■その3 インドからの出国
現地時間14:30おれたちはインドを後にすべくデリーのガーンディ空港へ着いた。
”ああ、これでインドとも暫くの間おさらばだ!”
とまxと話をしながらおれたちが乗るAI308の出発時間を見た。
”DELAYED”
案の定遅れている。もう慣れたもんだ、おれたちはほぇーっとすることにした。
出国税300Rsを払い、ルピーをできるだけ使い果たす。
何故ならインド通貨は持ち出し禁止であるため通常出国時に没収されるからだ。
ふらふら歩いているとなんとケーキ屋があった。インドのケーキはどんな味なのかを確かめるために30Rsで1つ買ってみた。
パサパサしていることとクリームが苦いことがまずさを象徴している。
やはりインドにはケーキは似合わない。
さて、定刻は17:00を過ぎても相変わらず”DELAYED”のまま。
聞いても”伝言板を見ていてくれ!”としか言ってくれない。
ほえーっ!
21:30、ようやく23:30に出発することが決まった。早速出国手続きを済ませ、おれたちはバラナシの駅で知り合ったおれと同じ名字の小林氏の3人とレストランでビールを飲んだ。
とってもうまい!インドでの出来事を思い出しながら今回の旅最後のビールを飲んだ。
疲れていたせいかビール大ビン1本でおれたちは顔が赤くなり酔ってしまった。
さて、1時間くらいしてレストランを出たおれたちはベンチで再びしゃべり始めた。まるで時間を忘れるかのように。
しばらくすると空港の人がおれたちに
”日本へ行くのかい?”
と聞いてきた。
そうだ!と答えると”早く行け!”と言う。
はっはっはっ、おれたちは本当に時間を忘れていたのだ!
時計を見ると22:50、離陸まであと40分。あわてて荷物検査所へと足を運んだ。
そんな焦っているときはたいてい物事はすんなりとは進まないものだ。
おれが出国検査に引っ掛かった。さて、何が原因だったのでしょう?
みやげ用のマサラを持っているのはまxのほうだ。奴はすんなりと通った。
答えはポケットに入っていたMAGライトだったのである。しかも問題だったのはライトのほうではなく、中の単3電池だったのである。
変だ、バックの中には未使用の乾電池が何本もあるのに...
しかし、ここはインド。そんなことは日常茶飯事なのだ。
なんてついていないんだ!(みなさんも気を付けましょう。)
航空チケットを取られてしまったおれはこのままでは出国できない。
周りの人はみんな飛行機へ乗るために1列に並んでいる。
おいおい、乾電池ごときで飛行機に乗れないなんて...
おれは日本へ着いた翌日から仕事だぞ!
また上司に怒られてしまうではないか!
そうこうしている内にみんなはいよいよ飛行機に乗り始めた。
でも、ようやく最後にチケットを返してくれたので出発ギリギリに飛行機へ乗ることができた。
最後の最後まで冷や汗をかくこととなったのである。
こうしてインドを後にすることとなったのだ。