それは火薬の危ない遊び 小学生低学年の時代 まだファミコンが普及していない時 何して遊んでた? やっぱ駄菓子屋はかかせない 遊びの道具を売っていたし 少ないこづかい握りしめて 10円くらいの当たり付きの菓子をチマチマ買う 今じゃ考えられないくらいの衛生状況だったし いかにも合成着色料いっぱい入ってまっせっていう お菓子、飲み物がわんさか売っていて 子供心を刺激した 玩具の存在も駄菓子屋をきわだたせていた 何に使うかわからんような物を買って いろいろ工夫して遊んだり そんな中でも子供は爆発系大好き! かんしゃく玉,なんかわからん火薬,爆竹と いろんな物を売っていた 特にわけかからん火薬 キャップみたいのに詰まってるのとか 蚊に刺されたようにふくらんでる紙に挟まれた火薬とか それは黒色火薬で 火薬だけ取り出してビンに詰めて それが爆発して大怪我したなんてニュースは結構聞いたことがある 石とかで潰してパシュパシュ遊んでいたのを思い出す 一番ハマったのはロケットみたいな形してる プラスチックの物体で火薬が挟める構造になっていて 上空に投げ上げて地面に落ちるとパン!と音がする 名称不明な遊び道具 わかる? ドイツのV2ロケットを彷彿とされるその物体には かなり心を奪われた 中でも当たり付きのくじの1等でもらえる 超巨大ロケット(ホントクソでかいやつ)が 欲しくて欲しくて友達と一緒にすべてのくじを 買いあさってもその1等は出なかった・・・ 傷ついた心で店のばぁちゃんに言ってみたら 1等とかは最初から入ってないのが多いとかぬかした・・・ ・・・・・・ 大人の世界って・・・ そう思っていたらなんとそのばぁちゃんは 超巨大ロケットを持ってっていいよと言ってくれた この時ほどうれしい事はなかったねぇ 毎日通って常連になって良かったと思った瞬間だねぇ で、各種火薬も買い込み 最初は小さなロケットいっぱいに火薬を詰め込んで 一斉に投げ上げる 地面に落ちてパパパンパンパパパンと軽い火薬の音と においを感じてテンションは一気に上がった いよいよ超巨大ロケットに火薬をこれでもかというほど詰めて、 すべての力をロケット投げ上げに注いだ が、慣れないでかさで手元が狂って 真上に投げたつもりがほんの少し斜めに飛んでいた・・・ ・・・・ 渾身の力を込めて、どんな音がするだろうと期待して、 空高く舞い上がったロケットは 近くのかなり広いドブ川に 落下地点を見いだそうとしているのである・・・ ・・・・・・ パシャ!水の音が耳から入り心の透き間を通り抜けた・・・ 一回も火薬の炸裂音を聞けないまま そのロケットは短い生涯を終えて 今、ドブ川に着水して海を見ようと旅立つのである 友達と呆然としながら ロケットの行方を見送った・・・ 夕焼けに染まった川の水の色はとてもきれいだった・・・ 何かとてつもなく大切物を失った感じがした・・・