The Fantasy Story

オリジナル小説 幻想物語

The Fantasy Story

前章(The prolog of Fantasy story)

 二つの大陸と四つの巨大な島、そして数千の島々で形成されている世界、ルフェリアス。
 神々の間では第七界、または太陽界と言われるかつては閉じられし世界。
 創られた当初はまごうことなき理想郷であったこの世界もまた、他のかつては閉じられた世界の例に漏れず闇の侵攻を受け、光の神の秩序は崩壊した。だが世界の滅亡を恐れた光、闇双方の神々は均衡を崩す極端な介入はせず、この世界もまた人間に期せずして託されたのであった。
 かつては閉じられし世界ルフェリアスには神々の永遠の夢である閉じた理想郷を創るために連れられた多くの種族が今も生活している。彼らはこの地の上に幾多の歴史を刻んできた。
それは神の創造に始まり、闇の神々の侵攻とその後の混乱を越え、千余年に渡りこの地を剣と魔法によって支配し栄華の粋を極めた偉大なる古代王国、ルーン=ヴィジダントの世を経、そして三百年余に及ぶ戦乱の時代を越え、八王国が結んだアスタンス条約の下での平和な時代へと続いていた。 そして今も五千万の人々がこの地の上で、異なる歴史を刻み、異なる人生を歩んでいる。
 いまこのルフェリアスの地を治めているのはセナ=ルーン、カリス、リヒタインと言った八王国とセザンヌ、アルベスなどと言った七つの自由都市であった。
 三百年に渡る戦乱が先人の優れた知識を奪い、そして人々から過去の記憶をも奪った。古代王国ルーン=ヴィジダントの存在は多くの書物が残っているにも関わらず、もはや伝説の中のみの存在であった。
ただ人々はこう言う。”古代王国の存在の真偽は神のみぞ知る”と。これこそが過去の知識が失われた事を示す事に気付いている者はいない。だがこの王国の話は後に語るとして、ここではあまり触れずにおこう。
 この物語、時はルーン=アスタンス暦で478年の秋、場所は都市国家、アルベスから幕は上がる......

幻想協奏曲に戻るカウンターに戻る