話題で選ぶ運営日誌

「職員研修会」の巻 その3



 授業の回数を増やす研修(8月30日)

 休み明け(9月2日)に校内コンピュータ研修会が開かれます。今度は何をやろうかと悩んでいます。

 今までに実施したのは,「ソフトや機器の紹介と使い方」「授業の進め方(例)の紹介」などです。

 今度の研修会では,「コンピュータを使った授業の回数を増やすための研修」を行いたいです。1学期のコンピュータ室は閑古鳥状態でしたから。

 もちろん今までに実施した「ソフトや機器の使い方」や「授業の進め方」の研修も,コンピュータの授業を積極的にやっていただくために実施しているのですが,今回はもっと直接的に授業の回数が増えるアイディアはないかなと考えています。

 これまでに実施してきた研修を通して分かったことは,ある一つの例を紹介したとしても,それが直ちにコンピュータの授業を行うきっかけにはならないということです。

 結局,日ごろ行っている授業の中の,どの場面でどのソフトをどのように使うか,ということまで考えていただくようにしないとだめだということです。

 幸い私の学校には,すぐに教科の授業で使えるソフトがいくつかあるので,その一つ一つの中身(プログラム)を検討していただいて,「いつ」「どの教科」で「どのソフト」を「どのように使うか」というように,かなり具体的に考えていただくことができるようしていきたいです。

 もちろんいかなる場合でも,コンピュータを使った方が良いなどとは考えていませんし,市販のソフトの中には使いものにならないものもたくさんありますが,このままではいわゆる「食べず嫌い」で終わってしまいます。せめて,実際に使ってみてその善し悪しを検討していただきたいものです。

 この方向で,もう少し具体的に研修会の内容を考えていきます。





 校内研修会の準備(9月4日)

 思わぬ事情によりボツになりかけたコンピュータ研修会ですが,無理を言って明日実施していただけることになったので,授業後に準備を行ないました。

 今回の研修会のテーマは「コンピュータを使った授業の回数を増やす」です。

 そのために,明日は,導入されている学習指導用ソフトウェアを実際に触っていただきながら,コンピュータの授業の計画表を作成していただくことにしました。今後はその計画にしたがって授業を進めながら内容を吟味していただき,来年度以降の参考資料として役立てていくつもりです。

 本当は,先生方が自主的に計画を立てて実施した結果を累積しておき,それを来年度の参考資料としたかったのですが,結局ほとんど成果がないまま1学期が終わってしまいました。学期初めのこの時期を逃したら,また2学期もずるずると過ぎてしまいそうなので,少々強引ですが研修会の場で計画を立てていただきたいと思っています。

 そこで明日の研修会に備えて,教科の授業ですぐ使えそうなソフトの学年別のリストと月ごとの授業計画の記入用紙を作っておきました。


 W中学校のK先生を講師として招いて行われた昨日の研修会(私は不在)では,学習指導用ソフト「マ○○○○ク」の活用例の紹介とMS「NetMeeting」の操作方法の研修が行われた模様です。

 「マ○○○○ク」は本年度できるだけ授業で活用していただきたいと考えていましたし,MS「NetMeeting」は夏休み直前に導入されたので,まだ先生方には紹介していませんでした。

 ですから,私もいつかはやらなければと考えていた内容を代わりにやっていただけたということで,結果的にはずいぶん助かりました。

 それから,

 K先生から「コンピュータ室の環境がこれほど整っている学校は他にはない」との言葉があったとのことで,上司の先生から誉められてしまいました。

 うーん,それはうれしいけど,少々複雑な心境でした。

 それじゃ,今まで私がやってきたことを上司の方はどう思っていたのでしょうか。

 おそらく何とも思っていなかったのでしょうね。

 別にいいですけど。好きでやっていることですから。




 パソコン授業の計画表(9月5日)

 コンピュータ研修会を行いました。

 コンピュータ室の「閑古鳥状態」を改善するために,2学期のコンピュータの授業の実施計画を作成していただきました。

 私の学校の先生方は,コンピュータに対して苦手意識を持っている方が多いですし,授業の中にコンピュータを取り入れることに抵抗が強い方も多いのですが,それでも今日の作業は,学年ごとに集まって相談しながら熱心に取り組んでいただけたのではないかと思います。

