ビーチコウミング Beachcombing
海辺を散策して、漂着物や生物を見たり集めたりする海の楽しみ方、「ビーチコウミング」。アメリカやイギリス、オーストラリアの本などで紹介されているのを見たことがあるので、すくなくとも欧米では市民権を得た海遊びなのでしょう。日本でも楽しむ人が増えてきました。
海辺に漂着した、動物、植物、生活ゴミ… すべてのものがビーチコウマーの興味の対象です。いったいなんなのか、どこから、どうやってやってきたのか。すべての漂着物は海のメッセージを携えています。
Beachcombing
FIELD NOTE No.1 おかしな魚の死骸
ある日、八丈島の海岸で、おかしな魚の死がいをいくつか見つけた…
魚の種類は、ふつうのカサゴのようだが、
のどにスズメダイの仲間がひっかかっているのだ。
少し歩くと、こんどはアカハタの死骸にもスズメダイの仲間が…
他にも、イタチウオののどにも同じように…
どうして、この時期に目立ってこんなことがおきたのだろう。次のようなことを考えてみた。
正解はわからない。
でもきっと間違いないのは、「食べる方も、食べられる方も命がけなんだ」ということだと思う。
写真を撮りながら、僕は一つの詩を思い出していた。
おおきなさかなはおおきなくちで
ちゅうくらいのさかなをたべ
ちゅうくらいのさかなは
ちいさなさかなをたべ
ちいさなさかなは
もっとちいさな
さかなをたべ
いのちはいのちをいけにえとして
ひかりかがやく
しあわせはふしあわせをやしないとして
はなひらく
どんなよろこびのふかいうみにも
ひとつぶのなみだが
とけていないということはない
(谷川俊太郎/詩、詩画集「クレーの絵本」講談社より)
■ビーチコーミングの参考書