話題で選ぶ運営日誌

「研究授業−ホームページ作り」の巻


 方針変更(8月30日)

 夏休みも残すところあと2日になってしまいました。今日は最後の日曜です。でも,夏休みの宿題が山積しているので,仕方なく,一日中仕事してました。

 昼過ぎに学校に出かけましたが,さすがに今日は誰もいませんでした。まだ宿題が終わっていないのは私ぐらいのものです。とほほ。


 9月1日発行予定の”学年通信9月号”を1時間ほどで片付けた後,研究授業の指導案作りに取り掛かりました。これも9月1日に提案する予定の急ぎの仕事です。


 本年度の目標が「自己表現の手段としてコンピュータを効果的に活用する」なので,それに沿った内容を考えています。

 当初は,「Tiny Slide Show」というソフトを使って,プレゼンテーションをするつもりでした。ちょうどMS「Power Point」で資料を提示しながらプレゼンするようなスタイルをイメージしていました。

 ところが,一週間程前に考えが変わり,ソフトを変更することしました。独自フォーマットを使用する「Tiny Slide Show」では,汎用性がありませんし,「Netscape Communicator」付属のエディタ「Composer」がかなり使いやすい(特に画像の扱いが)ソフトであることを発見したので,「Tiny Slide Show」を使うのはやめにして,htmlでプレゼンテーションすることに決めたのでした。

 ところがところが,よくよく考えてみたら,手書きならいざ知らず,3年生の子どもが,お絵描きソフト&「Composer」を駆使(ちょっと大げさ)して,一人あたり平均7枚ものプレゼン資料を作るのは無理だということに気付きました。授業の1単位時間は45分で,2人で1台しか使えませんから,1回わずか20分程度の作業時間しかありません。やってやれないことはありませんが,途方もなく時間がかかってしまいます。おそらく子どもたちは途中で飽きてしまうでしょう。

 そう言えば,昨年パソコンクラブで4〜6年生の子どもたちがホームページを作ったときでさえ,1人1台のパソコンを使ったにもかかわらず,わずか4・5枚のページを作るのに,6時間以上かかったのでした。


 ということで,スライドショーはやめました。

 指導案作りはスタートラインに戻ってしまいました。


 それで,カリキュラムを熟読しながら2時間ほど思案した結果,「好きな本の紹介カード」作りをすることに決めました。

 これならあまり時間がかからず,楽しくやれそうで,なかなか良さそうな気がします。お絵描きソフトのみで作れますが,級友の作品を自由に閲覧できるように,出来上がった作品(画像)を「Composer」で編集して,htmlファイルとして保存させることにします。

 これまでは,スライドショーのツールとしてhtmlを使うことを考えていたのですが,この授業では,いつでも自由に閲覧するためのツールとしてhtmlを使うことになります。


 指導案を検討していただく際に参考例として見せるため,サンプルを作ってみました。子どもたちはこのようなページを作ります。

 実際に作ってみると,わずか1枚のページでも,全体の構成,文章,フォントの種類やサイズ,色合い,カットなど,工夫することはいくらでもあります。こんなのを7枚も作らせようとしていたなんて,ずいぶん浅はかでした。


 4ヶ月以上も前から考えてきた構想が,わずか一日で崩壊してしまうとは。見通しが甘過ぎました。

 でもとにかく,授業の目処が立って一安心です。



 明日も仕事です。もちろん。





 PHSとデータ通信カードを繋ぐ”ケーブル”を家に置いてきてしまい,今日はコンピュータ室からアクセスできませんでした。

 がっかりでした。




 アピールしたいこと(8月31日)

 昼過ぎに学校に出かけました。今日も大忙しです。

 まず運動会の競争遊技(ゲーム)の計画案を作り,次に子どもたちの読書感想文を読み,コンクールに出品するためのクラス代表を選びました。ここまでで3時間です。

 雑務を済ませた後,昨日の続きの研究授業の指導案作りに取りかかりました。昨日は授業の内容を練り直したり,サンプルの作品を作ったりしているうちに時間が過ぎてしまったので,指導案として文章化する作業はこれからです。

 授業は全部で4時間ほどかかるのですが,研究授業として先生方に公開するのは,そのうちの1時間のみです。

 初めは子どもたちが作品作りをしている場面を見ていただこうと思ったのですが,それよりも,出来上がった作品をホームページに貼り付け,ブラウザで閲覧し合う場面の方が良いような気がしてきました。子どもたちの技能をアピールするなら実際に作っている場面を見せた方が良いのですが,今後のことを考えると,ブラウザを使ったネットワーク機能の活用法やそのメリット(級友の作品を自由に閲覧できる)をアピールする方が”将来性”があるような気がします。

 ということで,この線に沿って指導案を立ててみました。

 これを明日,3年生の先生方に提案します。私たちの学校では,研究授業の際は,事前に他のクラスで”お試し授業”をやることになっているので,他クラスの先生方に理解していただき,了解をいただかなくてはなりません。


 先生方に覚えていただき,子どもたちに教えなければならない技能は以下の通りです。

・お絵描きソフト「キューブペイント」上での日本語入力(文字修飾含む)
・「Netscape Navigator(ブラウザ)」を使ってのホームページの閲覧
・「Netscape Composer(エディタ)」の一部の操作(画像貼り付け,保存,呼び出し,背景,日本語入力)


 私のクラスだけなら大丈夫だと思うのですが,ブラウザとエディタの操作は,他のクラスの先生方にはかなり抵抗があるかも知れません。もちろんサーバー側の設定はすべて私がやりますけど。

 引き受けていただけるかどうか,少々不安です。



 夏休みは終わりです。
 愚痴っても仕方ないので,気分を切り替えてがんばります。






 子どもたちは全員元気に登校してきました。

 宿題やってない子もいるけど,まあいいか。

 ぼちぼちがんばってもらいましょう。



 作戦成功?(9月1日)

 午後から学年部会がありました。

 2学期当初の予定や運動会の練習計画の打ち合わせ,夏休みの募集作品と読書感想文の審査などを済ませた後,研究授業の指導案の検討会を行いました。(授業の内容は,お絵描きソフトで作った作品をホームページに貼り付け,ブラウザで閲覧し合うというものです。昨日の日誌

