〜第5話 現れし三つ目と四つ目〜


hiroko「捕らえられたクルル。
       クルルが助けを求める組織こそが、・・・うーん、読んでから分かれ。(当然)」

 
ここはジドール。
上流階級の紳士淑女たちの街である。
クルルは、ここまで引っ張られてきたのだった。

クルル「いやー!離して!!」
カイン「フッ・・・」
クルル「そうだ!あの、トイレ行きたいの!」
カイン「そうだな・・・あそこのレストランでご飯でも食べがてらトイレに行け。もちろん逃げないように見張っておいてやる。」

そして、レストランのお手洗い(笑)

クルル「あれは・・・もしかして、活発化のカイン・・・」
クルルは、携帯電話を取り出すと、無我夢中でとある知人の電話番号を押した。

 
「はい、もしもし?」
クルル「ティナ!?私!クルル!!」
ティナ「あら、こんにちは、元気?」
クルル「私は元気だけど・・・」
ティナ「良かった。今映画を見に行こうと思うの。あなたもどう?」

ティナと呼ばれた電話の相手は、のんきにそんなことを話す。

クルル「そうじゃなくって!今、・・・かくかくしかじか・・・」
クルルはティナに今置かれている状況を話した。

ティナ「えーーーっ!?大変!会長と一緒に行くわ!今一緒にいるの!」
クルル「助かった・・・カイエンさんによろしく。」
ティナ「ええ!今すぐ助けに行くから!」

電話は、そこで切られた。
クルルは、ほっと胸をなで下ろすと、怪しまれないうちにと、なんとなく水を流して、トイレをあとにするのだった。

 
さて、助けを求めたティナの方は。
ティナ「カイエン会長!」

カイエンというのは、正常化の会や活発化の会のような、「男女関係清浄化の会」の会長である。正常化と読みが同じ(せいじょうか)なのはご愛敬。
男女関係清浄化の会とは、男女の恋を応援する、一番良さそうな組織。
そしてティナは、この清浄化の会の会員なのだ。
カイエン「おお、どうしたでござるか?」
ティナ「実は、かくかくしかじかで。」
カイエン「それは一大事!共に行くでござるぞ!」
ティナ「ええ!」

 
そんな二人の話を、路地裏からこっそり聞いていた男の姿があった。
「ほほう・・・前からの噂通り、正常化と清浄化がいい関係になっているようだな・・・しかし、いつから・・・?」
そう呟きながら、男はコインをピンとはじき、手に落ちたときに見えた面をまた呟く。
「裏、か・・・いやな予感がするぜ。」

その男は、男女関係活発化の会の副会長である、セッツァーだった。
セッツァーは、路地裏を歩き出した。
そのころ、このドマの市街、同じ路地裏。

 
ロック「本当かよ・・・」
ティファ「本当よ、こう言うところに出没するんだってば!」

ロックと、ティファだった。クラウドを捜して、ここドマまで来たらしい。

ロック「おいおい、幼なじみを出没呼ばわりしていいのかよ?」
ティファ「いいのいいの。」

ティファはそう言いながら進んでいった。薄暗い路地を。
ロックも追いかけ、ティファの前に立つ。

 

 
目の前に、セッツァーの姿があった。

ロック「うん?」
セッツァー「お?」

 
「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」

 
ロックの方では、”活発化の副会長!”
セッツァーの方では、”正常化いちの危険因子!”
そんな認識から。
二人はにらみ合う。

 
ロック「おいおい、活発化の副会長さんじゃないか。奇遇だねぇ。」
セッツァー「・・・そこをどけ。」
ロック「そいつは俺のセリフだな。」
ティファ「ちょっ、二人とも!?」
セッツァー「お嬢さん、手を出すな。
      そしてロックよ・・・どかぬならどかすまで!」
ロック「望むところだ!」

と、二人の手から同時に何かが。
ロックの手からはダガー、セッツァーの手からはカードが。
それらは、両者の右頬に赤い筋を作った。

「く・・・」

 
ロック(接近戦なら俺の方が有利!)

