HOME→一歩先行くサイト作成編→User-Agent Netscape4.xへの対応
HTML4.0以降で、W3Cが目指そうとしている「見栄えと構造の分離」。これを行うためには、HTML文書としてきちんとした構造を持つことと、その構造に対してスタイルシートで見映えを決めることが必要になります。
こうすることで、どのようなブラウザからでも情報へきちんとアクセスできるのです。
スタイルシートとして最も普及しているCSS(カスケーティング・スタイルシート)には、未対応ブラウザが存在します。しかし、未対応ブラウザであれば、CSSの解釈を行わないので、最低限の文書構造は示すことが出来ます。
しかし、Netscape4.xはCSS対応ブラウザです。ですので、CSSを使っていると、ブラウザ側で解釈しようとします。
が、その解釈がおかしい部分が多いのです。(解説するとそれだけで1つのサトが作れるぐらいです)
つまり、表示面がおかしくなってしまい、場合によっては、読むに耐えれない状態になってしまうのです。
こうなると、アクセシビリティ向上のために使ったはずのCSSが完全に裏目に出てしまい、アクセシビリティの低下を招いてしまうのです。
この問題を大きくしている理由としては、未だにユーザ割合として1割程度存在するということがあげられます。1割というと無視できない割合と考えられるからです。
Netscape4.xに限らず、パソコン上で動作するグラフィカルブラウザへの対応を考えるとき、以下のような考えがあると思います。
一つは、レイアウトも情報の一つだという考え方。つまり、ブラウザ間での見映えを出来るだけ同じにすることです。
この考えに基づいたWebページを作成しようと思えば、文書構造の記述をかなり犠牲にしなければならない部分が出ますが、パソコン上で動作するグラフィカルブラウザを使っている限りは、同じように表示されるので、見た目には同じ情報が伝えられます。
もう一つは、文書の共有化というWWWの本来の考えを重視する考え方。つまり、文書構造をしっかり書き、見映えは情報が得られれば、多少の違いはこだわらないと言う考え方です。
この場合、文書構造をどのように表現するかはブラウザ側の解釈にゆだねられますので、異なるグラフィカルブラウザ間で同様の見栄えを実現することは出来ません。
どのような考えを取るにせよ、機能面においてはきちんと使えると言うのが大前提となります。全く閲覧出来ない、リンクをたどることが出来ない、スクリプトエラー多発などでは話になりません(グラフィカルブラウザ以外でも)。
機能が対応していない場合は、代替手段を用意する必要がありますが、用意していないようであれば、そのブラウザについては、対応を切り捨てたと言ってよいでしょう。
ブラウザへの対応ということを考えれば、まずWebページそのものにアクセスすることができるか?そして、アクセスしたページから必要な情報を得ることが出来るか?ということが最も大切だと思います。
その上で、見映えを整えるのは、情報をより得やすくするためだと考えます。
個人サイトで外部スタイルシート(CSS)を使っている場合には、Netscape4.xにはCSSを適用しないという形を取っても差し支えはないだろうと思います。
勘違いしていただきたくないのですが、これは、ブラウザ切り捨てではありません。
確かに、Netscape4.xで閲覧した場合、見栄え面ではCSSを使わないことでかなり野暮ったいイメージを受けるかも知れませんが、情報にアクセスできないわけではないからです。
この場合、Netscape4.xにCSSを適用させないために、link要素のmedia属性にscreen以外を指定してやると良いと思います。例では、allを指定していますが、streen,tvといったように複数の属性を書く方法でも有効です。
HTML4.01の場合は、
<link rel="stylesheet" href="style.css" type="text/css"
media="all">
XHTMLの場合は、
<link rel="stylesheet" href="style.css" type="text/css"
media="all" />
もうひとつの方法は、Netscape4.xのバージョンによってはブラウザごと固まってしまうバグがあるのでおすすめしません。
ちなみに、WinIE3に対して外部スタイルシートを適用したくない場合には、link要素で呼び出す、最後のスタイルシートに、適当なファイルをおいておけばいいです。(ファイルが空ではダメ。拡張子は、 .cssとする。)
現実を見つめた場合、厳しい対応を迫られるのは、企業や団体のサイトでしょう。
グラフィカルブラウザである以上、それなりの見映えのサイトを閲覧したいという考えを持っている訪問者もいるからです。ですので、CSSを適用しない、素のHTML文書を見せるわけにもいかないとも思います。
ある意味究極の選択になるのですが、
リンクに関してはご自由にどうぞ。