 授業を行うのは私ですから,もちろん私のやりたいようにやればよいのですが,事前に”お試し授業”をやっていただくことになっているので,他の2人の先生方には授業の内容や操作手順をきちんと理解していただく必要があります。さっぱり分かっていただけなかったり,激しく抵抗され大幅修正を強いられたり,あるいは全面的に却下されてしまうと,これまでの苦労が水の泡となってしまいます。

 そこで今日の提案に向け,作戦を練り,準備を整えておきました。

 先生方の現在のレベルでは,コンピュータの授業の場合,文章化された指導案だけで内容を理解していただくことは困難です。例えば,マウスを数回クリックすればできる簡単な操作でも,「個々の作品がリンクされた学級ホームページを開いて,お互いの作品を閲覧させる」と書くと,”リンク”とか”ホームページ”の意味が分からなければ全く意味が通じません。

 そこで通常とは逆の手順で説明することにしました。まず最初に出来上がりの状態(サンプルとして作っておいたもの)を見せ,次に完成に至るまでの操作を実際にやって見せ,最後に指導案を読んでいただくという流れで進めていきました。

 また,説明する際には,「簡単です。」「〜するだけです。」などの語句を随所に散りばめるよう心がけました。(誇大広告かも)


 その結果,指導案はひとまず無事了承されました。やれやれ。やはりサンプル作品や操作手順を先に見ていただいてから説明したことで,指導案に書かれた内容がよく分かっていただけたのではないかと思います。


 ところで,お絵描きソフトで作った作品がどのパソコンからでも閲覧できるようになることだけはどうにも納得していただけなかったようです。

 Webサーバー云々の説明をしても混乱するだけだと思われたので,きちんと説明せずに,「そうなるように設定しておいた」とだけ答え,逃げてしまったのですが,このあたりの問題をどうするか,今後ますます難しくなるところです。

 近いうちに地区の全小中学校にイントラネットが導入されることを考えると,今回の授業のような使い方はぜひ知っていただきたいのですが,ワープロ程度しか使えない先生方にどこまで説明できるかというと,やはりいくらなんでもサーバーの説明までは無理です。でもそうするといつまでたってもほとんどスタンドアロン的な使い方しかできません。

 うーん,どうすれば良いのでしょう。



 それにしても「Netscape Composer」の画像処理機能は便利です。従来のやり方だと,画像フォーマットをjpg形式,ファイル名を半角英数にして保存しておかなければならなかったのですが,これは小学3年生にとってはかなりややこしい操作です。
 「NetscapeComposer」を使えば,お絵描きソフトの画面上の画像をコピー&ペーストできるので,大変ありがたいです。
 指導案が無傷で了承されたのも,この機能のおかげかも知れません。




 昨日は7時過ぎに寝てしまったので,今朝は3時に目が覚めました。

 これが生活リズム立て直しのきっかけになると良いのですが...。
 (9/2 5:30)






 練習開始(9月3日)

 10月12日の研究授業に向けて,クラスでの練習(=子どもたちへの指導)を開始しました。

 1学期の授業では,コンピュータの操作技能について,具体的な目標は特には定めず,できそうなこと,興味を持ちそうなことを手当たり次第にやらせてみました。たとえできなくても,中途半端なままで終わってしまってもお構いなし,とにかく子どもたちがコンピュータに親しんでくれればそれで良いという気持ちでやってきました。

 しかし,これからは目標をきちんと設定し,子どもたちの技量を確実にレベルアップさせていかなくてはなりません。

 研究授業までに子どもたちに身につけさせたい技能は,

・お絵描きソフト「キューブペイント」上での日本語入力(文字修飾含む)
・「Netscape Navigator(ブラウザ)」を使ってのホームページの閲覧
・「Netscape Composer(エディタ)」の一部の操作(画像貼り付け,保存,呼び出し,背景,日本語入力)


 です。

 このうち,お絵描きソフト上での日本語入力は1学期に実施済みです。とはいっても,子どもたちがコンピュータに触るのは2ヶ月ぶりです。そこで今日は,「2学期のめあてカードを作ろう」というテーマで,絵と文を組み合わせたポスター風のカードを作らせながら,日本語入力の復習を行うことにしました。


 授業の初めに,全員に問いかけながら確認しました。

「日本語を入力するための準備は?」
「漢字に変えるには?」
「カタカナに変えるには?」
「文字の大きさを変えるには?」
「文字のかたち(フォント)を変えるには?」
「文字を斜めにするには?」
「文字に縁をつけるには?」



 うーん...,子どもたちの頭の中は,完全に初期化されてはいないものの,やはり,あまり自信は無さそうです。久しぶりですし,小学3年生が行う内容としては難しいですし,仕方ありません。

 でも,とにかく日本語入力だけはいつでもできるようにさせたいので,もっともっと経験を積ませなくては。

 あっ,やらせ過ぎて子どもたちがパソコン嫌いになってしまわないよう,気を付けます。






 精神安定剤を服用し始めてから,熟睡できるようになったのは大変ありがたいのですが,この薬,ちょっと効き過ぎかも。

 昨晩は2時過ぎに寝て,朝8時ごろと昼12時前に目が覚めたものの,頭がぼんやりして,またすぐ眠りについてしまいました。結局起きたのは午後3時過ぎでした。

 それで起きるや否や,日誌を書いたり,昨日のアンケートの集計をしたりしているわけでして,この性格にはもう呆れてしまいます。




 進行状況と発表の準備(9月5日)

 10月の研究授業に向け,日本語入力の復習として行わせた「2学期の目標カード」作りは今日で完了しました。

 合計4時間(1単位時間は45分)かかりました。2人で1台のパソコンを使っていますから,一人あたり2時間(約90分)かかった計算になります。日本語入力に慣れてくれば,かなり時間を短縮できると思っていたのですが,結局1学期の頃と同じぐらい時間がかかってしまいました。

 いまだに4時間というのは,ちょっと時間がかかり過ぎのような気もしますが,しかし今回は,レイアウトや配色や文字の大きさなど,見やすさを意識させながら取り組ませたので,作品の質はかなり良くなってきました。

