----- ある峠 オーバースピードでコーナーに入ってしまった 車はただ崖に向かって滑ってゆく鉄の棺桶 崖が目前に迫る 自分は今何処を走っているのかもわからない 現れる道に向かってただアクセルを踏んでいる まるでこの直線は永久に続くようだ・・・ ガソリンの残量もまったく減っていない・・・ まわりは真っ暗でスピード感覚が薄れる 変わらないエンジン音だけが耳に入る いったい何処にいくのだろうか? このままずっと走りつづけるのか? 終わりの無い道を・・・ この峠の崖に落下した車と人間は なぜか発見されていない いや発見されない 落下した人間は永遠と車を運転しつづける・・・ 自分の命を預けた愛車と共に・・・ それが車を愛した物にとっての一番の幸福だろう・・・ ----- 山道の途中に花が添えてある 枯れかけたあの花は何を思っているのか 車のブレーキの跡が路面に残る 崖に一直線に向かって ガードレールはその場所だけ新しい そのガードレールの先に道が見えたのか? そのガードレールを越えて何処に行くのか? 何の迷いもなくガードレールに吸いこまれてゆく車 途中で異変に気がついてブレーキを踏むが間に合わない 行き付く先には何が待っているのか誰も知らない 嬉しい所か?悲しい所か?気持ち良い所か? もうしばらくしたら,その場所に行けるかもしれない. ----- あまりの眠気でフトンに入る もう一生目がさめなくていいや やり残した事はなにもない・・・ 今日はいつもの3倍睡眠薬を口にした 刺された 撃たれた 斬られた 殺られた あぁ 薬がきれる このままの状態 眠い もう一生目がさめない あぁ,眠い この眠さに勝てる物はいるのだろうか? 眠い 眠い 何もやりたくない あ 何か聞こえる あ, 空気の存在を感じる 眠い このまま寝て良いのか? あぁ,寝ていいんだ・・・ 眠い 不規則な電子音が聞こえる いや,実際に鳴っているのかはわからない 眠い 眠い 今日も眠い 明日も眠い 明後日も眠い いつでも眠い いつでも寝ていたい 誰とも口をききたくない 眠いよ とても 何かが騒いでる うるさい 眠い 何かが叫んでる あ〜眠い 凄く あ,ぁ 気持ち良い おやすみ 次に目がさめたとき どんな人生が始まるのか とても楽しみだ ----- 13年3ヶ月ぶりに出会った君は 変わっていた 昔はあんなに可愛かったのに 変わっていた 昔の面影なんてまったくなく 変わっていた あの黒い綺麗な髪の毛も 変わっていた 透き通るような白い肌も 変わっていた 綺麗に手入れされた爪 変わっていた 黒い瞳 変わっていた しなやかな手 変わっていた お気に入りの脚 変わっていた 指紋 変わっていた すべてが変わっていた いまは・・・ 声も聞けない すべてが変わっていた すべてが変わっていた 今すぐにでも同じ姿になって 一緒に永遠に眠りたい 自分も変わりたい・・・ 自分も変わりたい・・・ ----- 鼻先12.3cmを通りぬける風 その中で,ダンゴ蟲になったキミ そろそろ時間だ,ダンゴ蟲を食べよう あぁ,ダンゴ蟲!! おまえは何故丸まるんだ? おまえは何故足が沢山あるんだ? おまえは何故石の下にいるんだ? おまえは何故ダンゴ蟲? 動かなくなったダンゴ蟲は もう二度と元の姿に戻らなかった お湯で温めても,凍らせても 丸まったまま動かない あぁ,ダンゴ蟲 一番好きな食べ物さ ダンゴ蟲ダンゴ蟲ダンゴ蟲 おまえは脱皮する おまえは丸まる おまえはつぶれる 黄色の体液を出しながら 丸々太ったダンゴ蟲はつぶれる たくさんの足だけがピクピク動いている ダンゴ蟲ダンゴ蟲ダンゴ蟲 丸まったよ 動き出したよ 触覚出したよ 丸まったよ つぶれたよ たくさんのダンゴ蟲たち 数万,数十万のダンゴ蟲が 丸まる 動き出す つぶれる あぁ,ダンゴ蟲 ダンゴ蟲 ダンゴ蟲 ダンゴ蟲 ----- 体から血が流れる 真紅の血液 A型の血液 熱い血液 固まりかけた傷口を もう一度傷つける あぁ,血液 生臭い血液 真紅の血液 体中をつたって地面に落ちる血液 地面が真紅に染まっている 血液 鉄の味がする血液 見ると興奮する血液 早く止まってくれ血液 止まることを知らない血液 心臓の鼓動と共に流れ出る血液 自分の体を深く傷つけたことを後悔させる血液 もう止まらない血液 流れ出る血液 真紅の血液 素晴らしい血液 