 計画を立てたからといって,その通りに授業が行われるかどうかは少々疑問なのですが,導入されている学習指導用ソフトを実際に触りながら計画を立てる作業を通して,どんなソフトが導入されていて,どのようなプログラムになっているかを知っていただけたわけですから,それなりに成果があったのではないかと思います。


 各学年に1人ぐらいコンピュータが好きな先生がいれば,その方にリーダーシップをとっていただきながら進めていけば良いのですが,私たちの学校のように,コンピュータに関しては全体的に消極的な雰囲気の学校では,今回のように,計画を立てる時間までもきちんと設定して進めていく必要があるようです。





 愚痴&意地悪(9月26日)

 最近私はどうも気が短くなりつつあるようです。

 立場上,機器・ソフトの操作方法やトラブルの対処方法などについて,先生方から質問を受けることが多いのですが,時には答えるのが嫌になってしまいます。


 例えば今日はこんなことがありました。

 文章と絵を組み合わせた作品づくりをしている○年×組のA先生から,「お絵かきソフトで描いた絵をワープロの文書中に貼りつけさせようとしたら,やりかたが分からなかったので子どもたちに教えることができず,困ってしまった。教えてほしい」と言われました。

 ガクッと力が抜け,思わずため息が出てしまいました。

 力が抜けたのは,コピー&ペーストのやり方を忘れてしまったことに対してではなく,わずか数分程度の事前確認も行わずに授業に臨んだA先生の姿勢に対してです。

 事前に操作方法を確認し,その際に,コピー&ペーストのやり方を忘れてしまったことに気付いたのなら,私も気持ちよくアドバイスできると思います。

 ですが,文章中に絵を組み込む作業を行うというのに,コピー&ペーストのやりかたさえも確かめずに授業に臨み,子どもたちに教えるときになってから,できない自分に気付くなんて,同情する気にもなれません。はっきり言って怠慢だと思います。


 だいたいコピー&ペーストは,WINDOWSの操作の中でも最も基本的な操作なので,昨年度導入業者さんが実施した研修会で教えていただきましたし,今年に入ってからも私が実施した研修会で練習しています。その時はコピー&ペーストのやり方を記述したマニュアルを用意し,そのマニュアルの沿って練習していただいたのです。

 きっとA先生は,私が作ったマニュアルのことなどすっかり忘れてしまったのでしょう。残念です。


 それで結局A先生には,こう答えてしまいました。

 「戸棚の中に(メーカー発行の分厚い)マニュアルがあります。そこに詳しく書いてありますので読んで下さい。」

 意地悪な私でした。






 自主研修会(10月16日)

 夕方,環境整備を行うためにコンピュータ室に入ったら,4年生の先生方が自主研修会を開いていました。

 今まで動きの鈍かった4年生もついに始まったかという感じです。

 4年生は,3人の担任のうち2人が,WINDOWSの基本操作ができない程度の技量なので,コンピュータを使った授業はこれまでほとんど行っていませんでした。ですが,2学期から他の学年がコンピュータを使った授業に積極的に取り組み始めたこともあり,最近子どもたちからの突き上げが厳しいらしく,そろそろ何とかしなければということになったようです。


 研修内容は,ワープロ文書の中に,お絵かきソフトで描いた絵を貼り付けた作品づくりの練習です。

 うーん,最近は校内のあちらこちらでこの練習が行われていますね。日誌にも何度か書いてきました。

 どうやら先生方には,1学期に行ったミニ新聞づくりの研修会の印象が強烈に残っているようです。あの研修会の内容が,これほどまで大きな意味を持つとは思ってもみなかったのですが,学習指導用ソフトを使わずに,子どもたちにコンピュータを活用させようとすると,小学生レベルではやはり「ワープロ」と「お絵かき」なのでしょうね。

 コンピュータを活用する目的の一つに,子どもの表現力を伸ばすことが挙げられるのですが,この2つを組み合わせるとそれなりに見栄えのするものができますし,さらに発展させて「写真」や「グラフ」なども組み込むことができるようになれば,色々な教科での表現活動に生かしていくことができます。


 さて,今回の研修会でも,先生方がとまどっていたのは「コピー&ペースト」の作業でした。

 ワープロ・表計算・お絵かきなどの機能を持つ「ハイパーキューブ」という多機能ソフトを使っているのですが,「キューブワード」と「キューブペイント」との間でのウィンドウを切り替えながらのデータ操作が,先生方にはずいぶんややこしく感じられるようで,ウィンドウを切り替えなければならないのに新しいウインドウを開いてしまったり,すでに開いているファイルを再度読み込もうとしたりしてしまいます。


 今日は,1時間ほど練習していたようですが,まだまだ子どもたちに教える自信がないので,授業を行う前にもう一度自主研修会を開いて復習するとのことです。

 がんばれ4年生!