 私からの要求水準はだんだん高くなっているので,子どもたちも色々試行錯誤しているようです。



 9月8日に行われる「パソコン利用教育研究会」の発表の準備を始めました。

 今年の「パソコン利用教育研究会」は,中学校でのイントラネットの話題一色でここまできたのに,今回,小学校の私が発表することになってしまい,なんだかちょっとやりづらいなあという気持ちです。

 発表テーマは「子どもたちが作るホームページ」です。

 1年前なら,内容はどうであれ,子どもたちがホームページを作るということは,かなり目新しい試みだったのですが,中学校にイントラネットが導入された今となっては,ホームページを作ることなど,ワープロで文章を書くのと同じぐらいにごく普通の作業と言えるでしょう。実際MS「WORD」を使えば,全く意識することなくhtmlファイルができてしまいます。

 それでも,中学校でのイントラネットはまだ始まったばかりですし,小学生にホームページを作らせるケースはまだまだ珍しいと思うので,工夫したこと,というか,苦労話などをまとめていこうかと思っています。





 他のクラスの状況(9月9日)
 
 10月に行われる私の研究授業(公開する授業)に向け,他のクラスの先生方は大忙しです。

 私たちの学校の研究授業は,個人ではなく,学年単位で取り組むことになっており,3年生の他のクラスは,私が立てた指導計画に基づいて,事前に”お試し授業”をやらなければならないのです。”お試し授業”の結果を踏まえて指導案を手直しし,私が”本番(研究授業)”を行う手はずになっています。


 ところが他のクラスの先生方は,できることならコンピュータなどやりたくないわけで,1学期は授業をほとんどやっていないのです。しかもY先生などは,もともと音楽専科だったこともあり,自分自身が未だ超初心者状態なのです。

 私のクラスは1学期に週1〜2回のペースで授業を行い,技量を少しずつアップさせてやっとここまでたどり着いたのに,他のクラスは2日ほど前にようやくやり始めたばかりで,先生も子どもたちも”まだまだこれから”なのです。

 それなのに,ここ3週間のうちに,子どもたちに日本語入力やファイル操作の仕方を覚えさせ,ブラウザの使い方を覚えさせ,htmlエディタの一部の機能の使い方も覚えさせなくてならないわけで,これはかなりしんどい状況です。


 年度始めに,誰が授業を行うかということを話し合ったとき,「指導的な立場の私(fukufuku)が授業をやるのはおかしい」ということで,私より10歳ほど年輩の先生がやると言いだしたのですが,やはりそれはちょっと申し訳ないし,何だかエラぶっていると思われるのも嫌だったので,私が引き受けることにしたのですが,もしかしたら,やはり他の先生にやっていただくことにしておいた方が良かったのかも知れません。

 自分がやるとなれば,もっと以前から必死にならざるを得なかったでしょうから。





 自主研修会(9月10日)

 10月に行われる研究授業に向け,授業後に3年生担任による自主研修会を行いました。

 自主研修会を開いたのは2学期になってこれで4度目なのですが,これまでのところ,毎回同じ内容を繰り返し練習しています。

 というのも,お絵描きソフトの画面上に表示されている絵をコピーしてNetscape Composer(htmlエディタ)の画面上にペーストする操作が未だにできないのです。

 「いったい何度練習すれば覚えてくれるのですかぁ。」(泣)
 「子どもたちなら2回も練習すれば覚えてしまいますぅ。」
 「しっかりしてくださいよぅ。」


 などと思いつつも,もちろん口には出しません。

 とはいうものの,今日の私は少々口調がきつくなってしまいました。


 でも私なんかより,先生方の方がおそらくもっと歯がゆい思いをしているのですよね。

 反省してます。





 機械音痴(9月12日

 先週の金曜日の授業後にも,隣のクラスのY先生と”自主研修会”を行ったのですが,すでに5度目の練習にもかかわらず,今回も,「お絵描きソフトの画面に表示されている画像をコピーし,htmlエディタの画面上にペーストする操作」を自力でできるようにはなりませんでした。

 手順は,

1 お絵描きソフト「キューブペイント」を立ち上げる。
2 画像ファイルを呼び出し,画面に表示させる。
3 範囲指定してコピーする。
4 「キューブペイント」を閉じる。
5 htmlエディタ「Netscape Composer」を立ち上げる。
6 画像貼り付け用ファイル(白紙のhtmlファイル)を開く。
7 コピーしておいた画像をペーストする。
8 上書き保存する。
9 「Netscape Composer」を閉じる。
10 ブラウザ「Netscape Communicator」で確かめる。


 これだけの操作ができないのです。いつも途中でパニック状態になってしまいます。何回練習しても駄目なのです。(自宅でも練習しているそうです。)

 典型的な「機械音痴」ですね。
 (機械音痴:機器やソフトウェアの一連の操作を,説明を聞いていたときは分かったつもりなのに,実際にやろうとするとできなくなる人のこと。機械音痴の原因は,課題分割ストラテジーがとれない,つまり課題を下位の課題に分割することができないことにある。岩波新書「新・コンピュータと教育(佐伯胖著)より)

 10個の手順の一つ一つの操作の内容,つまり今自分が何をしていているかが分からない。したがって次に何をやるべきかの見当がつかない。しかも丸暗記するには量が多すぎるということなのでしょう。

 Y先生だけでなく,教員の中には何十年もの間,コンピュータとは全く無縁の生活を送ってきた”文系タイプ”の方が多いと思うのですが,こういう方々に対してどのようにアドバイスしていけば良いのか悩んでしまいます。

 とりあえず手順を記したマニュアルを作り,それを見ながらやっていただくことしか思いつきません。




 機械音痴の対策(9月14日)

 10月に予定されている私の研究授業に向け,事前に”お試し授業”をやらなければならない3年生の先生(2名)は,連日大忙しです。

 最近のコンピュータ室は3年生の独占状態で,今日も2クラスがそれぞれ2時間ずつの計4時間使ったそうです。

 授業後には今月6回目の自主研修会を行いました。もちろん今日も,「お絵描きソフトの画面に表示されている画像をコピーし,htmlエディタの画面上にペーストする操作」の練習がメインです。