自ら作った傷口から 赤い体液が止まることを忘れて 心臓の鼓動に合わせて 流れ出る・・・ 体中すべての血液が流れ出るまで この絶妙な感覚は止まらない 永遠にこの体から流れ出る 血液が無くならなければいいのに・・・ ----- この世の中で 君に会える時間は もう,最後かもしれない まるで空気のような存在の自分と まるで水のような存在の野良犬 始めてあったのはいつのことだろう? そんな思いですらない空気のような存在の自分 必死で思い出そうとするが 空気のような存在の脳は 毒々しい思い出しか記憶してない あぁ,今までの思いは空想だったのか? そう,この現実が自分が想像しているだけの空間だったら 自分の思いどおりの世界が作れるのだろうか? 意識を失う,これは現実か,夢か,想像か,空想か? 今までの脳の記憶をオールクリアして始めからやり直したい アントニオ猪木は想像上の人物か? 自分自身の中で作り上げたのか? まわりの人間も自分の想像なのか? この世界も自分の像像なのか? 自分自身はドコに存在しているのか? 自分はどんな形をしているのか? 確かめたい・・・ ----- 私は夢の中で 落ち続ける 何処から飛び降りたかもわからないが 落ち続ける 真っ暗な闇の中 落ち続ける まわりはすべて黒の世界 落ち続ける 終わりの無い落下感 落ち続ける この落下が続く限り 眠りから覚めれない このまま永遠に落ち続けるのだろうか? 落ち続けた先に何があるのだろうか? たのむ,この夢覚めてくれ 落ち続ける 落ち続ける 落ち続ける ----- 押し入れ 狭い場所は心のやすらぎの場 特に押入れの中は絶品 あぁ,外の世界と閉ざされた感覚は・・・ 引き戸の隙間から微かに入る新鮮な外気 引き戸の隙間から入りこむ糸のような光 引き戸の隙間から聞こえる微かな声 蒸し暑くなるこの感触 息苦しくなるこの感触 意識が遠のくこの感触 暗闇の中で意味不明なうごめく物が見える視覚 暗闇の中で意味不明な音が聞こえる聴覚 暗闇の中で意味不明な香りがする嗅覚 足に触れる何か・・・ 手に触れる何か・・・ 額に触れる何か・・・ 頬に触れる何か・・・ 唇に触れる何か・・・ 全身に触れる何か・・・ この意味は・・・ しだいに自分の心臓の音が大きくなる しだいに自分の呼吸の音が大きくなる しだいに自分の脳みそが大きくなる しだいに自分の体自身が大きくなる あぁ,押し入れ・・・ あぁ,もうどうあがいても外の世界に戻れない あぁ,押し入れ・・・ あぁ,心のやすらぎ・・・ ----- 今の自分の立場がわからない 何の仕事をしてるの聞かれても 明確には答えられない・・・ 自分でやる気を出してやっている仕事ではないから 仕事自身に身が入らないし すべてをいい加減にやってしまう 会社なんてこんな物だと思っていても ストレスばかりが蓄積されてゆく 疲ればかりが蓄積されてゆく これは考えすぎなのか? 自分自信の考えがまとまらないまま 仕事なんて何でもイイやと考えて 入社したのが間違いだったのか? もうすぐすべての真実が分かるような気がしてきた. ----- もういやだ この職場,この空気,この雰囲気,この騒音,この仕事 人,人,人... すべてが嫌になった 些細な事で腹が立つ 楽しみなんて何もない 仕事の話でしか話題がない 皆,何考えて生きているの? こんなつまらなく刺激のない職場で・・・ どんなに仕事がきつくても 楽しい人間,尊敬できる人間と一緒に 仕事が出来たらと毎日思う・・・ ここは悪い見本の人間が ウジャウジャいる 将来,絶対こんな人間になりたくない もういやだ・・・ この場所は・・・ みんな狂ってる・・・ ----- 今,自分が何をしたいのか分からない 言われるままに仕事をする自分 やりたい事が無いから今の仕事をしかたなく続ける 仕事・・・・ 仕事をしなければ金が手に入らない 金が無ければ自分の好きな事が出来ない 自分のやりたい事をはやく見つけたい 世の中みんなやりたくもない仕事をやっているのか? 仕事に生きがいを感じている人間はこの世に存在するのか? 自分がやりたい事を見つけられない自分にハラが立つ このままでイイのか? どうしたらいいんだ? たとえムリでも幼い頃の夢を追いかければいいのか? なんだ,この世の中は・・・ こんなグチを書いている自分が嫌になる・・