小学生の頃より全国各地を訪ね歩くのが大好きでした。
 
あれは高校生の時だったと思いますが、とある旅行中にふと、
いずれはあらゆる面で窮屈だなあと感じる首都圏を離れ、どこか
違うところで暮らしてみたいなあ、という願望が生じたんです。

その時はまだそんなに具体的でなかったのですが、大学受験
というイベントを前に、首都圏脱出を初めて意識したんです。

ただ、結果地元で進学することになりました。

本当にあっという間の大学生活の中でも、朝夕の殺人的な
小田急線の通勤ラッシュには非常なインパクトがありました。
(まあ、今にして思えば確かに身体が疲れるのもありますが、
それよりも過密という気分的な要因の方が大きかったとは
思いますけどね)

そうこうする内に、やっぱり首都圏を出たいなあ、という思い
がますます強くなって行きました。結果、

福島県へのIターンを決意した訳ですが、候補はいくつかありま
して、福島県に決めたのは就職活動を始める直前でした。県内
各地を何度か訪れていて、(あくまで旅行者としての視点ですが)
自然や温泉が豊富で住みやすそうだなと感じたこと、そして

これは賛否両論あると思いますが、首都圏と比べると地方には
排他的な面が有ることは否めないと考え、全く身寄りもない県外
出身者がやっていくには、思い切って県職員になることで基盤整
備に携わりながら、少しずつ溶け込んで行こうと考えたのです。

ですので、時期的に狭き門になっていた事もあって、募集人数
的に他所者も受け入れてくれる可能性があるのか、どうかなど
打算的なことも正直なところ考えた末に、決めた訳です。

幸いにも県職員試験に合格し、福島県民のお仲間に加えさせて
頂きました。

こっちに来た当初は、まあ30代になってから自分の城が持てれ
ばいいな、と考えていました。しかし、首都圏育ちの自分にとって
は覚悟していた事とはいえ、やはり冬の寒さはなかなかのもの。
中でも一番応えたのは、アパートの断熱性の悪さが原因の暖房
費用の高さ。あと、朝起きた時に窓辺にびっしりの結露にも悩み
ました。

独り者なのだから、そんな事など気にせず、結婚するまでは身
軽に暮らしていれば良い、と考えるのがまあ普通なのでしょう。

ただ、自分の場合はとにかく外部環境に左右されずに快適に
暮らしていける、そんな住まいを一人で住んでも良いから、
金利動向等も睨みつつ出来るだけ早く建てよう、と心に決めた
訳です。

どうせ城を持つのであれば、早い内から着手した方が早く終わ
って先々楽だろう、という読みもありました。

そうなると行動は早いです。(別項で詳しく書きますが)休日に
買い物がてら土地探しを約1年半続け、買った所のニュータウン
分譲に出会い、多少敷地面の不満はありましたが、郡山では
今時珍しい、建築条件が全く付かない宅地分譲ということが
最大の決め手となり、晴れて、というべきか、それとも早くも、
というべきか、ともあれ「地主」となる事が出来ました。

他の趣味でもそうですが、一度こうと決めたら一直線に突進す
る面が自分には有るみたいです。何かを実現させたいと思って
も正直なところ先立つものがなくてはお話にもなりません。と、言
うわけで食費、光熱費、書籍費その他普段の暮らしにかかる費
用を、ほとんど「すてきな奥さん」並のやりくりで何とか抑え、積み
立てに回して来た成果とも言えます(月々の手取りの半額を積み
立てていますが、一人者でなければまず不可能でしょうね)。

資金を出して、家づくりに関して意思決定をするのは勿論自分
ですが、土地を購入した業者さんから始まって、こんな私に
1,000万単位の融資を認めて下さった銀行さん、そして今お世話
になっている各メーカーの営業の方、建築業者の皆さん、そして
自宅完成の暁にご近所になるであろう方々と、家一軒建てるのに
本当に多くの方々と関わり合うのだな、という事を痛感しています。

ただ、家づくりは真剣勝負です。カタログやセールストークでは
見えて来ない裏の面もあることでしょう。今の仕事をしている中で
随分と手抜き工事も見てきました。そういう場合見積書が「一式」
いくらになっていたり、矩計(かなばかり-詳細断面図みたいなも
の)図がえらくアバウトだったりとそれなりの兆候はあるんですよ。

だったら、自分が勉強して(プロには敵わないにしても)少なくと
も業者さんと対等に渡り合えるぐらいになれば良い訳でして、時
間を見つけては色々な住宅関係に関する本を読んでいます。もう
書籍代だけで10万円は使ったでしょうか。それで長持ちする家づ
くりにつながるのであれば、お安い投資だと思って日々捻出して
います(図書館も有効活用してますが・・・)。

まだ先の話ですが、建築請負契約を結んだ後は本当に忙しく大
変になってくるのでしょう。でも、一生に一度(それが終の住みか
になるようでなければ、ローンだけに追われる人生になってしまう
・・・)の事であれば、知識と出会いと運を総動員して、自分なりに
納得のいくまでやってみるつもりです。

だから、「家づくり」は面白い!

このページを立ち上げる事で、全国全世界の多くの方々と交流
を図れれば、と思っています。初心者でテキストばかりのページ
ですが、自分なりに一生懸命作りましたので、応援宜しくお願い
申し上げます。
 
(1998年6月1日記)