ビーチコウミング Beachcombing

 
海辺を散策して、漂着物や生物を見たり集めたりする海の楽しみ方、「ビーチコウミング」。アメリカやイギリス、オーストラリアの本などで紹介されているのを見たことがあるので、すくなくとも欧米では市民権を得た海遊びなのでしょう。日本でも楽しむ人が増えてきました。
 海辺に漂着した、動物、植物、生活ゴミ… すべてのものがビーチコウマーの興味の対象です。いったいなんなのか、どこから、どうやってやってきたのか。すべての漂着物は海のメッセージを携えています。


Beachcombing
FIELD NOTE
No.1 おかしな魚の死骸

 ある日、八丈島の海岸で、おかしな魚の死がいをいくつか見つけた… 

    

 魚の種類は、ふつうのカサゴのようだが、
のどにスズメダイの仲間がひっかかっているのだ。


     
                       Jun.1996八丈島大潟浦

     少し歩くと、こんどはアカハタの死骸にもスズメダイの仲間が…
     他にも、イタチウオののどにも同じように…


 どうして、この時期に目立ってこんなことがおきたのだろう。次のようなことを考えてみた。

1.少し水温が下がったときだったので、捕食者の魚の体力がなくなっており、飲み込むことができなかった。

2.スズメダイ類が産卵する時期だったので、海底近くにおりてきて狙われやすかった。


 正解はわからない。
 でもきっと間違いないのは、「食べる方も、食べられる方も命がけなんだ」ということだと思う。
 
 写真を撮りながら、僕は一つの詩を思い出していた。


 おおきなさかなはおおきなくちで
 ちゅうくらいのさかなをたべ
 ちゅうくらいのさかなは
 ちいさなさかなをたべ
 ちいさなさかなは
 もっとちいさな
 さかなをたべ
 いのちはいのちをいけにえとして
 ひかりかがやく
 しあわせはふしあわせをやしないとして
 はなひらく
 どんなよろこびのふかいうみにも
 ひとつぶのなみだが
 とけていないということはない
 (谷川俊太郎/詩、詩画集「クレーの絵本」講談社より)


■ビーチコーミングの参考書

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