〜<新たなる流れ、新たなる時>〜


お知らせ:一行ずつ下げて読まないと面白くありません(笑)

 
マッシュ「あれから、ちょうど一年か・・・」
エドガー「そんなに経ってしまったのだな。長いようで短い・・・友情の会は立て直せたのか?」
マッシュ「お?珍しく気を使ってくれるじゃないか。」

兄弟はここに、一年ぶりに再会を果たした。
失われた国フィガロの王、エドガー。そして別の運命を生きたその弟、マッシュ。

 
マッシュ「実は・・・全然。
     メンバーも数えるぐらいしか生き残ってないし・・・もう無理かも知れない。」
エドガー「それについて思っていたことがあるのだが・・・話していいか?」

 
セフィロスと戦ったメンバーの中に、エドガー以外にも自らが守っていた国が失われた者というのはいる。
レナやファリス。ガラフ、そしてクルル。その他いろいろ。数え切れないほどの国が・・・いや、陸という単位で失われた。

 
−−星は、守られたのだろうか?

 
鉄の柵の張り巡らされた先を見下ろせど、答えを教えてはくれない。海は黙り込み、口を開くことを拒む。

 
「ああ。」

 
 
スコール「リノア・・・あれからいろいろ考えたんだ・・・」
リノア「・・・うん。」
スコール「SeeD・・・ガーデン・・・学園長。ママ先生。
     今は、全て海の底・・・でも、俺は、SeeDになるべく生まれてきたわけじゃない。」
リノア「うん」

キラキラと輝く小川。どこからわき出てどこへ行くのかは、誰も知らない。
この浮遊大陸のみにおいて自然のサイクルが始まったのだ。
そのほとりにたたずむ二人。緑色の草は生えそろい、二人の座るクッションとなっていた。

海のみとなった星。彼らの親は、とうに星に還っていた。

 
スコール「だから・・・俺は・・・リノア。」
リノア「言葉は要らないよね・・・スコール。」

 
 
マッシュ「へぇ・・・なかなかいいこと考えるな。もし出来上がったら、俺にも声をかけてくれよ。」
エドガー「おい、今まで何を聞いていたんだ?」

 
 
カイエン「ティナ殿、そちらはどうでござるか?」

半分に割れた白い珠。少々ひびの入った黄色いメガホン。
それは、一年前のこの日から、この土の下にうずまっている。

それを取り囲むように、色とりどりの花が、またここに花を咲かせにやってきた。

抱えきれないほどの花束。
それは、数え切れない命をあらわしていた。
エアリスの・・・、ケット・シーとその操り手であった神羅重役の・・・、そして、平和を願い、星に還った全ての人の・・・。

 
この日、この時、ちょうど失われていった命を、一年後の今日、二人は見舞いに来たのだ。

ティナ「ええ。会長。」
服に付いた土をはらって、ティナが立ち上がる。彼女の手は、先程までその花束を抱えていた。

カイエン「ティナ殿。拙者はもう会長という位を捨てたのでござるぞ・・・」
ティナ「いいえ。私をここまで導いてくれたのは会長だと信じている。だから、そう呼ばせて。」

 
花が、風に揺れた。

 
 
マッシュ「・・・え?」
エドガー「もう一度最初から話そうか?」
マッシュ「いいよ、聞いたし・・・」
エドガー「・・・それならば、分かるだろう?お前が手伝わなければ、出来上がらないと言うことも・・・」

 
 
トサッ

二羽のチョコボの足が、同時に草を蹴り上げる。

トサッ

今度は反対側の足。
並びながら走る二羽のチョコボ。片方には青年が乗っていた。

 
ボコ「クエッ!!」
「クエ!!」
呼び合う二羽のチョコボ。

バッツ「ココか。・・・ボコ、本当にいい嫁さんもらったな。」
ボコ「クエクエッ!!」

と、その声に反応して後ろからもう一羽のチョコボがやってくる。そこには、一人の少女が乗っていた。

クルル「ボコが、今度はバッツの番だって言ってるよ!」
バッツ「え、ええっ!?」

思わず立ち止まるバッツのチョコボとクルルのチョコボ。
前を進んでいたもう二羽のチョコボ。上に乗せている女性が、揃って振り返る。

ファリス「バッツ、クルル!何してるんだ?」
レナ「おいてっちゃうからね!!」

ふとレナとバッツの目が合う。静かな空間を風が揺らして、二人が微笑みあった。
ボコとココ、そしてクルルの乗っているチョコボが二羽に追いつくと、一生懸命三羽の子チョコボがその後を追うのだった。
それは、ボコとココの間に生まれた新たな命。
星の新たなる流れに祝福されて生まれた、小さく、でも大きな命。

 
 
マッシュ「それも・・・そうだな・・・ははは・・・」

 
 
セルフィ「まったくもう。また別の女の人に手を出して!」
アーヴァイン「セフィ〜〜〜、やめてくれよ〜〜〜!!」
セルフィ「その呼び方やめてよ!またセフィロスを思い出しちゃうじゃない!!」

リディア「エッジ!早く来なさいよ!!」
エッジ「ま、待ってくれよリディア〜〜〜!!」
リディア「私がいないと何もできないの?弱虫!」

 
「・・・あ!!」

カームの商店街。
男を引きずる女という形の二人組が、十字路でばったりと出会う。

 
セルフィ「ひっさしぶり!」
リディア「本当に久しぶりだね〜。どう?」

セルフィ「すっごい、いいよ。こいつを除けば!」
アーヴァイン「い、痛い痛い痛い!!」
セルフィがアーヴァインの耳をぎゅっと引っ張る。

リディア「なるほど〜。こっちもだよ。」
エッジ「わ、わわっ!何するんだよ、リディア!!」
リディアはエッジの尻を叩き、強引に立たせる。

女性側は、その似たような光景にプッと笑いをこぼし、
男性側は、かつての敵であった似た境遇の男を苦笑して励まし合った。

 
 
マッシュ「そうと決まれば、さっそく連絡を取らないとな!」
エドガー「手伝ってくれるか?」
マッシュ「兄貴の誘いだ!断れるか!」

 
ピッ!!

