「心のケア」大安売り 2005年6月23日
災害や事件の後で被災者、被害者、周囲の人達などに「心のケア」を施すことがお作法になってきました。

校長先生が「生徒達の心のケアを優先」とか、テレビのニュースキャスターが「これからは被害者達の心のケアを...」といった類のコメントを出すことが決まりになっているようです。

それほど簡単に人の心をいじくって細工できると思い込んでいるんだろうか、本当に。転んで出来た擦り傷に薬を塗って、「はい、これで大丈夫」式の応急手当が人の心に通用するほどの技量がいわゆる「心理学者」や「カウンセラー」達にはあるのだろうか。

「一応やっておきました」というだけの免罪符的な役目しか果たしていないでしょう、この「心のケア」の実態は。

圧倒的に多い「心のケア」の配布元は役所です。自腹を痛めずに自分たちの責任も軽くなるし、そして何となく誠意をもってコトに対処しているようなポーズも取れるし、でこれほど重宝な事後策はありません。

また、「心のケア」が一般化してきたおかげで、些細な事件のあった学校の生徒などが「頭痛がする」「気持ちが悪い」「夜、寝ることができない」「登校できない」などと言えば、「そりゃ大変だ」「やれ病院に行け」「いや心のケアだ」などとチヤホヤして盛り上がります。

本当に心のケアが必要なところには見事にこれが抜けています。長年勤続していた会社から解雇されたお父さん、神戸の大地震で愚かな政治家達、腰抜けの役人共に見殺しにされて焼き殺された被害者とその家族には役所から「心のケア」が配給されたという話を聞きません。

また自衛隊が鉄砲を担いで地元から頼まれてもいない道路補修の土方作業に精を出しているイラクにおいて、これ以上一般市民を殺戮しないようアメリカ政府に交渉をすればこれほど立派な「心のケア」の贈り物はなかろうと思われるのですが、とんとそんな話も耳にしません。

「心のケア」さえ振りかざしていれば、役人達は税金をばらまいて場当たり的に、責任逃れと良い子ヅラが可能になるわけで、そんなおためごかしのチヤホヤにうっかり騙されるのも間抜けです。

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