と、ロックが突っ込む。右手のダガーを低く持つ。
左下から、右上へ、斬り上げようとしたが、セッツァーの隠し持っていた同じものによって止められる。

ロック「ちっ!」
セッツァー「・・・!」

セッツァーは、左手に四本のダーツを挟み込むと、ロックの足下に投げつけた。
しかし、高く飛んだロックに避けられる。

ロック「当たらないな!」

ティファ(・・・互角・・・)

 
と、その時だった!
「閃光波!」
どこからか、ロックとセッツァーの間に光が落ちる。
ロック「何!?」
セッツァー「誰だ!どこにいる!」

「はっ!」
近くの家の屋上から、光り輝く剣を手にした一人の男が飛び降りてきた。
そして、かっこよく(笑)着地。

彼は、そのまま話し始める。
「・・・君たちは、正常化と活発化のナンバー2・・・
 こんなところで喧嘩なんかするもんじゃないよ。
 ま、言うなれば、喧嘩両成敗ってとこか・・・

 ・・・な!」

そう、かけ声のように言うと、叩きつけるように一撃ずつ、二人に浴びせる。
セッツァー「何故、俺達のことを知っている!?」

「それは・・・僕が友情の会のメンバー、セシル・ハーヴィだからさ!」
友情の会。そのまんまの組織なので、説明は省く。

 
ロック「友情、だと?・・・っ」
セッツァー「くっ・・・」

セシル「ふう・・・大丈夫ですか、そこの方?」
ティファ「ええ、私は。でも、そっちのふたリ・・・伸びてるわよ。」
セシル「ありゃ(笑)」

 
そして、ドマ病院。ロックとセッツァーの入院が決定して、病室。

セシル「・・・ごめん、ここまでするつもりは・・・」
ロック&セッツァー「フッ・・・」

ロックとセッツァーは、不敵な笑みを浮かべる。

セシル「・・・?(汗)」
ロック「友情の会の会員が、各会のナンバー2に大怪我を負わせた。」
セッツァー「あぁ・・・友情の会も廃れたもんだ。」
セシル「なっ・・・」

 
その頃、名も無き(笑)友情の会のメンバーを見舞いに、偶然ドマ病院に来ていた友情の会会長、マッシュ。
マッシュ「ん・・・あの声は、セシルの・・・?」

見舞いを終えたマッシュは、その声のした方向へと歩いていった。
そして、その病室のドアを開ける。

 
マッシュが目にした光景は、ロック、セッツァー、セシル、それから、ティファ。
マッシュ「あれは、正常化と活発化の・・・セシル、これはいったい?」
セシル「実は・・・」

セシルはマッシュに事の一部始終を話した。話し終わったと同時に何かを耐える準備のように目をつぶる。
案の定というか、マッシュからの返事はこうだった。
マッシュ「なんだと!?お前、それでも友情の会の会員かよ!」

友情の会では、事件の解決に「力」を使うことはタブーとされている。
しかし、セシルの話では、それに「力」を使ったというのだ。

セシル「ご、ごめんなさい・・・は、反省してます。」

と、ティファがマッシュの前に出てくる。
ティファ「あなたが、彼の行動を指示したの?」
セシル「違うよ、僕が勝手に。」
ティファ「黙ってて。・・・責任能力がないのね、会長ともあろう人が。」
マッシュ「待ってくれ!そんな。」
ティファ「言い訳は無用!さあ、表に出なさい!」
マッシュ「・・・。」

セシル「会長、僕のせいで・・・」
マッシュ「お前のせいじゃない・・・
     とにかく、多少の先頭はやむを得ないだろう。・・・それでもいいか?」
セシル「・・・」

そう言うと、マッシュは先に出ていったティファを追い、病院前の駐車場へと出た。

 
 
 
 
hiroko「はい、なんだか大変なことになってます。登場人物の多さについて行けていますか?
       ではでは、また!」


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