 とにかくこれを覚えていただかないことには”お試し授業”ができません。

 そこで今日は”マニュアル”を用意しておきました。もっと早い時点で用意すればよかったのですが,たったこれだけの操作を覚えていただくのに,まさかこれほどまでに難航するとは思っていなかったので,タイミング的にはずいぶん遅くなってしまいました。


 「機械音痴」対策として,一連の手順を下記のように課題分割してみたのですが,こんな分け方で良いのかな。先生方の頭が整理され,理解が早まると良いのですが。

1 お絵描きの絵をコピーする作業
 (1) お絵描きソフト「キューブペイント」を立ち上げる。
 (2) 画像ファイルを呼び出し,画面に表示させる。
 (3) 範囲を指定してコピーする。
 (4) 「キューブペイント」を閉じる。

2 コピーした絵をホームページに貼り付ける作業
 (1) htmlエディタ「Netscape Composer」を立ち上げる。
 (2) 画像貼り付け用ファイル(白紙のhtmlファイル)を開く。
 (3) コピーしておいた画像をペーストする。
 (4) 上書き保存する。
 (5) 「Netscape Composer」を閉じる。

3 ブラウザで確かめる作業
 (1) 「Netscape Communicator」を起動する
 (2) 学級トップページを開く。
 (3) 自分の名前(リンク)をクリックする。


 このマニュアルに書いてあるとおりにやれば,たとえ操作の内容が理解できなくても,とりあえずはできてしまうのですが,これらの操作は先生方自身が行うことではなく,子どもたちに教える内容なので,できればきちんと理解した上で指導にあたっていただきたいです。

 でもやはり無理なのかなあ。


 Y先生による第一回目の”お試し授業”は9月22日です。そろそろ秒読み開始ですね。

 果たして無事間に合うのでしょうか。

 「がんばれ!Y先生」
 「がんばれ!3組の子どもたち」






 簡単ですね(9月16日)

 10月に行われる研究授業では,お絵描きソフトで作成した絵をhtmlエディタ(Netscape Composer)で編集させ,簡単なホームページを作らせるつもりでいるのですが,絵と文字だけではちょっとつまらないので,さらにWAVEサウンド(.wav)も組み込ませて,「しゃべるホームページ」を作らせてみたいと,昨日急に思い立ちました。

 そこで,何度練習しても未だ「お絵描きソフトの画面に表示されている画像をコピーし,htmlエディタの画面上にペーストする操作」を覚えていただけない状況であるにも関わらず,恐る恐る遠慮がちにこのことを先生方(2名)に提案してみました。

 「あのう,絵や文章だけでなく,子どもたちの声もホームページに載せたいのですが...。」

 そしたら,何と!

 「それは面白そうですね。」
 「絵を貼り付けるだけならすぐに終わってしまいますからね。」


 あれれれれ?

 あれほど難航していた操作が,いつの間にか,

 ”すぐに終わってしまう”操作

 になっています。

 いつも途中でわけが分からなくなってわめき散らして悩んでいたY先生から,そのようなお言葉が発せられるとは!


 思わず拍子抜けしてしまいました。というか,とっても嬉しかったです。


 どうやら,この連休中にずいぶん特訓したようですね。「機械音痴」向けマニュアル(自作)を渡しておいた甲斐がありました。


 さらにそれどころか,今回新たに取り入れようとしている音声の録音・保存作業さえも,あらかじめ用意しておいたマニュアルを見ていただきながら紹介したところ,

 「わりと簡単ですね。」

 と言われてしまいました。


 ついこの前までは,コンピュータの授業をやるのが嫌で嫌で仕方がなかったY先生ですが,たった一つのきっかけでこんなにも自信がついてしまうのですね。





 これなら大丈夫(9月17日) 

 現在,10月に予定されている研究授業に向け,学年全体で準備や練習に取り組んでいます。今日もまた,授業後に自主研修会を行いました。今月に入ってこれで8回目です。


 本番(研究授業)に先立って,”お試し授業”を行うことになっているY先生のクラスでは,いよいよ明日,子どもたちに,「お絵描きソフトの画面に表示されている画像をコピーし,htmlエディタの画面上にペーストする操作」「音声をWAVEサウンド(.wav)として録音し,保存する操作」を教えることになっています。

 この2つは,今回の研究授業の成否の鍵を握る最も重要な操作です。

 ところが私は,この2つの操作をY先生が”自力で”やり遂げるところを,まだ一度も見たことがありません。


 連休中に猛特訓したためか,昨日のY先生はかなり余裕が出てきた様子だったので楽観はしているものの,やはり少々心配です。


 そこで本日の研修会では,明日の”予習”(Y先生が自力でできるかどうかの確認)を行うことにしました。



 さて,その”予習”の結果ですが,期待していた通り,バッチリうまくできました。(私が用意したマニュアルを時々見ながらでしたが)

 私自身の目でそれを確かめることができ,ホッと一安心です。

 この調子なら明日の授業はきっとうまくいくことでしょう。



 考えてみると,パソコン嫌いで,しかも全くの初心者であるY先生に対して,わずか2週間あまりのあいだに,

・お絵描きソフトの各種描画機能の操作
・(お絵描きソフト上での)日本語入力と文字修飾
・ブラウザの基本操作
・htmlエディタのごく初歩的な操作
・異なるウィンドウ間でのコピー&ペースト
・マルチメディアタイトル作成ソフトを使っての音声入力


 これだけのことを要求してきたわけで,ずいぶん無理を強いたものです。


 ですが今では,マニュアルを見ながらとはいえ,これらすべてをほぼマスターしたのですから,全く頭が下がる思いです。





 ええ,昨日は気絶睡眠でした。

 一日遅れですが,はずしたくないネタなので,アップします。


 時間の読みが難しい(9月18日)