カイエン「はっ!」

 
ピピッ!!

エッジ「おっ?」
アーヴァイン「あっ?」

 
カイエン「ティ、ティナ殿!こ、これは一体どうすれば・・・」
突然の携帯電話への着信音がけたたましく鳴り響く。そしてそれが回数を重ねるごとにあわてふためくカイエン。
ティナ「ここの「着信」でしょう?何度言ったら分かるの?」

 
エッジとアーヴァインは顔を見合わせ、そして自分の携帯電話を取る。

 
『もしもし?』
エドガー「・・・みんなか?」
『あっ!』

エッジ『こりゃこりゃ!一体どんな用件で?』
アーヴァイン『ん??あ、もしかしてエッジもエドガーさんから来てるってやつ?』
エッジ『そうだぜ〜。』
カイエン『して・・・エドガー殿?一体どのような用件で?』

 
エドガーの口元がかすかに笑う。
その理由は、懐かしい声を再び聞くことが出来たこと。
そして、隠されたもう一つの理由。

 
「“人間関係通常化の会”だ!」

 
 
小川は流れ出し、潤された土に花が咲き乱れ、風はそれを揺らす。
自然が再び動き出したならば、残された者も再び動き出す。

 
エッジ『なるほど!』
アーヴァイン『いいネーミング!』
カイエン『無論エドガー殿が会長を務めるのでござるな?』
エドガー「ああ。それならば・・・」

 
 
−−ふわふわと浮かぶ大陸は、確かにそれを教えてくれたのかも知れない

 
 
かと思いきや

 
直後の反応を考え始めたマッシュが笑いをこらえきれなくなって少々その声を漏らしている。
エッジがなんとなくそのマッシュの声を聞き取り、いやな予感を感じていたその時。

これで4つの組織が1つにまとまると思いこんでいたカイエン、エッジ、アーヴァインの耳に飛び込んできた事実は、こうであった。

 
 
エドガー「我々5つの組織の争いにもハリが出てくるのではあるまいか?」

無論5つ目とは、“人間関係通常化の会”である(汗)

 
 
「皆の答えを楽しみにしているぞ・・・」

 
笑いながら電話を切ったエドガー。
さらに、電話を切られた三人。

 
「もう一度、男女関係正常化の会を作るぞっ!!!」
「もう一度、男女関係清浄化の会を作るでござる!!!」
「もう一度、男女関係活発化の会を作るんだぁー!!!」
その場で各自このように叫ぶのだった。

 
エドガー「マッシュは・・・どうだ?」
マッシュ「俺もやれってか?やってやるぜやってやるぜ!!」

「もう一度、友情の会を作ってやる!!そしてこの大陸最大の組織にしてみせるぜ!!!」

 
ティナは喜んでカイエンと握手をするが、
セルフィはまた同じ過ちを繰り返そうとするそのアーヴァインの頬をはたき、
リディアは新たに敵となったエッジからパッと離れる。

 
 
エドガー(会員ナンバー002と003は、二人のために空けておいてやろう・・・)

あの一年前の戦いの先頭に立って活躍した二人のために。
と言うより彼ら二人が通常化に入るという事を確信しているのも、彼の自信家ぶりが明らかになっている。

 
ティファ「クラウド。こんな紙が配られてたんだけど。」
クラウド「なになに・・・“人間関係通常化の会”・・・?」
ティファ「入らない?今までの組織よりもまともそうだし。」
クラウド「そうか?なら、入ってみるか。」

予想通り、彼らはそちらに入るようで・・・

 
 
 
THE  END

 
 
 
hiroko「えーい、終わりだ終わり!!!!言っておくがクリスタルはないぞ!
       カイエン×ティナ疑惑とかありますけど、知らないうちにそうなっちゃいました。この二人の組み合わせ気に入った(笑)
       んで、何か気になった方がいらっしゃいますね?いなくてもそう言うことにしておきます。
       そう・・・新たな組織が出来上がったからには争わせなきゃ!
       次回作は「FFD」!!!決定です決定です決定です!!
       FF3ばりの(本人そんなつもりないんですけどね〜)浮遊大陸で、縦横無尽に5つの組織が争っちゃう!
       主人公争奪戦かも知れません〜。主人公は多分いないと思う・・・多分ね?
       そして、FF9のキャラ多数登場!!このFF4〜9小説、見逃せませんぞ!!!
       と言うことで、突っ走ってきました。がんばりました。FFDは毎週木曜日必ず更新いたしますぞ!!
       ん?じゃあ気になるのはFF9新作小説?でしょうでしょう?
       予告しちゃいます予告しちゃいます!
       タイトルは「8人の侍・ver・思い返して笑い出して」!!!
       長いのでいつもは「8人の侍」でいいです。同じ人数のやつがありましたから区別のつもりで(爆)
       そうです!12人の侍の続編!もちろんロック達も出るぞ!主人公は貧乏ギター士のジタンです!!ってんだぁーーー!!
       しかし、本当に最後まで読んでくれてありがとうございました。今度は何も出ないけど感想下さい!
       これからもみなさんのご感想を栄養剤にしてキーボード打ちます!
       そして・・・またFF6のプレイ日記だそうです。今度は3人クリア。では、どぞ〜〜。」


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