 応援してます。




 自主研修会のお手伝い(11月14日)

 授業後,3年生の先生方の自主研修会のお手伝いをしました。

 各種機器の操作方法の紹介と3学期に予定しているH先生の研究授業についての相談を行いました。

 紹介した機器は,マイク,ビデオプロジェクタ,ビジュアルプレゼンター(OHC)などです。これらが使えなくても一応授業はできますが,使えるととても便利なものばかりです。

 ぜひ使っていただくよう以前からお薦めしていたのですが,「難しそうだから」とのことで3年生の先生方は敬遠していました。ですが,今回ついに「覚える決心をした」とのことです。

 3年生は初心者の方ばかりなので,何度も繰り返して丁寧に説明したのですが,いざ自分で使ってみようとしたときに使えるかどうかは疑問です。

 私がやって見せながら説明した後で,先生方に実際にやっていただこうとしたのですが,私が見ている前では,「何かテストされているみたいでやりづらい」と言われてしまいました。無様な姿を見られるのは嫌なので,こっそり練習したいとのことです。

 実際にやっていただいた方が断然早く覚わると思うのですが,それほど恥ずかしいのなら,まあ仕方がないです。


 研究授業の構想については,すでに夏休みの時点で大まかな内容は考えてあります。

 今日は,授業を行うにあたってどのソフトや機器を使えば良いかを確認し,それらのソフトや機器を効果的に使わせるためには,これからの2ヶ月間でどのような技能を先生と子どもたちが身につけておけばよいかを検討しました。


 たった1時間の「見せる授業」のために,半年以上もかけてこつこつ積み上げていくなんて,コンピュータで研究授業を行うことは,初心者の先生にとっては,とてもプレッシャーがかかることなのですね。




 見せる授業と見せない授業(11月29日)

 子どもたちによるプレゼンテーションの授業の続きを行ないました。

 クラス37名がテーマ別に10のグループに分かれて取り組み,一昨日の公開授業で5つのグループが発表し,今日は残りの5つのグループが発表しました。


 一昨日の授業については,重圧から開放されたうれしさのあまり,酔いも手伝って,日誌ではちょっとばかり誉めすぎてしまったのですが,実は今日発表したグループの方が断然上手でした。

 コンピュータを使ったプレゼンテーションは,子どもたちにとってはこれまでほとんど経験がなかったことなので,1回目に発表したグループよりは,2回目の方が上手なのは当たり前ですが,今日発表したグループの方が上手だった理由はそれだけではないようです。

 今回の発表会は,時間の都合により,”お客様”に見ていただく授業とそうでない授業の2回に分けて行なうことになったので,公開授業で発表するか,今日発表するかは,子どもたちの希望によって決めました。

 そうすることで,発表内容に自信があるグループが公開授業での発表を選択し,自信がないグループがクラス内のみでの発表を選択すると考えていました。

 ところが今から考えると,どうやら子どもたちの選択基準に自信があるなしなどほとんど関係なかったようです。ただ単にお祭り好きの子が主導権を握っているグループが1日目を選び,こつこつ慎重派が主導権を握るグループが時間的に余裕がある2日目を選んだだけのことだったようです。

 今回は,綿密に計画を立て,調査し,分析し,考察を加えた内容を発表する授業だっただけに,計画性がなく思いつきで行動していたグループには少々荷が重かったようで,またそういうグループに限ってお祭り好きだった事が少々残念な結果につながってしまいました。

 やはり”見せる授業”であることを考えて,私が決めるべきだったかと少し後悔しています。

 ちょうど授業参観で,あまりにも張り切って「ハイ!ハイ!」と手を挙げるので,指名してみたら,実は何も考えておらず立ちつくしたままで,本人よりもこちらの方が焦ってしまった感じに似ています。