 10月に行われる研究授業に向けての練習として,Y先生のクラスで,

・お絵描きソフトの画面に表示されている画像をコピーし,htmlエディタの画面上にペーストする操作
・音声をWAVEサウンド(.wav)として録音し,保存する操作


 を行いました。

 「コピー&ペースト」「音声入力」も,Y先生のクラス,というか3年生の子どもたちにとっては”初めて”の経験です。”お試し授業”を行う他のクラスの授業を先行させているので,本番(研究授業)を行う私のクラスではまだやっていません。

 そこで,当初の予定にはなかったのですが,”初めて”取り組む子どもたちの様子をぜひ見ておきたいと思い,急遽,授業を参観させていただくことにしました。



 さて,子どもたちはとても張り切って取り組み,多少の戸惑いや失敗はありましたが,「コピー&ペースト」「音声入力」も,ほぼ全員が無事やり終えることができました。しかしながら,時間がずいぶんかかってしまいました。

 本番では,これらの操作を20分(一人あたり10分)でやらなければならないのですが,今日は約60分(一人あたり30分)もかかってしまいました。

 これは大変な誤算です。

 大人(私)がやれば,3分程度でできてしまうのに,”初めて”とはいえ,これほど時間がかかってしまうとは。やはり小学3年生にここまで要求するのは無理なのかな。もう少し練習させたとしても20分(一人あたり10分)以内に短縮するのはかなり難しいかも。

 うーん,授業の構想を根本的に見直さなくてはならないのかなあ。

 しかしながら,「コピー&ペースト」「音声入力」は,今回の研究授業の”目玉”なのです。子どもたちはとても楽しそうに取り組んでいましたし,確かに時間はかかり過ぎましたが,能力的にみて,決してできないことでありません。

 計画を変更せずに何とか時間内におさめる方法はないかと思案しています。

 コンピュータを使った授業は,時間の読みが難しいので,先行実施している他のクラスの様子を参考にしながら授業構成を考えているのですが,私自身が教えれば,子どもたちはもう少しテキパキ操作できるのではないか(傲慢です)との気持ちもあり,そのあたりの見極めが難しいです。





 今日も朝から学校にいます。

 運動会の準備やら「30人31脚」の練習やらで一日が過ぎてしまいそうです。(9/20 11:30)



 初心者への教え方(9月19日)

 昨日参観したY先生の授業では,子どもたちの活動の様子を見るの目的だったのですが,Y先生の教え方も大変興味深く拝見していました。というのは,コンピュータ操作の教え方が私とはまるで違っていたのです。

 私は,研修会で先生方に教える際も,授業で子どもたちに教える際も,教えたい操作内容をいくつかの”まとまり(ステップ)”に分けてから教えています。(注:以前,いくつかの”まとまり”に分けることを「課題分割」と書いたのですが,neantさんによると,この場合に「課題分割」という用語を使うのは適切ではないとのことです。)

 まず私が最初のステップをやって見せ,それから先生方(あるいは子どもたち)に実際に操作していただき,それが済んだところで次のステップに進む,というやり方をしています。私が今まで受けた研修会でもそのようなやり方をしていましたし,それが普通のやり方だと思っていました。

 ところがY先生は違うのです。

 Y先生の教え方は,”クリック”ごとなのです。

 Y先生が”アイコンA”をクリックしたら,子どもたちも一斉に”アイコンA”をクリックし,次にY先生が”アイコンB”をクリックしたら,子どもたちも一斉に”アイコンB”をクリックするというやり方なのです。

 つまりY先生の操作と子どもたちの操作とがほぼリアルタイムで進んでいくのです。(注:先生のパソコンの画面は,教室正面のスクリーンに拡大表示されているので,子どもたちはそれを見ながら操作します。)

 なるほど,確かにこのやり方なら子どもたちが失敗する確率はかなり少なくなりますね。

 そういえば私も,日ごろの授業ではそのような教え方をすることがあります。例えば漢字の書き順を教えるときとか水泳のクロールの手のかき方を指導するときなどです。考えてみればこういう教え方って,小学校では日常的に行われています。

 でも,このように理屈抜きで体得させるやり方は,コンピュータの操作を教えるときにはあまり効果的ではないような気がしました。

 ここでふと思い出したのが,先日の”機械音痴”の話題です。Y先生の教え方を見ていると,一連の操作の流れに全く区切りがありません。どうやらY先生の頭の中では,教えたい操作内容が下位課題に分かれていないらしいのです。

 別の言い方をすると,私は,「コピー&ペースト」は今回の授業だけでなくこれからも使う場面が必ずあると思うので,これを機会にやり方を覚えてもらおうと考えているのに対して,Y先生は,今後の活動に役立たせることはまるで念頭に無く,この授業での「コピー&ペースト」が成功すれば良いという発想だと思うのです。


 それで授業後にその話をしたところ,もう一人のS先生も,Y先生と同じやり方をしているそうです。まとまり(ステップ)ごとに教えると,子どもたちが途中で忘れてしまいそうなので心配だとのことでした。

 確かにそうなのです。

 私のようにまとまりごとに教えるやり方だと,先生方も子どもたちも途中で忘れてしまうのです。それでいつも私は手順を記したマニュアルを用意したり,同じことを何度も繰り返して教えたりしなければならない羽目になってしまうのでした。

 それではいったいどういう教え方をすれば良いのか。

 コンピュータの教え方って難しいです。



 仕事をしに学校に来ているのに,日誌を書き始めてすでに3時間も過ぎてしまいました。

 さあ,仕事仕事!






