ポケモン「でんのうせんしポリゴン」事件から1ヶ月


ガオガイガー最終回「いつか星の海で」


「ポケモン検証」 アニメ等映像手法に関するガイドライン

TVアニメを見る度「TVアニメを見るときは…」というテロップが毎回出てうっとーしい思いをしている人もいると思うけど、その発端となったTV東京のポケモン検証番組を見ました。実際問題として被害者が出て、TV映像との因果関係がはっきりしているという点で規制が出来るのは当然だと思うしやむを得ないでしょう。
 
NHK・民放連のガイドラインは
  1. 原則として1秒間に3回を超す映像や光の点滅は避ける。特に「鮮やかな赤色」の点滅はやめる。
  2. 鮮やかな赤でない場合も
    1. 1秒5回を超える点滅は禁止
    2. 明るさ(輝度)の変化の幅は20%以下
    3. 点滅時間は連続して2秒以内
  3. コントラストの強い画面の反転や急激な場面転換は原則として1秒間に3回を超えない
  4. しま、渦巻き、同心円などの規則的なパターン模様が画面の大部分を占めることを避ける。
 
に加えTV東京ではさらにアニメ制作について独自のガイドラインを設けた。
 
アニメ番組の映像効果に関する製作ガイドライン
 
  1. 1/3秒(フィルムでは8コマ・テレビフレームでは10フレーム)以内で1回を超える光の点滅は避けるべきである。
  2. 急激なカットチェンジや急速に変化する映像も、光の点滅と同様の影響を与えるので、1/3秒に1回を超える使用は避けるべき
    である。
  3. 赤色を単色で使用した点滅やカットチェンジも危険である。ただし、単色の赤色を除く色の組み合わせで、それが同じ輝度
    (明るさ)であれば問題はない。
  4. 輝度差のある規則的なパターン(縞模様・渦巻き等)は、原則として避けるべきである。
 
ということである。専門的な事は判らないのだけどこれは過去のアニメの殆どが再放送できないくらいの厳しさらしい。カウボーイビパップもこの規制に引っかかって全話放映出来ないし、放映するものもカットの差し替えを余儀なくされているそうだ(これは裸はダメとか水着もダメとか、人がばんばん死ぬのもダメというTV東京の別の規制もある)。しかし検証番組でも言っていたがココまでの規制をかけても「光感受性」の発生を0にする事は出来ないとのこと。つまりは安全ラインをどの点に持ってくるかという事になるんだろう。
しかしそうなると再放送分ってどうなるんでしょうね。CS放送とBSのアニメチャンネルはばんばん昔の作品放送してるけど。まあディレクTVやパーフェクTVのようなデジタル放送はMPEG2なんでそういう透過光やカット割りの早いシーンはブロックノイズが出たり表示が追い付かなかったりで規制に合わせて修正しなくても修正したような状態になってるという話だけど(笑)。WOWOWはあの差別用語満載の「どろろ」をセリフカットせずに流してるみたいだしあまし規制なんて深く考えていないのかもしれない。
この間のポケモン「たいけつ!ポケモンジム」見てても、ピカチュウの電撃はトロトロしてるわ、ストライクがYASジムオーナーを襲うシーンは動きを落としてるわ、でリズム感狂わされて結構見づらい。うーん、ちょっと厳しすぎじゃあないのかなあ。まあポケモンの場合はあの「事故」を起こしてしまった作品でもあるし必要(規制)以上に制限しているような感じがする。これはやばいんじゃない?とかいう表現はフレーム数とか計算する前にやめちゃってるっていう感じ。
それにしてもテレビを見るときは離れてみるだとか部屋を明るくするだとか長時間見ないってのは私が子供んとき親から散々言われたことだぞ(笑)
それをわざわざテロップにして放送局からのお願いとして表示しなきゃあならないのはなんか変な気がする。
しかしなぜ富野監督にインタビューしに行ったのだろう。おまけにいきなし「規制や法律なんか意味がない」とかゆーてるし(笑) まあ映像の視覚効果のなんたるかを学び直す時が来たとかまともなこと言っていたけど(その点だけは私もそう思う)きっと他にはとんでもないこと言ってたんじゃあないかなあと言う気がする。
未だに(TV)アニメ監督で有名というと「トミノ」なんでしょーか。宮崎監督は…別格なのかな。
 
話は飛ぶが、日本のアニメが世界で受けているというのは規制のない自由な演出が斬新だったのが一因だと思うのだけど(アメリカとかなんか妙な規制あったよな)こういう映像表現上の規制がかかってしまうと世界に誇る日本のアニメも凋落の道を…という気もしないでもない。
それでなくても最近のアニメって質の低下が目立つのに。粗製濫造の果てにあるのは自滅しかないのだけど。アニメファンってどこか寛容なとこあるからなぁ。ヘボい出来のものでもビデオ買うし。

トマソン 〜街中の幽霊達を探そう〜 

幽霊といっても夏向けの怪談じゃあないです。超芸術トマソンと呼ばれる物件のことです。ではトマソンとはなにか?「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」(超芸術トマソン/赤瀬川原平)というものです。

たとえば、まずはこれ。近所で採取してきた「庇タイプ」と呼ばれるオーソドックスなトマソン。
多分窓があったんだろうけど(それらしい形跡はあるし)それが何らかの事情でなくなって庇だけが残ってるってタイプ。
次はこれ。確か和歌山の太地で見つけてきたもの。10円だか100円入れて乗る乗り物(昔薬屋さんの前なんかによくあったよな、うちの近所だけか?)なのだと思うけど 駐車場のベンチの横にちょこんと置いてある。ゴミとして置いてるにしてはなんかちゃんと並べてあるし一種のモニュメントかって思わせるあたりがトマソンかな〜と。おまけに左側のがダイアモンドアイってのが泣かすよね(笑)

阪神大震災からこっち町並みも随分変わってしまって以前そこがどんな風景だったのか何があったのかすらおぼろげになってきていて、トマソンってそういう「記憶」みたいなものを保存しているよな〜、だからこそ幽霊なのだけど、を思い出したてわけ。
そもそも私がトマソンと言うものを知ったのは実は「劇場版パトレイバー」だったんですよ。正確に言うと劇場版を扱った同人誌で。帆場の足跡を辿って松井刑事達が歩き回るシーンに出てきたものが看板建築とか同潤会のアパートとかトマソンの原爆タイプとか言われるものであることを知ったわけ。で興味を引かれて路上観察学とか建築探偵とかトマソンの本を読んだんだけど、看板建築はどうも東京限定のよーだし、トマソンならどこにでも探せば見つかるものなのでもっぱらこっちに興味がいったのね。
まあこういうものを探しながら歩くと知らない街もまた自分の周りも新しい発見があって歩く楽しみが増えます。
ちうわけでまずトマソンの入門編として最初に挙げた「超芸術トマソン」赤瀬川原平(ちくま文庫)をオススメ。


「ミュウツーの逆襲」と「ピカチュウのなつやすみ」 98.8.02