったようです。




 時間のロス(2月22日)

 「学習アニメ」づくりを始めてすでに4時間が経過したので,そろそろ終わりにしようと思います。

 4時間とはいってもコンピュータは2人に1台なので,1人あたり実質2時間ですが,構想の段階も合わせるとすでに2週間以上経過しているので,子どもたちの関心もそろそろ低下しそうな雰囲気です。まだ完成していない子が数名いますが,休み時間にやらせるつもりです。


 それにしてもこういう作業をするときに児童用コンピュータが20台しかないのはとても不便です。

 コンピュータの設置台数については文部省の整備計画(中学校42台,小学校22台)に準拠しています。導入された当初は全員が初心者だったので,分からないことを相談しながらできるというメリットがあったのですが,子どもたちの技能が高まっていくにつれて相談する必要もなくなり,時間的なロスのほうが目につくようになってきました。

 今回のように教科の授業とは直接結び付かないような活動をさせるときには,1人なら2時間でできることを4時間費やさねばならないのはとても痛いです。

 現在の整備計画は,開始された当時(平成6年度)は画期的なものだった(それまでの基準はわずか3台!)のですが,ここ数年の情報化社会の進展は著しく,もはや2人で1台という時代ではないような気がします。


 とはいってもそれは無い物ねだりなので,今後,半数の子がコンピュータを操作している間,残りの半数の子に別の作業をやらせるとか,グループ単位の共同作業を多く取り入れるとか,時間のロスを少なくする活用法をそろそろ本気で考えていかなくてはなりません。




 縦書き印刷(2月24日)

 3学期のコンピュータ室利用状況は,今日現在一日平均約2.5クラス(86時間/34日)です。卒業を目前に控えた6年生の利用はこのところストップしていますが,学校全体の利用時間は2学期とほぼ同じ水準を維持しています。


 私のクラスのコンピュータの授業は,今日から「詩の広場」シリーズを始めました。ワープロで詩を書き,そこにお絵描きソフトで作った挿し絵を組み込んで作品を作ります。

 子どもたちに要求されるコンピュータの技能は,「日本語入力」と「描画」と「コピー&ペースト」だけです。これらの操作は,私のクラスの子どもたちは今までに何度もやっているので,問題なくできるはずです。

 そこで今回は操作方法等の確認すら行わず,子どもたちをほったらかしにしての自主性に任せて作業させ,私はせっせとコンピュータ室内の環境整備を行っていたのですが,私の手抜きが災いして少々まずい問題が起こってしまいました。

 子ども向け多機能ソフト「ハイパーキューブ」を使って作業を行わせたのですが,そういえばこのソフトは「縦書き機能」に大きな問題があったのでした。

 ハイパーキューブの「縦書き機能」は印刷だけの対応なので,縦書きの作品を作るときも,入力は横書きで行い,印刷時に縦書きを指定する方法をとるのですが,縦書き印刷をすると文字だけでなくグラフィックまで90度回転してしまうのでした。

 作品を作り終えた子どもたちが出来映えを確かめるために印刷してみたら,挿し絵が横に倒れてしまっていたので,本人も周りの子どもたちもびっくり状態でした。

 子どもたちは自分自身の失敗だと受け止めていたのですが,これは私の説明不足が原因ですね。


 1年前は今回と同じ内容の作業をするのに,2人で1台のコンピュータを使って4時間ぐらいかかっていたのですが,今回はわずか1時間の授業(45分)の間に,すでに4人の子どもが作品を完成させてしまいました。子どもたちの上達の速さに驚くばかりです。






 やらせっぱなし(3月2日)

 クラスでは2月中旬ごろからずっと風邪が流行っています。毎月,月初めに行う出欠席の集計結果を見てみたら,2月はのべ84人が欠席していました。今日も欠席が3人,早退が1人です。

 だからというわけじゃないのですが,コンピュータの授業は中途半端な状態で3月を迎えてしまいました。

 2月は,gifアニメ作成ソフトを使っての「学習アニメ」づくりと,ワープロで書いた詩に,お絵描きソフトで作った挿し絵を組み込んでの作品づくり「詩の広場」をメインの活動として取り組ませました。

 今日現在,「学習アニメ」づくりは10日から始めたにもかかわらず,まだ4人が完成しておらず,24日から始めた「詩の広場」も4,5人がまだできておらず,どちらも発表会を開くことができずに放置したままになっています。

 こんな風に,子どもたちの活動を評価する(認める)ことなく,しかも中途半端な状態で放置してしまうのは,子どもたちの今後の活動意欲を削ぐ結果にもなりかねず,大変まずいやり方だったと思います。