 続,教え方(9月21日)

 10月に行われる研究授業に向け,他の先生方と取り組んでいく中で,”機械音痴””子どもたちへの教え方”といったテーマがクローズアップされてきました。

 私たちの学校では,今のところは,「子供たちは喜んだ」「センセイたちはパニックに陥った」という状況なのですが,教え方を誤ると,近い将来には学校においても,大人たちの社会と同じように,”パソコン不適応”が出現してしまうような予感すらしてきました。

 考えてみれば,コンピュータが普及し,ネットワーク社会が進展していく中で,その流れについていけない方々をどのようにして救ってやるかという問題は,今後ますます重要になっていくと思われます。

 そこでこの問題についてもう少し考えてみることにしました。


 ”機械音痴”や”課題分割”については,neantさんよりアドバイス(日記&メール)をいただき,ずいぶん参考になりました。ありがとうございます。

 今回はneantさんからご紹介いただいた手法をたたき台にして,考えてみることにします。

(以下の文章は,neantさんの文章からの引用ではなく,すべて私の言葉で書いています。文責はすべてfukufukuにありますのでご承知おき下さい。))


 私(fukufuku)は,まず手順を設定し,それを下位課題(?)に分割することを考えたのですが,neantさんによると,初めに手順ありきでは駄目なのです。

 手順を覚えてもらうための”区切り”として下位課題に分けるのではなく,課題を実行するためにはどんな下位課題が要求されるかを洗い出し,それから手順を決めていくべきであり,そうすることで応用が利きやすくなり,身に付けた知識なり技能なりを他の場面で生かしていくことができるようになるとのことです。(ただし,そうすると場合によってはいくつもの手順が考えられるため,混乱が生じてしまう恐れもあるとのことです。)


 このことは,私自身の経験と照らし合わせても大いに納得できるところです。


 さて,それではこの考え方を,「小学校」という場にどのように取り入れていけば良いのでしょうか。


 子どもたちに教える際にも,課題を達成するためにはどんな下位課題が必要とされるかを考えさせることは有効だと思います。それが無理だとしても,今自分が何をしているかぐらいのことは意識させながら教えていく必要はあると思います。

 先日のY先生のようにやはり”操り人形方式”では,その場限りで終わってしまい,応用が利かないような気がします。その上結果的に子どもたちに丸暗記を強要することになり,”パソコン不適応”を出現させる一因となりかねません。


 しかし,いくら応用が利きやすいからといって,下位課題を組み合わせて手順を決める作業までもを子どもたちに要求するのは,ごく一部の優秀な子どもなら可能でしょうが,クラス全員を相手にするわけですから,発達段階から考えて,かなり無理があるような気がします。手順を決める作業は,多くの場合,教師がやった方が良いように思います。

 しかも課題達成には直接関係ない余分な知識を教えるのは避け,必要最小限のことだけを教えながら最短の手順で達成できるように導いてやった方が良いと思うのです。子どもたちに教える場合には,応用の利きやすさよりも,教える内容全体がシンプルであること,つまり覚えやすいことを優先させなければならないと思うのです。



 こんな風に考えていくと,小学生の子どもたちにコンピュータの操作を教える際には,今何をしようとしているかを常に意識させるとともに,応用の利きやすさをある程度犠牲にしてでもできるだけシンプルに教えていこうとする姿勢が大切なのではないかと思います。


 うーん,強引に結論づけてしまったような気もします。果たして理解していただける文章になっているかどうか。




 初心者から学ぶもの(9月26日)

 10月に行われる研究授業の準備をしています。

 私が行う本番の授業(研究授業)に先だって,他のクラスでも私のクラスと同じように取り組んでいただいているのですが,当初の計画(あるいは設計)のままでは,少々不都合な部分も出てきているので,手直しをしました。

 他のクラス(3年生)の担任は2人いて,一人は全くのパソコン初心者のY先生,もう一人はパソコン歴推定10年(ただしよく使うのはDOSソフトで,Windowsの経験はあまり無い)のP先生です。

 今回の授業に対するお二人の取り組み方は対照的です。

 Y先生は,授業後にコンピュータ室に何度も足を運んで特訓しています。そして授業の進め方やソフトの操作について私によく質問してきます。

 一方P先生は,ほとんど意見も言わず,黙々と一人でやっています。

 両者を比べると,私にとってありがたいのは,実はY先生です。

 パソコン初心者のY先生は,私が立てた授業計画やWebの基本設計について,難しい部分や面倒な部分について愚痴って率直に言ってくれるので,私は新たなアイディアを考え出したり,見落としていた部分に気づいたりできるのです。

 DOS時代からパソコンを使っているP先生には,おそらくパソコンとは”面倒なことを強いられるもの”という認識が染み付いているのでしょう。ですから私が決めたやり方に対してさほど疑問を抱かず,文句も言わず,忠実に実行しようとしている(言い過ぎか?)のじゃないかなと思うのです。

 もちろん両者の対応の仕方の違いには,性格的なものも多分にあるのでしょうが。



 それでそんなことを考えていたら,本当に使いやすいソフトはパソコンをよく知っている人間の手だけでは生み出すことはできないのではないかと,ふと思いました。

 Windowsって,一見使いやすそうに見えても,ちょっと何かやろうとすると複雑な操作を強いられます。実は決して素人の手に負える代物ではないと思ってしまうのは私だけでしょうか。「ヘルプ」なんて,肝心のところでは意味不明の用語を並べ立てているだけで,ちっとも親切じゃないでしょう?



 明日は運動会です。早起きしなくっちゃ。




 雨で運動会が中止になってしまいました。
 あーあ。
 当初の予定通り,明日は休みで,運動会は明後日です。

 休みの回数は変わりませんが,何だか損した気分です。


 お試し授業−Y先生の巻(9月27日)

 10月12日の研究授業まであと2週間に迫ってきました。今日はY先生のクラスで”お試し授業”を行いました。”お試し授業”とは,本番(研究授業)と同じ内容で,本番に先だって行う授業のことです。ここで出された問題点を修正して,私が本番の授業に臨むことになっています。

 ですから,Y先生やY先生のクラスの子どもたちは,私や私のクラスの子どもたちと同じことができなければならないわけで,授業後に何度も自主研修を行うなど,パソコン初心者のY先生にはかなりの苦労(というよりも苦痛かな?)を強いてきました。それでも本日,授業直前のY先生はかなり不安そうなご様子でした。


 ところで今日の”お試し授業”では,私が計画した授業の時間配分がうまくいくかどうかが最大の関心事でした。

 授業は,お絵描きソフトで作成した画像をホームページに貼り付け,音声をwaveサウンドファイル(.wav)で保存して,”しゃべるホームページ”を作成する前半部分と,出来上がったホームページを閲覧し合い,感想を発表したり,反省点をまとめたりする後半部分に分かれていて,今回の指導計画では,前半部分を25分,後半部分を15分,その他の活動を5分に設定してみました。