  そもそも見せる授業と見せない授業を区別するなんて,大人の勝手な都合ですから,もちろんこれは私の心の中にしまってある思いです。公開授業で発表した子どもたちも今日発表した子どもたちも,10日間におよぶ取り組みの成果を発表できたことでそれなりに満足しています。


 子どもたちに対して辛口の批評をしてしまいましたが,ええ,もちろん,すべては私の指導力の乏しさに起因するものであることは自覚しています。




 2人で授業を(1月12日)

 今日から3学期第2週です。

 学期初めのごたごたも終わり,そろそろコンピュータの授業も本格的に始まります。

 2学期のコンピュータ室は,授業日数75日間(行事等を除く)で,のべ212時間利用され,かなりの盛況ぶりでしたが,3学期はどうなるでしょうか。

 少々慌ただしい学期ではありますが,何とか時間を見つけて継続的にやっていただいた方が,子どもたちにとっても,先生方にとっても長い目で見ればプラスになると思うのですが。


 最近は,今月21日に研究授業を行う3年生の先生方が大忙しです。先週金曜日にも授業後に練習していましたし,今日もコンピュータ室はほぼ貸し切り状態でした。(研究授業とは全校職員が参観する授業です。)

 これまで研究授業を行ったのは,4年生以上で,しかもある程度コンピュータの操作ができる方だったのですが,今回は3年生で,しかも初心者の方ということで,かなり苦しんでます。


 私達の学校の研究授業は,授業を行う先生だけでなく,同じ学年の先生全員で協力して進めていきます。

 例えば3クラスの学年だと,事前に2クラスが”試験的”に授業を行い,指導計画の問題点を修正してから,”本番”のクラスが授業を行います。

 それで今日は1回目の試験授業ということで,O先生が授業を行なったのですが,どうもなかなか大変だったようです。

 私は,その時間は自分のクラスの授業があったので,参観することはできず,授業の直前と直後に様子を見に行きました。

 授業の直前に顔を出したときは,周辺機器の操作手順を間違えたらしく,教師用パソコンがフリーズしてしまっており,パニック状態でした。

 授業の直後に顔を出したときは,3人の先生が顔を突き合わせて相談している真っ最中でした。私が部屋に入るや否や授業をしていたO先生が,「ねえねえ,コンピュータの授業って,2人でやっちゃだめなの?」と声をかけてきました。

 話を伺ってみると,どうやら授業の途中で何が何だか分からなくなってしまい,他の先生と相談しながら授業を行っていたようです。


 確かに大変ですよね。教師用パソコンの操作,周辺機器の操作,子どもたちへの指示,困っている子へのアドバイス,これらすべてを一人でやるのは。

 とりあえず私は,「どうしてもできないのなら,仕方がないですね。2人でもいいです。」と答えてしまいましたが,はたしてそれでよいのでしょうか。


 コンピュータが導入されて1年4ヶ月。

 まだまだ道は険しいです。




 先生方の「未知の世界」(1月14日)

 授業後に2件の相談を受けました。

 一つは3年生の先生からで,「教師が作ったファイルを全員の子どもたちに配布したいのだが,どうすればよいか。」という内容で,もう一つは1年生の先生からで,「キッドピクス(お絵かきソフト)の練習をした際に作ってしまった不要ファイルを削除するにはどうすればよいのか」という内容でした。 

 日頃先生方のコンピュータ研修のお手伝いをしていて,どの先生からも必ず一度は質問されるのは,上記のような,ファイルの「コピー」「移動」「削除」のやり方です。

 初めのうちはどの先生もアプリケーションソフトの操作方法を覚えるだけで精一杯で,作ったファイルの「保存」と「呼び出し」さえできるようになれば授業ができるので,それでよかったのですが,ある程度アプリケーションを使いこなせるようになってくると,「自分が作ったファイルをコピーして配布したい」とか,「いらなくなったファイルを削除したい」とか,そういう欲求が生じてきます。

 それで先生方は,今までの練習の延長線上のつもりで,「削除の仕方を教えて欲しい」と聞いてきます。

 ところが,私達の学校に導入されている教育ソフトは,「保存」や「呼び出し」は,(当然のことながら)アプリケーションのメニュー画面からできますが,「コピー」「移動」「削除」などのファイル操作は,メニュー画面からはできません。つまり,エクスプローラなどのファイル管理ツールを使わなければならないのです。