 3学期終了まであと3週間,長期欠席者に対する学習指導も行わねばならず,大変厳しい状況ではありますが,締めくくりをきちんとやっておきたいです。


 ところで,「詩の広場」の作業の様子を見ていると,こちらが拍子抜けするほど順調に進んでいます。

 1年前は何もかもが初めてで,子どもたちはちょっとしたことに驚き,一喜一憂して,そのたびに私はあちこちから呼び止められ,本当に息つく暇もないぐらいだったのですが,今では子どもたちから声がかかることはほとんどありません。

 部屋全体の雰囲気も大変落ち着いていて,教室で紙と鉛筆を使ってやるときとあまり変わりがありません。


 子どもたちの成長が嬉しい反面,ちょっと寂しかったりもします。




 ホワイトボード(3月4日)

 コンピュータ室にホワイトボードが入りました。

 これは3年生の先生方の強い要望によるものです。もともとコンピュータ室の前面には備え付けのホワイトボードがあるのですが,スクリーンを降ろすと隠れてしまい,使えなくなってしまうので,移動式のホワイトボードを購入していただきました。

 今まではスクリーンとホワイトボードを併用したい場合は,いちいちスクリーンを上げ下げしなければなりませんでしたが,これからはスクリーンに画像を表示しながら,ホワイトボードに板書することができるので,考えてみればとても便利になりました。


 実はこの件ではちょっと反省しています。以前3年生の先生方から「スクリーンとホワイトボードを同時に利用したいのだが...」と相談があったときに,私はあっさり「無理です」と答えてしまったのでした。

 ところが3年生の先生方は「それでは困る」ということで,管理職の先生に直接掛け合って,ホワイトボード購入の許可の取り付けたという経緯があるのです。

 3年生の先生方からの相談は,「できるか,できないか」の技術的なレベルの相談ではなく,「何とかできるようにして欲しい」という要望だったのですね。

 あっさり「無理です」と言う前に,責任者である私から管理職の先生にお願いするような配慮ができなかったのが残念です。



 ところで,コンピュータ室にはホワイトボードだけでなく,何と”黒板”も備え付けられているのです。それも児童用コンピュータのデスクからわずか10センチほど離れた位置にです。


 ええ,もちろん誰も使っていません。教員の方ならよく分かると思うのですが,教室でチョークを使って授業をすると,黒板付近の床や棚の上はたちまちチョークの粉で真っ白になってしまうのです。

 こんなものを設置しようと考える設計者のセンスがどうにも理解できません。設計の段階で誰も気付かなかったのかなあ。


 ああそう言えば一回だけありました。コンピュータ室ができたばかりのころ,自分のクラスからチョークを持ってきて授業をしていた先生がいたのでした。

 コンピュータ室の”黒板”が使われたのは,後にも先にもその一回限りです。




 「学習アニメ発表会」(3月7日)

 2月10日からやり始めたにもかかわらず,やらせっぱなしで中途半端なまま放置していた「学習アニメ(gifアニメ)」の発表会を行いました。

 今回は「5年生で学習した内容」というかなり大雑把でしかもカタいテーマで取り組ませたので,子どもたちはかなり頭を悩ましたようです。

 しかし出来上がった作品を見てみると,子どもたちなりの苦労や工夫のあとがうかがわれる力作ぞろいでした。


 作業は「Giam」というgifアニメ作成ソフトを使って行わせました。このソフトは一コマあたりの表示時間を自由に設定できるので,表示時間を長くすることによりスライドショーとしても使えます。そこで作品の形式は,普通のアニメーションでも,スライドショーでも良いことにしました。今回子どもたちが作った作品は,それぞれが半分ずつぐらいでした。


 さて,出来栄えですが,「5年生で学習した内容」という今回のテーマからすると,スライドショー形式のほうが表現しやすかったようです。特に,算数「正八角形の書き方」とか家庭「クレープの作り方」などのように手順を示すようなときに有効でした。

 一方,アニメーションの方は言わば”瞬間芸”ですから,直感的な面白さはありますが,内容的には今ひとつという感じでした。おまけに私のクラスの子どもたちは”ウケ狙い系”が多いので,みんなそちら方面に走ってしまいました。(苦笑)

 アニメでも中には理科「メダカの誕生」とか「ヘチマの成長」など,”学習”らしきものもあったのですが,普通のお絵描きソフトでは正確な描写はできませんからちょっと無理がありました。