 ところが先日Y先生のクラスで行った練習では,前半部分だけで60分(一人あたり30分)もかかってしまったのでした。これを何とか半分以下の時間に短縮しなければなりません。

 そこでY先生に無理をお願いして,これまでY先生がやってきたやり方−先生が”アイコンA”をクリックしたら,子どもたちも一斉に”アイコンA”をクリックし,次に先生が”アイコンB”をクリックしたら,子どもたちも一斉に”アイコンB”をクリックするというやり方−ではなく,私がいつもやっているやり方−まず先生が一通りやって見せてから子どもたちにやらせるやり方−に変えていただくことにしました。このやり方だと,途中で操作の仕方を忘れてしまってついていけなくなる子どもが出る恐れは高いのですが,時間は確実に短縮できます。


 さて,このようにして授業を進めていただいたところ,前半部分がY先生の説明を含めてわずか20分程度でできてしまいました。Y先生の説明が5分として,残りの15分を2で割って,一人あたり7分しかかかっていません。平均7分ではなく最大7分なのです。練習時(60分)の何と3分の1に短縮したのです。

 子どもたちの上達ぶりには驚くばかりです。



 Y先生の教え方の上達ぶりにも驚きました。





 お試し授業−P先生の巻(10月2日)

 10月12日の研究授業に向け,2回目の”お試し授業”をP先生のクラスで行いました。

 授業は,お絵描きソフトで作成した画像をホームページに貼り付け,音声をwaveサウンドファイルで保存して,”しゃべるホームページ”を作成する前半部分と,出来上がったホームページを閲覧し合い,感想を発表したり,反省点をまとめたりする後半部分に分かれています。

 前回”お試し授業”を行ったパソコン初心者Y先生のクラスでは,難航が予想された前半部分の操作が驚くほど順調に進み,私が立てた指導計画よりも短時間でできてしまったほどでした。

 しかしながらY先生の授業では,後半部分の活動が遅れがちになってしまい,授業全体は1単位時間(45分)に収まりきらなかったのでした。

 そこで今回は,後半部分の授業の進め方を一部変更するとともに,時間配分も長くして,授業に臨んでいただくことにしました。


 その結果,今回の”お試し授業”では,前半部分は予定通り20分,後半部分も何とか23分程度に収まり,その他の時間(2分程度)を含めて,すべての活動を時間内に終わらせることができたのでした。さすがP先生です。

 これで安心です。今回の指導計画通りに進めていけば,本番(研究授業)はうまくいきそうです。


 しかしながら,すべての活動を45分間に収めてしまうと,授業全体が少々せわしない感じになってしまったのでした。(苦笑)

 先生方が恐れをなし,後込みしてしまうと困るので,口には出しませんでしたが,異なるウィンドウ間でのコピー&ペーストを行わせるなど,わずか45分の授業の中で4つのアプリケーションを扱わせているわけで,小学校3年生にやらせる内容としてはかなり難易度が高いのです。

 それをきっちり時間通りにやってしまうP先生の力量,子どもたちの覚えの早さには感心してしまうのですが,内容的にかなり盛り込み過ぎてしまったようで,ちょっと欲張りすぎたかなあという感じです。

 ですが,もはや変更はしません。



 ところで今回発生したトラブルの中で気になることが一つありました。

 アップロード作業を行わなくてもWebページがリアルタイムに更新されるようにするため,指定したファイル(すでにトップページからリンクしてある)を使って作業を行わせているのですが,一部の子どもが番号(=フォルダ名)を間違えてしまったため,一つのファイルを2人で共用する事態が生じてしまったのでした。

 その結果,一つのファイル内に2人の子どもの作品が収録されてしまったり,上書きされた結果,先に保存した子どもの作品が消えてしまうなどのトラブルが発生してしまいました。

 些細なミスから生じたトラブルですが,コンピュータ操作のやっかいな一面を思い知らされました。



 さて,いよいよ本番を迎えるだけです。



 仕事をすっぽかしてまで眠らせていただいたおかげで,ようやく運動会の疲れが消え,慢性睡眠不足の疲れのみの状態に戻ったようです。

 やれやれ。





 作業開始(10月7日)

 10/12の研究授業に向け,子どもたちの準備作業も本格的に始まりました。当日は,お絵描きソフトで作った作品をホームページ上に貼り付ける作業を行うので,その作品作りを始めました。

 子どもたちが作っているのは「好きな本の紹介カード」です。お絵描きソフト上で,文章と絵を組み合わせて作ります。(作品例)


 日本語入力は1学期から練習させていて,最近はキー操作に戸惑うこともなくなり,入力するスピードもずいぶん上がってきたので,あまり心配はしていなかったのですが,予想に反してかなり難航しています。

 コンピュータの操作は問題なくできるものの,誤字・脱字・文法ミスの類が大変多いのです。つまりコンピュータの操作云々ではなく,それ以前の国語力(作文力)に起因するミスでつまづいているのです。今回は研究授業の準備ということで,子どもたちもずいぶん張り切っており,今までより長い文章を入力しています。そのためいつも以上にこのようなミスが続出しています。

 コンピュータの操作がいくら上達しても,こういうところはやっぱり小学3年生なんだなあと実感しています。


 さて,ミスをするのはまあ仕方がないのですが,その修正作業がとても難しいので困ってしまいます。

 お絵描きソフト上で入力している,つまり入力した文字が画像として処理されてしまうので,ワープロのように簡単に修正ができないのです。しかも子どもたちは,フォント,色,サイズ等を自分で選んで入力しているので,それらを”再現”するのが大変難しいのです。

 子どもたちが修正した作品を見てみると,途中からフォントが変わってしまったり,文字の色やサイズが微妙に違っていたりするのです。

 それもやむを得ないこととはいえ,ちょっと気の毒です。




 オリエンテーション(10月8日)

 午後から,10/12の研究授業についてのオリエンテーション(事前協議)が開かれました。

 私たちの学校でのオリエンテーションは,まず提案者(授業者)が授業のねらいや概要,これまでの取り組み状況などを説明し,その後参観者からの質疑を受けるかたちで話し合いが進められます。

 まずは提案者である私たち3年生が,P先生は学年全体の取り組み状況について,Y先生はお試し授業の様子について,そして授業者である私は授業のねらいや指導過程(1時間の授業の流れ),子どもたちの様子などについて,それぞれ担当して説明を行いました。


 次は他の先生方からの質疑です。

 学会などの研究発表と同じで,ここでの質疑応答はとても大切です。いい加減な受け答えをすると信用を無くしてしまうので,提案者としてはどんな質問が出てもきちんと対応しておきたいところです。思わず身構えてしまいます。


 ところが....,


 質問が出ないのです。

 少ないながらも出てくる質問は教科(国語)に関するものばかりです。コンピュータ関連で出た質問といえば,

 「作品(本の紹介カード)はすでに作ってあるのに,本番ではいったい何をやるのか?

