赤い液体 それは突然襲ってきた・・・ 安心して思いっきりふんばった瞬間にメリッと音が聞こえた しばらく何が起こったのか分からず空白の時間が流れた・・ 過去の思い出が頭をよぎっていた・・・ うぅ、鋭い痛みとともに我に返ると白い便器が真っ赤に・・・ 我が目を疑ったがそれは紛れもない事実なのだ!! ほとばしる赤い液体はピチャ、ピチャと音をたてながら 中心点より流れつづけている・・・ 透明な水、白い便器と対照的な赤・・・ 水の流れに沿ってどんどんその範囲を広めていった・・・ しばらくその広がってゆく対照的な色、混ざり合う色を眺めていた・・・ いや、眺めていたい気分だった・・・ 不思議と痛みは何も感じていなかった・・・ 時が流れてゆく・・・ 中心点より流れ出ていた赤い液体はしだいに衰えていった・・・ 心の中で思っていた・・・これで出血多量で死なずにすんだ・・・と。 だが、これで済んだわけではなかった・・・ 死の恐怖はいま現在も続いているのである。 いつしか新聞の小さな記事に「トイレで出血多量死!?」の見出しが 掲載されるかもしれない・・・・ その時は あっ、あいつだと思っていだだければ幸いである。 だが、次は貴方も同じ運命をたどるかもしれない・・・