 まあいずれにしても子どもたちはずいぶん楽しんでいたのでそれはそれで良かったです。


 今回は,gifアニメが授業でどのように使えるかを探るため,実験的な試みとして自由に作らせてみました。

 上に挙げた通り,理科のように正確な描写が要求される教科(あるいは場面)では使えませんが,そういう点を見極めれば,子どもたちの表現ツールの一つとして有効に活用していくことができそうです。





 ロシアンルーレット(3月9日)

 3学期のコンピュータ室の利用状況は,今日現在一日平均2.2クラス(97時間/44日)で,やはり2学期よりかなり落ち込んでいます。特に2月下旬ごろから利用回数が急激に減っており,先週と先々週は1日平均1.5クラス(17時間/11日)でした。

 年度末,そして卒業式前ということで,本年度のコンピュータの授業もそろそろ終わりのようです。

 私のクラスでも,今後は通常の授業の他に卒業式の練習を行わなければなりませんし,進度が遅れ気味の算数を挽回しなければなりません。できるとしても最大あと2時間ぐらいでしょう。


 今日は学級会の時間の後,少し時間が余ったので,コンピュータ室で「マインスイーパ」大会をやりました。

 「マインスイーパ」は以前にも遊ばせてみたことがあるので,子どもたちはルールは知っています。しかしその時は誰一人としてクリアすることができませんでした。そこで今日は,まず初めに私が実際にやって見せ,地雷を見つける”コツ”を教えてから挑戦させてみました。

 それでもしかし小学5年生の子どもたちにはこのゲームは少々難しすぎるようで,いくつかのグループは「初級コース」をクリアすることができたものの,大半のグループは,ほとんどロシアンルーレット状態でした。

 見よう見まねで覚えるのは得意ですが,論理的に考えながら根気よく解いていくのはまだまだ無理なようです。


 さて,子どもたちを「マインスイーパ」で遊ばせている間,私は,サーバー内に保存されている各クラスのファイルをちょっと調べてみました。

 そうしたら驚いたことに1年から6年までのすべての学級のフォルダに,子どもたちが作ったファイルが保存されていました。

 このことの意味は大きいです。

 つまり,すべてのクラスが数時間以上コンピュータ室を利用し,すべての担任の先生が,アプリケーションの操作を覚え,ファイルを保存する方法を理解していることを示しているわけですから。


 うーん,しかし,サーバー内のフォルダを調べて,先生方の意欲や力量を推し量るというのはずいぶん無粋な行為でした。





 代打ち(3月14日)

 昼過ぎに起き,3時ごろから学校に出かけて通知表を書きました。

 今回は連休明けの月曜日が通知表の提出日なので救われています。

 休日にもかかわらずコンピュータ室ではR先生が作業をしていました。授業でワープロを使った作品作りをしていたが,学期末を迎え,これ以上作業時間が確保できないので,子供たちに代わって入力作業をしているとのことでした。

 誰がやっても出来栄えが同じということで,コンピュータを使った作業では,本来子どもたちがやるべきことを,先生が代わりにやってしまう場面をちょくちょく見かけます。

 以前文集作りをしていたあるクラスでも,子どもたちの入力作業が思うように進まず,担任が休日出勤して,”代打ち”している場面を見たことがあります。

 また,身近な事例ではありませんが,参観者を招いて研究発表会を行っている学校では先生が作ったものを子どもがやったことにして公開しているとの話を聞いたこともあります。

 まあ,このケースは論外ですが,操作方法が分からず困っているときに代わりにやってあげる程度のことはよくありますし,今回のR先生のように,「せっかく途中まで作ったのだから」と子どもたちに対する思いやりとして行うこともあります。


 コンピュータで作業をやらせる場合,作業時間の個人差はかなり大きいです。十分時間をとって最後までやらせるのが理想ではあるけれど,それがいつでも可能なわけではないし,他の作業のように宿題として家でやらせることもできません。

 中途半端なまま終わらせるのが良いか,それとも教員が代わりにやってでも最後まで完成させた方が良いのか,ケースバイケースかも知れませんが,判断が難しい問題です。


 私は中途半端でも終わらせてしまいます。

 ただし理由は,「子どものため」というより,代わりにやるのは「自分が面倒」だから。

 ずいぶんレベルの低い話題でした。





 年間利用状況(3月19日)

 いよいよ明日は卒業式です。そして来週火曜日が修了式です。コンピュータの授業は今日で終わりました。

 この1年間のコンピュータ室の利用状況は次の通りです。

1学期 一日平均0.6時間(40時間/70日)
2学期 一日平均2.8時間(212時間/75日)
3学期 一日平均2.2時間(117時間/52日)
年間 一日平均1.87時間(369時間/197日) 
  (年間で1クラス平均18.5時間利用しました。)