 「この授業を行うためには,子どもたちはどんな技術を身につけなければならないのか?


 など,授業の内容を理解していないとしか思えないような質問ばかりなのでした。

 うーん...,

 もしかしたら先生方の頭の中には授業の全体像が全くイメージされていないのかも知れません。

 説明の仕方がまずかったのかなあ。

 今度の授業では先生方が日頃使っていない(あるいは知らない)ソフトウェアを使います。その点をもう少し配慮して説明すべきだったのかも知れません。


 まあ,百聞は一見に如かずという言葉もありますから,授業の中身は見てのお楽しみということにしておきましょう。(苦笑)<それで良いのか?


 通常は1時間ほどかかるオリエンテーションが,わずか25分足らずで終わってしまいました。





 ちゃんとあるかな?(10月9日)

 いよいよ来週月曜日は研究授業です。私も子どもたちも準備の作業はすでに終えているので,あとは本番を待つばかりです。

 今日の授業では,本番で使うファイル(作品)がちゃんとあるかどうかを確かめさせました。何しろ先日のY先生のお試し授業では,何故かある子どもの作品が消失してしまっていたため,とても困ってしまったのでした。急遽間に合わせでテキトウに作らせてはみたものの,結局その子はまともに授業に参加することができませんでした。

 またP先生のお試し授業では,何故か通常とは異なるファイル形式で作品を保存してしまっていた子どもがいて,探し出すのに一苦労でした。

 それに私のクラスでも,以前,ある子どものファイルが何故か別の子のファイルに上書きされてしまっていたため,作業が続行できなくなったのでした。そのときは上書きした子もされた子も涙ぐんでしまいました。

 でも,今回は大丈夫です。クラス全員が本番で使う作品を無事開くことができました。安心しました。


 あ,忘れてました。

 明日,念のためにクラス全員のファイルをバックアップしておきます。





 研究授業当日(10月12日)

 ついに研究授業当日を迎えました。

 私たちの学校では,「研究授業」は全教育活動の中でもかなり重要な位置づけがなされていて,これが終わると1年が終わったような気持ちになるほどです。私のクラスのこれまでの授業は,常に研究授業を見据えて実施してきたと言っても過言ではありません。


 実は今朝は最悪なのでした。

 櫃まぶしオフの後,朝帰りした昨日は,午前中3時間ほどうとうとしたものの,昼を過ぎてからはすっかり目が覚めてしまい,これじゃあいかんと思って早めに安定剤を服用したのですが,結局2時過ぎまで眠れませんでした。

 朝起きたときは,睡眠不足に加え,安定剤の影響で頭がボーッとしており,気分最悪でした。

 しかしそんなことは言ってられません。担任が不機嫌だと子どもたちは活発に動いてくれません。授業を成功させるためには,子どもたちをいつも以上にリラックスさせておく必要があります。とにかく2時間目の研究授業が終わるまでは,何があろうとニコニコしていようと決心したのでした。

 ところが,作り笑顔で教室に入ったとたん,子どもたちが一斉に私のもとに駆け寄って来るのです。

 「先生,宿題忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」「忘れました。」 「忘れました。」

 なんと,クラスの半数近い15名もの子どもが宿題をやってこないのです。

 うぐぅ...。

 眠気は吹っ飛んだものの,怒り心頭状態(<まだまだ青いです)になってしまいました。だって15人ですよ,宿題忘れが。


 しかしながら研究授業の時間が迫ってきたので,気をとり直して授業の用意をさせようとしたら,一人の子どもが,

 「ボク,まだできてないんですけど....」

 「何が?」

 「いんさつ。」(自分の作品のプリントアウトです。今日の授業で音声入力の際に使います。)

 「エーッ!先週の金曜日に全員できたかどうか確かめただろ。そのときは何も言わなかったじゃないか!どうして授業の直前になって言うんだよお!」

 「...」(しくしく)

 「泣くなよー。泣いたって誰も助けてくれないぞ。あ,そうだ。下書きがあっただろ下書きが。それ使いなさい。」

 「家に置いてきた。」


 そんなハプニングもあって少々ドタバタしましたが,でも開始時刻までには何とか準備が整いました。



 さて,授業が始まりました。

 ちょっとしたトラブルはあったものの,子どもたちはいつも以上に張り切って取り組み,ほぼ計画通りに順調に進めていくことができました。

 日本語入力,お絵描き,音声入力に加え,ホームページ編集,ブラウザでの閲覧など,4つのアプリケーションとネットワーク機能を駆使して,私自身のアイディアと技術をフルに生かすことができたので,個人的には大満足です。

 しかしながら,”コンピュータの授業”という視点でみると十分満足できる出来栄えだったものの,”国語の授業”という視点でみるともう一工夫必要だったのかなという気もしました。

 授業後に行われた研究協議会でも先生方から同様の意見が出されました。


 でも,とにかく,終わりました。

 半年間背負ってきた肩の荷がおりました。

 やれやれ。




 研究授業及び協議が終わった後,”お試し授業”をやっていただくなど全面的にご協力いただいた二人の先生方からしみじみ言われました。

 Y先生「私,毎晩家で練習しました。

 ご苦労様でした。学校でも毎日のように練習していましたね。

 P先生「俺は朝5時半に学校に来て練習したよ。」

 絶句。毎朝遅刻スレスレに出勤している私には想像すらできませんでした。

 本当にありがとうございました。









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