日誌:オートガイドの操作

1月9日未明、2回目のオートガイドへの挑戦です。

AGA-1 でのオートガイドは次のような手順で行います。

ガイド星の導入

撮影対象を主鏡に導入、Starbookを用い自動導入後、視野の中心にもってくるために試し撮りをして微調整します。 ガイド星をガイド鏡に入れます。 ガイドマウントの微動ねじを使ってガイド星を捕えます。1500mmでガイド星を捕えるのは結構大変で、 まずファインダーでガイド星にしたい星を視野中央にもってきます。 次にガイド鏡の眼視500mmでと順にに中央にガイド星を持ってくると、 テレコンバータ経由のCCDのモニターの中にガイド星が現れます。 最終的に1500mmにもなるのでモニタ上でガイドマウントの微動ねじをちょっと動かしただけで、 あっという間にガイド星はモニターから外れてしまいます。

モニタにとらえた木星

この時点で、ガイド星が何もしない状態(恒星時追尾)で、モニタ内でほぼ動かない状態であれば、オートガイドがうまくいくようです。 見る間に視野から出て行った前回は、次のAGA-1でのステップがうまくいきませんでした。極軸あわせ次第ということのようです。最後に十字線の中心に合わせるにはガイドマウントのネジで調整するよりは、StarBookで赤道儀ごと微調したほうが微細な調整ができます。



CCDの方向調整

モニター上の赤経と赤緯とCCDのとりつけ向きをあわせます。AGA-1のマニュアルには、 「モータードライブのストップキーを押して星が動いた方向が赤経です。」と書いてあります。 SX-StarBookではそのような機能がありませんので、Starbookの望遠鏡のコントロールモードの赤経方向の駆動ボタンで左右に振ってみます。振ってガイド星が動く方向がモニター上で水平方向になるように、CCDを回して調整します。試しに振ってみたところ木星がモニター上、ほぼ上下に動いたのでCCDを90度(正確に測ったわけでなく大体ですが)回しました。



レベルチェック

再度Starbookでガイド星を動かしてモニターの中央、AGA-1が示す十字線の中央にのったところで、 レベルチェックボタンを押します。レベルチェックランプがしばらく点滅後、緑色で点灯します。 明るさが十分だということです。この時期木星はマイナス2等だったそうですからあたりまえというところでしょうか CCDのゲインコントロールも絞ってOKでした。



ドライブチェック

AGA-1がSX-StarBookに赤経、赤緯方向の移動指示を出してモニター上でガイド星の動く方向をチェックする機能のようです。 簡単に点滅から緑の点灯に変わりました。

オートガイド開始

ガイドキーを押します。押したときにガイド星は十字の中心にいませんでしたが、 見ているうちに中心に移動していき、中央で動かなくなり、インジケータランプが点灯しました。 オートガイド中ガイドインジケータは緑で連続点灯しています。 が左上にある「修正タイミング表示インジケータ」は上だの右だのと常にちかちかしていました。

結果

今回、木星をガイド星として東天のM104で最長10分までのオートガイド、また木星が雲に隠れた後は、西天のエスキモー星雲を土星をガイド星に最長30分までオートガイドしました。どちらにおいても、ガイドモニター中でガイド星は安定してモニターの中央にありました。

次の2つの写真は、今回オートガイドをしたM104と、2004年6月撮影のオートガイドなしM104。露光は10分と2分。 10分オートガイドした今回のM104はソンブレロの別名がうなずけるような細部の構造が見えています。 一方、星が妙な形に移っているのは1つの星が3つに写っているためで、撮影中の振動が原因と思われます。


2004年6月に撮影したM57。SX赤道儀+VC200LDG構成時追尾ですが、 すでに星が妙な形に写っています。拡大してみたところ”コ”の字のようになっています。 オートガイド以前の方法、技術に問題があるということです。


今回土星でガイドしたエスキモー星雲。水色の光がそうです。左から2分、10分、30分(VC200LDG1268mm直焦点)。この3つの時間的に連続した撮影を通してガイド星の土星は モニターの真ん中に居座り続けました。


M104のときのような星の多重化もありますが、明らかに星が流れています。つまり写真鏡とガイド鏡が別々に動いた(たわみとか ゆるみとか)可能性があります。土星の高度は13度、エスキモー星雲は10度と西の空で高度が低くなっていたので大気レンズの影響があったのかもしれません。もう少し 原因の追究をしないと判断できません。


まとめ

-ガイド星をモニターに楽に導入するには、ガイド鏡のファインダーとガイド鏡の光軸があっていることが重要。
-ガイド鏡にフリップミラーをつけ、CCDへの光路にのみ3倍テレコンバータを入れる方法はうまくいった。
-極軸が合っていればオートガイドを開始するのは難しくない。
-星が多重に写っている。振動が原因と思われる。
-オートガイドが機能していても、30分の追尾では星が流れた。振動、機器のたわみ、ゆるみ、によるものか、単に低高度の対象を狙ったためにおきたものかさらに検討が必要。

問題の原因の究明と対策にしばらく悩みそうです。