 ですから,Windowsの基本操作すらできない先生方がにとっては,ファイルの「コピー」「移動」「削除」は,決して今までの操作の”続き”などではなく,”未知の世界”です。

 それでもこれからのことを考えると,覚えていただいた方が先生方のためになると思うので,手順を紹介するのですが,ほとんどの場合,私がディスクトップからエクスプローラを立ち上げた途端に先生方の顔色が変わり,さらに無数のフォルダの中からお目当てのファイルを見つけ出して,コピーしたり削除したりする様子を見ているうちに,ため息が漏れてきます。

 と,ここまでは毎度のことなのですが,最近は先生方の意識も少しずつ変わってきました。

 しばらく前までなら,私が行う操作を見ているうちに,「もういいです。」と投げ出してしまうことが多かったのですが,最近は,何とか操作方法を覚えて自分でできるようにしたい,という雰囲気に確実に変化してきています。


 こうして先生方がファイル操作を自分で行うようになると,以前起こったようなファイル消失事件が今後も頻発する可能性が高くなるわけで,そのためのセキュリティ対策を考えていかなければならないのですが,遅々として進まず,それが私の悩みの種です。





 研究授業の協議(1月22日)

 3年生のR先生によるコンピュータの研究授業が行われました。(以前の日誌に21日と書いたような気がしますが,22日の間違いでした。)

 私達の学校では,月に1回,低学年(1〜3年)と高学年(4〜6年)からそれぞれ順番に1クラスずつが研究授業を行っています。

 コンピュータの授業は,高学年のクラスではすでに何度か行われていますが,低学年のクラスが行うのは,私達の学校にコンピュータが導入されて以来,今回が初めてです。ですから低学年の先生方の中にはコンピュータの授業を見るのは生まれて初めてという方もいます。

 そこで,コンピュータ教育担当としての立場上,今回は私も授業参観および授業後の研究協議会に参加することになりました。


 教科は理科「光」で,光の反射のしかたを,学習指導用ソフト「マルチブック」を使って学習しました。内容的には3年生の内容としては少々高度なものでした。


 さて,授業が無事終了し,その後に行われた研究協議会ですが,出された意見の主なものは,

 「子どもたちの様子を見ているとコンピュータの操作にずいぶん慣れているなあと思った。」
 「R先生がとても慣れていて,色々な機器を自在に使いこなしていたので驚いた。」

 でした。

 うーん。数か月前からお手伝いしてきた私としては,そのような感想をいただけるのは自分のことのように嬉しいのですが,”研究協議”の内容としてはちょっとレベルが低過ぎるのでは。

 「どの場面で,どのソフト(機器)を使ってどのように操作したら,どんな効果があったか(あるいは効果がなかったか)」ということに焦点を当てて協議していただきたかったです。

 初めてということでこれも止むを得ぬことなのでしょうか。



 今回の授業では,ノートの代わりにお絵描きソフトを使って,鏡に当たって反射した光の進行方向を書き込ませていたのですが,その様子を見ていた某管理職の先生の授業後の言葉。

某管理職「子どもが線を引いて光が進む方向を書いていましたが,正解したら画面が光ったりチャイムがなったりするなどの応答があるのですか?」

fukufuku「あれはただのお絵描きソフトですから何も出ません。」

 初心者の先生が多いといっても,いくらなんでもその程度のことはみなさん分かっていますよ。





 年度末反省会(2月6日)

 私達の学校では(おそらく他の学校でも),2月は1年間の教育活動の総まとめの時期として位置づけられており,研究紀要の編集作業や各種教育活動の反省会などが連日行われています。

 今日は「コンピュータ教育部」の反省会が行われました。コンピュータ教育部は各学年1名ずつの計6名の部員で構成されていて私がキャップを務めています。


 今日の反省会では,各先生方から一年間の成果や問題点,要望などを出していただきました。

 「成果」として多くの先生方から挙げられたのは,コンピュータを使うことにより子どもたちの表現力がずいぶん伸びたということです。コンピュータは絵の具や鉛筆と同じように,表現ツールの一つとして,有効に活用されつつあるようです。

 それから,計画的に研修会が実施されたことにより,教師も子どもも機器ソフトの操作が昨年度より格段に上達したことや,教室での勉強では沈黙している子どももコンピュータ室では生き生きと取り組めたなどの点が挙げられました。