 ただしこの数字は,私が独自に集計したものなので多少の誤差を含みます。

 コンピュータ室には「コンピュータ室利用簿」なるものが置いてあり,コンピュータ室を利用したクラスはその都度記入することになっているのですが,実際には記入されていないことも多いので,”利用簿の記載内容+私の観察”というかたちでデータをとっていきました。

 この作業は結構面倒だったので今年一年でやめます。というか,本年度は,とにかく授業の回数を増やすことに重点を置いてきましたが,時間数についてはもう大丈夫かなという感じです。

 今年の様子を見ていて,どのクラスもコンピュータ室を利用していることがはっきりしましたし,先生方のコンピュータを使うことに対する抵抗(反感)もずいぶん少なくなってきたので,来年度は時間数を増やすことよりも,質的な向上を図ることに重点を置きたいです。

 ただし,授業のやりかたを根本的に変えてしまうような方向に進むのは今の段階ではちょっと無理があります。それよりも,本年度の成果をふまえて,無理なく取り組める方向を目指したいです。

 具体的には,コンピュータを表現ツールとして使わせながら,子どもたちの表現能力をより高めていく方向を目指したいと思います。

 これなら本年度各クラスで行われてきたことの発展的な方向なので,先生方もそれほど抵抗なく取り組めるような気がします。


 今年は,表現方法として,ワープロ&お絵描きが中心でしたが,イメージスキャナやデジカメを使ったり,gifアニメ,ビデオ,サウンドなど動画・音声なども扱えるようにできないかなと思っています。

 また,今年は作品を作ることが最終目的であるような使われ方が多かったのですが,来年度は,自分の考えを効果的に表現するための一つの手段として使っていけるような方向も目指していきたいです。




 ビデオキャプチャー(3月20日)

 早めに勤務が終了したので,郵便局に行って”お年玉”のデジタルビデオカメラ(シャープ液晶ビューカム)を受け取ってきました。郵便局が17時までしか営業していないため,賞品を受け取るまでにおよそ2カ月もかかってしまいました。

 時間をやり繰りして出かけた初回の申請時は,印鑑を持っていなかったため門前払いを喰らいましたし,2度目に行ったときには何の説明もなしに無断で運転免許証のコピーをとられてしまうなど,不愉快な出来事もいくつかありました。


 続いて,地元のパソコンショップに寄り,ビデオキャプチャーカード「PCCAP」(アイ・オー・データ)を購入(21800円)しました。

 ビデオ映像が取り込めるPCカードで,しかも他社製品の半額以下ということで以前から目をつけていたものです。


 早速カードをセットアップし,ビデオカメラを接続してみたのですが,機能的にはイマイチかもしれません。まだ録画(AVIファイル作成)や再生は行っていないのですが,映像をテレビカメラのようにリアルタイムで表示させただけでも,やや反応が遅く,コマ落ちが起こってしまいます。

 コンピュータ室のビデオキャプチャーボードは,録画や再生を行うとコマ落ちしてしまいますが,ただ単に映像を表示させるだけならスムーズに表示されるので,少々期待外れでした。

 まあしかし気軽に動画を扱えるようになると,プレゼンテーションでの表現力が増しますし,パソコンクラブのホームページ作りでも新しい展開が期待できそうなので楽しみです。


 とここまで思いをめぐらせたところで,困ったことを思い出してしまいました。

 そういえば,コンピュータ室のパソコンで動画を再生するとフリーズする確率が非常に高いのでした。

 以前,社会科の学習用にと,いくつかの動画ファイルを含む某ホームページをサーバーにダウンロードしたのですが,クライアントから閲覧したところ,1つめは何とか再生できたものの2つめを再生しようとしたら,ほぼ100パーセントの確率でフリーズしてしまい,使いものにならなかったのでした。

 私の学校のコンピュータ室には,ビデオデッキ,チューナー,ビデオプロジェクタ,デジカメ,イメージスキャナ,フィルムスキャナなど,マルチメディアを活用する機材は揃っているのですが,肝心のパソコン本体の能力が低すぎるようです。

 しょせんメモリ24MB+Pentium133MHzではマルチメディアは無理なのかも知れません。




 コンピュータ室のシステムは,地元の業者さんなどのアドバイスを受けながら構成されているそうですが,色々な面で”読み”の甘さを感じてしまいます。





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