 次に「問題点」ですが,教科指導においては効果的に活用することができなかったという点が挙げられました。これは納得です。実体験を重視する小学校教育においては,シミュレーションとかバーチャル体験とかはあまり馴染みません。たとえ効率が悪くても,五感を働かせて体得させることが大切だと思います。そういう点を踏まえた上で授業の中でコンピュータを使う場面を考えていくことは,今の段階ではまだまだ無理でしょう。

 それから,コンピュータの操作が分からなくなり授業の途中で立ち往生してしまったことや操作ミスにより大事なファイルを削除してしまったことなど,力量不足に起因する問題点も多く出されました。


 最後に「要望」ですが,各先生から出された意見を要約すると以下の通りです。

 「学校教育の中で,”コンピュータ教育”が今後ますます重要な位置を占めるのは確実のように思われる。だから各担任はもっともっと勉強しなくてはという意識は強く抱いているし,分からないながらも担任同士で相談しながら手探りで進めてきた。しかし,”上の方”にはそういう我々の意識がほとんど理解されていないように感じる。
 いくら積極的に学びたいと思っていても,学校体制が旧態依然,コンピュータ教育に打ち込める環境になっていないので,やれることには限界がある。どれもこれも大事なのは分かるが,今の体制を見直し,じっくり研修できるような配慮をしていただきたい。」


 うーん。まとめてみると結構過激です。もっともな意見なのですが,完全な管理職批判ですからね。


 部会で出された意見は,後日開かれる職員会議で報告することになっています。しかし全職員の前で,あからさまに管理職を批判するのは結構度胸いりますよ。

 どういう言い方をしようかと悩んでいます。





 貴重なご意見(2月7日)

 「年度末反省会」(2月6日)について

 「管理職に不満を言うべきか」アンケートの結果は以下の通りでした。

・ビシッと言うべき 33人(連打含む。実質26人)
・ほどほどに... 16人(実質15人)
・沈黙  3人(実質2人)


 「ビシッと言うべき!」がやはり一番多いですね。そうです!私も言いたいのです。

 しかし,「ほどほどに...」も意外に多いです。うーん。後のことを考えるとやはりまずいでしょうか。


 それにしても今回は実に興味深い結果でした。お名前を拝見して思わず納得です。

 これまでにやり取りしたメールや拝見している日記の印象から,”ひょっとしたら血の気が多い方かも”と思っていた方はほぼ全員「ビシッと言うべき」でした。

 同じように,”大人ですね”と思っていた方はみなさん「ほどほどに...」でした。

 「沈黙」を押していただいた方もこれまた納得です。達観してますね。


 ちなみに教員の方は全員「ビシッと言うべき」でした。お互いストレス溜ってますね。(苦笑)


 それで,そんなことをあれこれ考えながらメールを開いているうちに,ずいぶん頭冷やされました。


 そうですよね。一番大切なことは,言いたいことを言って気持ちよく玉砕することではなくて,現在の環境を少しでも良くすることです。そのために,どうしても必要ならきちんと言わなければなりませんが,言い方を間違えてかえって逆効果になってしまっては何にもなりませんからね。

 みなさん本当にありがとうございました。




 きちんと言いたかったこと(2月26日)

 職員会議で各種教育活動の反省報告が行われました。私の担当はもちろんコンピュータ教育です。

 ずいぶん迷ったのですが,先日の部会で出された意見を全職員の前で言ってしまいました。

・コンピュータ教育が,学校教育の中で今後ますます重要な位置を占めるのは間違いないから,今日明日の授業すら自信をもって行えないほど困っている今の状態に,担任を持つ先生方はずいぶん危機感を抱いていること。
・だから,多くの先生方がもっともっと時間をかけて勉強したいと考えていること。
・にもかかわらず,学校体制が変わっていない,つまり計画を立てる立場の方々には,担任の先生方が抱いている危機感や焦り,そして学習意欲があまり理解されていないように感じられること。



 あまり過激な言い方はしませんでしたが,言うべきことはきちんと伝えました。


 それで...,

 私の発言に対して,上の方からは全く反応がありませんでした。というか,完全に無視されました。残念です。もう少し過激な言い方をした方が良かったかな。

 まあ反論も言い訳もなかったので,「一応聞いておく」ということなのでしょう。




 それにしても,ことコンピュータに関しては,同じ職場で働いているにもかかわらず,世代や立場の違いによるギャップを強く感じます。





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